『どうして本を読まなければいけないのか』 あなたならこの質問に、どう答えますか? 簡単なようで、とても難しい質問ですね。
本を読めば知識が深まり、様々な感情や価値観を経験することができます。ですが、食事や睡眠のようにしなければ生きていけないものではないのです。言わば、一種の娯楽です。それでも、『本を読む意味』とは何なのでしょうか。
自らを“活字中毒”と称する著者は、本書の中でこんなことを言っています。 『人間の能力はそれほど高くない。イノベーションやアイデアのほとんどは既出のアイデアを借りてきて組み合わせ、使いまわしながら生み出されています。』 著者曰く、そのアイデアの根源となるのが“教養”です。教養を身につけることでアウトプットの幅が広がり、発想が豊かになります。より良い人生、より良い仕事、より良い生活を送るためにはより多くの教養が必要なのです。
弘前大学生協SHAREA店 書籍担当 渥美有花
私はこの本を読んで、筆者の言う教養とは物事を決めるときの“判断基準”にもなるのではないかと考えています。大学生になると自分で考え判断しなければいけない場面が増えますね。たとえば、講義の選択、上級生になれば就職活動も始まり、自分の人生について大きな選択をしなければなりません。そんな時、本を通じて先人の失敗談や成功談、様々な考え方・価値観を知っていたら、より良い選択ができるかもしれません。二十数年しか生きていない学生にとって、これまでの人生経験だけで判断するのはとても悩ましいことです。だからこそ、教養を深めることが大切であり、それが体系的にまとめられた本を読むことが一番効率的なのです。幸い、そのための時間を学生のみなさんはたっぷり持っています。ぜひ時間を惜しまず、なるべく多くの本に触れ、“教養”を深めてほしいと思います。そのはじめの一歩として、この本がきっと役立つはずです。