生協職員からの新刊お奨めの本紹介

『巡礼ビジネス』角川新書 岡本 健著

表紙

『巡礼ビジネス』角川新書
岡本 健著

「聖地巡礼」、といっても宗教的な旅ではない観光と地域活性化のお話である。アニメやゲーム作品などポップカルチャーの舞台となる地域や建物を“聖地”として、それらを実際に訪れることを指すことばが「聖地巡礼」だ。本書ではそんな「聖地」を観光資源として地域を盛り上げて“巡礼”してもらい、ビジネスとして地域経済に取り込んでいく取り組みを紹介している。

読みながら思い出したのは、事例としても紹介されているテレビアニメ作品「けいおん!」(2009年〜)である。

ある回で京都に修学旅行に行った主人公たちが泊まった宿の外観を見てびっくり!自宅近くの宿泊施設とそっくりだったのだ。後日その前を通ると、5 人程のグループが建物と手元の資料を見比べたり写真に収めたりしていた。

彼らはアニメ本編ではほんの数秒しか登場しなかったシーンの「聖地」を見るため、京都でもあまりメジャーではない地域まで足を運んだのだ。だから、既存の風景や建物などの資源も見方を変えれば行きたくなる場所になるのかと実感することができた。

そして、当店では2018 年11 月から立命館にゆかりのある先生を中心に刊行を記念して店内でお話しいただく「トークイベント」を開催している。岡本先生には2019 年1 月にご登壇いただき、本書の執筆にいたる経緯や文中に登場する地域での調査についてお話しいただいた。その際はSNS を見て関心を持った他大学の学生さんも来られるなど大変盛り上がった回となった。

今回、その時のお話を思い出しながら読み進めると、巡礼ビジネスで大切にすべき”価値を見つける“こと(様々な意味を含む)をより想像することができる面白い体験だった。自らの体験とお店での体験の双方がある思い出深い1 冊である。

(イベント開催当時の店舗レポートもアップしています。併せてお読みください。
https://www.ritsco-op.jp/pickup/2019/05/2019115.html#repo01


立命館生協 ブックセンターふらっと 青谷行人