「新刊おすすめ本」の紹介ということで依頼されたのですが、私が選択した本は2007年に発売された本です。この本の著者であり助産師をされている内田美智子さんについては、大学生協がすすめる食育活動の学習会の中で知り、また食堂の店長から何度か名前を聞かされていたこともあり、「この機会に読んでみよう」と思い選択しました。
私はいい父親ではなく、また決していい夫ではないのですが、この本を読んでいて十数年前子供が小さかった時に子供を抱きしめることで自分自身も子供から愛情をもらっていたことを思い出しました。子供もそうですが、親である私も子供の愛情を受け止めることで心が平穏になり、感情をコントロールすることが容易であったような気がします。死ぬことに対する不安がなくなったのもこの頃でした。また当時は便利な社会に対する不満がものすごくあったことも思い出しました。「お金さえあれば何でも手に入る世の中」「お金さえあれば我慢しなくて済む世の中」「あらゆる欲望がお金で満たされる世の中」。スマホもコンビニもネットもなくなれば、今の社会はもっと良くなるんじゃないか?お金があっても使いみちのない社会になれば、人はもっと助け合って生きていくんじゃないか?自分が子供のころはクーラーも暖房もなかったし、お腹が空けば井戸水に砂糖を溶かして飲んでいたが、それでも当時の暮らしの方が今よりずっと暖かかったし、自分の感情を押さえられなくなる人や自分の欲望を満たすために周りに迷惑をかける人などいなかった。
この本を読んで、色々なことを思い出し、また色々なことを考えさせられました。たくさんの大学生に読んでいただきたいです。
香川大学生活協同組合
専務理事 大木 積