生協職員からの新刊お奨めの本紹介

『教養としてのテクノロジー』NHK出版新書 伊藤穰一著

表紙

『教養としてのテクノロジー』
NHK出版新書 伊藤穰一著

10年ほど前からAIのブームが起き、機械学習やディーブラーニングなどが研究者の世界でトレンドになっていることを、書籍部の店頭で肌で感じてきました。仮想通貨については少し前に報道もされ一時期集中的にその言葉を聞いた方も多かったと思います。「その言葉聞いたことあるんだけど、実はどういう意味なんだろう」「こんなに取り上げられるのは何故なんだろう」という疑問をお持ちの方にオススメの本です。これを書いているのは5月末なので、まもなく就職先から内定をもらう学生の皆さんもいると思いますし、もう一学年若い学生のみなさんは、夏にインターンシップに参加するという人もいるでしょう。大学生ならだれでも一度は「自分はこの後社会に出てどのように働きたいか」を考えることがあると思います。AIは私たちの仕事・労働をどう変えるのか、仮想通貨は国家をどう変えるのか、ブロックチェーンは資本主義をどう変えるのか・・・

労働とは何か?対価としてお給料を得ることなのか、成功とはなにか。AIなど、急速に発展する技術が変えつつある世界をどのように捉えていけばいいのか。資本主義的価値観に対するある種の揺らぎが語られ始めて久しいですが、背景には仮想通貨とブロックチェーンという技術の発展もあることを本書を読んで知りました。AIによる進化したシステムが暴走して、人間を迫害する、みたいなストーリーのSFは以前からよくある設定のひとつですが、そういう状況が現実味を帯びるほどの技術革新のうねりの中で、人間とAIは何が違うのか。この本はサイエンスの教養を身に付けたいと手に取りましたが、哲学的な問いが幾つか生まれてきます。カタカナのトレンディな用語を上滑りでなく本質的に理解したい方にお奨めしたい本です。


金城学院大学生協
専務理事 丹羽 みちの