聞いたり話したりする時、「よく分からなかった」や「うまく伝わらなかった」といった経験はないでしょうか。そういった時は「段落」を意識してみてはどうでしょうか。
文章を読んだり書いたりする時の段落なら想像できるけれど、聞いたり話したりする時の「段落」ってなんだろう。そう思ったのがこの本を読むきっかけでした。
おそらく多くの方が小学校か中学校の頃に形式段落や意味段落といった形で「段落」というものを学ばれたと思います。本書ではそういった段落の種類や構造を学ぶと共に、「読む「書く」「聞く」「話す」という言語の運用の中で段落の生きた役割を教えてくれます。
「聞く」「話す」は書かれた文章のように目で見て分かる段落はありませんが代わりに言葉が段落の切れ目を作り出しています。例として「接続詞」や「文末表現」が挙げられています。無意識に使っている事もあるそうですがそういった言葉を意識してきちんと使うことで話しのまとまりが分かりやすくなるそうです。相手に伝わりやすくするにはどうしたらよいかと考えた時、声のトーンとか身振りなどを考えがちだったので「段落」を意識して話すというのはとても新鮮でした。他にもパワーポイントの上手なプレゼンテーションの方法も紹介されています。パワーポイントのスライド一枚一枚を段落として捉え、聞き手が話の全体像を理解しやすくする工夫が紹介されています。
大学生は授業やゼミの発表などで聞いたり話したりする事が数多くあると思います。よりよい発表の為に何かヒントになるのではないかと思います。もちろん読むことや書くことについても書かれていますのでレポートなど文章を作成される方や読み書きの力を上げたい方はぜひ一度この本を読んでみてください。
関西学院大学生協
KGフォーラム店書籍部
田邊智子