生協職員からの新刊お奨めの本紹介

『トリガール!』中村航 角川文庫

表紙

『トリガール!』中村航 角川文庫

芝浦工業大学には、鳥人間がいます。UMAの類ではありません。
夏に開催される鳥人間コンテストに毎年出場している、芝浦工業大学の人力飛行機サークルのことです。
彼らは真夏の琵琶湖の空を目指し、プロペラ班・翼班・パイロット班などに分かれて日々研鑽しています。余談ですが、秋の学園祭では焼き鳥の屋台を出店しています。近隣にお住まいの方はぜひお越しください。

「トリガール!」は、芝浦工業大学出身の小説家中村航先生が、実際に芝浦工業大学の鳥人間The Birdman Trial(T・B・T)に取材して書き上げた青春小説です。
機械工学科に入学しエンジョイ&ラブリィな大学生活を送ろうと楽しみにしていた主人公ゆきなは、先輩と友人に誘われるまま、なりゆきで鳥人間サークル「T・S・L」に所属し、なりゆきでパイロット班に入り、トレーニングのためのロードバイクまで購入してしまいます。彼女がぼんやりと描いていた「女子力あふれる大学生活」の夢があっさりと消えて、ロードバイクで通学し学校でもエアロバイクをこいでトレーニングにいそしむ日々が始まってしまうあたりで、読者は「この子こんなに流されて大丈夫かな…」とやや不安を感じてしまうことでしょう。しかしゆきなの意志の強さと負けん気は、この後、本領を発揮するのです。

作中のTSLも実際のTBTも、鳥人間コンテスト人力飛行機ディスタンス部門では珍しい二人乗りの機体を長年採用しています。馬力は二人分、でも体重も二人分という難しい機体です。パイロット同士の信頼関係はもちろん、機体を作成する各班との関係も大切に描かれたこの爽快な物語は、土屋太鳳さん主演で9月に映画が公開される予定です。
映画も、鳥人間コンテストも、トリガール!スピンオフの新作『恋を積分すると愛』も、一度トリガール!を読んでゆきなと一緒に琵琶湖の空を飛んだ方なら何倍も楽しめること間違いなし!おもちは二個ですよ!


芝浦工業大学生協 豊洲店SB 相原 智子