生協職員からの新刊お奨めの本紹介

『自分のことだけ考える』ポプラ新書 堀江貴文著

表紙

自分のことだけ考える
ポプラ新書 堀江貴文著

タイトルだけ見ると、五十代の自分の目には“いかにもホリエモンが言いそうだ”という印象に映ってしまうのは2004年のライブドア事件の影響だろうか。多くの大人が「ホリエモン」を毛嫌いしたように、自分もまた彼に対しては「コイツは生理的に好きになれぬ」と勝手なイメージを抱いていた。しかしここ最近、立て続けに出版された同氏の著作に多くの若者が共感しているという。そこに何があるのか実際に彼の著作を開いてみると、実にシンプルな文章の中にそこそこ強めに込められた勇気と希望が感じ取れ、随分とホリエモンに対する印象が変わった。なるほど、若い人たちに支持されるわけだ。大学生だけでなく若い社会人に読んで欲しい本だと思う。特に閉塞的な風土を持つ組織で何らかの仕事に携わっている人には強くお奨めしたい。
さて、ふと振り返り14年前に「ホリエモン」が多くの大人に毛嫌いされた理由とはいかなるものだったろうか?もしかしたらそれまで“オトナ”が築き上げてきた古い慣習を壊し、自由な価値観で仕事を作る“生意気な若者”に対する嫉妬だったのではなかろうか。かく言う自分も、まんまと彼に対するイメージを植え付けられた一人なわけだが、この歳になり、本当に自分がしたい仕事をしようと思ったとき、過去の常識や、誰かの都合で作られたルールの何と多いことか。著者はそれらを20代の頃から気付き、戦ってきたのかもしれない。ただし、やり方は下手だったように思うし、何より太々しい態度は控えるべきだっただろう(笑)

過去ではなく未来を生きる大学生の諸君は、どこの誰とも分からぬ大人が作った“その時は正しかったルールや慣習”を闇雲に受け入れ、他人から与えられた成功体験に酔いしれることなく、おおいに失敗を繰り返しながら成長してほしいと心より願う。そんなことを思わせてくれる本だ。


札幌学院大生協
専務理事 菅沼 秀也