生協職員からの新刊お奨めの本紹介

『ちゃぶ台』ミシマ社の雑誌 ミシマ社

表紙

『ちゃぶ台』ミシマ社の雑誌 ミシマ社

「アナキズム」ってなんだ?〜「あたりまえ」を問おう

ミシマ社の「ちゃぶ台」。雑誌なのに単行本型。しかも、背表紙がなく、かがり糸がむき出しの装丁。(コデックス装というらしい)
「ちゃぶ台便り」という手書きの便りが入った、手作り感満載の雑誌だが、今回第5号を初めて手に取った。テーマが「宗教×政治」だったから。

特集のひとつが「みんなのアナキズム」。「アナキズム」は「無政府主義」と訳される。なんだかきな臭い、あやしい響きがある。と筆者の一人の松村圭一郎が書いている。でもそうではなくて、国家の存在が当たり前になった時代のアナキズムは、国家に囲まれた自分たちの生について立ち止まって考えてみる、ひとつの態度のようなもの。だそうだ。

「明日、日本という国がなくなっていたらどうする?」そんな問いが、日々繰り返している生活の意味を根底から問われることになるのではと。

国家とは安全な生活を守ってくれて、何か問題があれば解決してくれる、そう信じている人が多いが、歴史的にみれば国家はそんな「やさしい」存在ではなかった。国家は農耕や兵役などの労働力を確保するための安定的な定住人口が必要だ。そのために昔は戦争による捕虜の獲得や奴隷狩りが行われた。

現代社会も同じだ。「国家」にしばりつけられた「国民」でいることがはたして本当によりよき生を生きることなのか?

よりよいルールに替えるには、ときにその既存のルールからはみ出さないといけないときもある。本当に大切なことを守るために、いやなことにはちゃんと「不真面目になる」ことが「はじめてのアナキズム」への一歩。 
 一歩、踏み出すために読んでみませんか?


一橋大学生協西ショップ 
店長 小岩 輝代