定期テストが受験勉強にもつながる

大平さん:
私はいま高2で、部活とかがあると本格的に受験勉強を始めるのは高3からになると思います。みなさんは高1から高2の間にどれくらい勉強していましたか。また、高校3年生では学校の定期テストと受験勉強をどのように両立されていましたか。

中山さん:
僕の場合は、塾の方が高校の授業よりも進みが早かったので、高校の授業が塾の復習みたいなサイクルになっていました。なので、学校の定期テストのために勉強する感覚はなくて、受験勉強の一環に高校の試験があるという感じでした。ただ、そうは言っても、受験に必要ない教科もありますよね。それに関しては息抜きぐらいの感覚でやっていました。僕は推薦を受けなかったので、成績はそこまで大事じゃなくて、赤点を取らなければいいかなぐらいの気持ちでやっていた部分もあります。あと、11月に文化祭があったので、その期間は勉強しないと決めました。高3の10月はたぶん1分も勉強していないです。中途半端にやろうとすると結果的にどっちつかずみたいになっちゃうのはやっぱりよくないし、気持ちにメリハリをつけたかったので。周りもみんなそうしていたし、僕も結果的に文化祭の時期は文化祭に集中して、終わってから、さぁこんどは受験に集中、という流れにしてよかったと思います。

叶田さん:
私は数学や理科が苦手なので、高2までは数学と理科を重点的に勉強するようにしていました。でも志望校が決まってきて、私はもともと早稲田の文化構想の指定校推薦を目指していたのですが、他の志望校もすべて文系だったので、数学や理科はほとんどやらなくなりましたね。ただ、定期テストの時は、受験との両立とかについては深く考えていなくて、普通に数学も理科も含めて定期テスト用の勉強をしていました。高2の時は、あらゆる教科で単語系が重要だと感じたので、英単語、古文単語、漢文単語などの単語類に力を入れていました。

田島さん:
僕の周りにもいたんですけど、塾(受験勉強)を優先して、学校(定期テスト)をおろそかにしている人が結構多いですが、僕は学校の勉強、特に高1、高2のときの勉強は結局受験勉強につながると思っているので、学校の勉強に関してもまず目の前のことをしっかりやるというのがすごく大事だなと思います。基礎を飛ばして応用に行くことなんてできないですよね。僕は推薦ではなかったですが、推薦を考えている人は余計にそれが大事になってくると思います。

植木さん:
私は高1の2学期までは専門学校に進学しようと思っていたので全然勉強していなくて、定期テストの勉強しかしていませんでした。評定は3.1くらいです。高1の3学期ぐらいになってお茶の水女子大学に行きたいと思うようになって、AO、推薦、一般、全部にチャレンジすることを決めたんですね。AOと推薦では評定が必要になってくるので、まずは評定を上げないと、ということで定期テストに力を入れました。それまでは学年全体の半分くらいの順位だったのですが、高1の3学期にちゃんと勉強するようになったら一桁が取れるようになったんです。この調子でどんどん評定を上げていこうという形で、高2からは文理が分かれたので文系の中ではずっと1位を取り続けることを目標にしていました。AOと推薦には高校3年生の1学期までの成績が必要だったので、定期テストはかなり頑張りました。受験勉強もやっていましたが、正直定期テストの前はテスト勉強のほうが比重は高かったと思います。最終的に評定は4.8くらいまで上がったので推薦を出してもらうことができました。テスト勉強は頑張って良かったと思いますし、そもそもお茶大は国立なので、要らない教科がなくて全部必要な教科だったのでやっていて損はなかったです。学校の勉強は基礎として絶対にためになると思います。

今井さん:
植木さんに質問です。小論文が得意とおっしゃっていましたが、どういう練習や対策をしましたか。僕は作文は得意な方ですが、小論文と作文の違いはどのような点ですか。

植木さん:
作文は自分の感想などを書くものだと思いますが、小論文は論理的なところといいますか、筋がしっかり通ることが大事になってくると思います。私自身、高校で小論文の模試のようなものがあったのですが1年生の時はよくわかっていませんでした。お茶の水女子大学の試験では、だいたい2つの設問があるんです。一つは課題文を読んで「要約しなさい」とか「下線部の意味を答えなさい」というもの。そしてもう一つはいわゆる小論文で、例えば、「世界史における○○というテーマで自由に書きなさい」みたいなものです。志望する学科のテーマに合わせて題材が出されることが多いかなと思います。私が行った対策としては、まずは国語の先生に、いったん自分の力で書いたものを見てもらいました。すると「ここはあなたの感想ですよね」といった添削が返ってくるので、感想と小論文の書き方の区別のようなものを先生に教えてもらいました。そうして、小論文の書き方の型(基本)を掴んだ上で、私は日本史の分野で小論文を書きたかったので、次に日本史の先生に見てもらって内容面のアドバイスをいただきました。ですので、まずは国語の先生に見てもらって書き方を覚えた上で、自分が書きたいな言いようがあればその分野の先生に見てもらう形でやっていくのが良いと思います。

小川さん(司会):
そうですね。慶應大も文系学部は必ず小論文の出題がありました。私自身はすべての学部の過去問を解いて、この学部はこういうところが狙いなんだなというのを、探究していましたね。勉強法としては植木さんがおっしゃっていた通り、先生に見ていただいて添削して書き直すというのが一番力になると思います。高3の年明けは授業がなかったのであまり登校していませんでしたが、小論文は国語の先生宛てに封筒で書類を送って添削してもらっていました。小論文が得意になると、とても強い武器になると思うので、気になっているなら、今のうちから何度も書いて練習すると良いと思います。

今井さん:
ありがとうございます。

小川さん(司会):
過去問をいつから取り組み始めたか、何年分解いたか、大学生のみなさんに教えていただきたいです。

田島さん:
過去問は志望校の勉強として最も実践的な練習になるので、始めるタイミングの見極めが結構難しいんですよね。それぞれの大学の傾向と対策を知るために早い段階から押さえておいたほうが良いのはもちろんですが、あまりどんどん解いてしまうとやるものがなくなってしまうので直前期まで取っておいたほうが良い、ということもあります。ただ、それも教科によって使い分けだと思っていて、大学によって癖がある問題があるのでそういった問題については普段から練習しておいたほうが良いと思うんです。例えば、東京大学だと、世界史で600字の論述があるんですけど、その練習のために僕は過去問の古い方を早めに使ったり、あとは模試とかで似たような問題を探して解いたりしていました。東大だったら「東大オープン」や「東大実践」という模試がありますが、その問題集が販売されているので、それをやることによって過去問に近い演習ができるんですね。予備校が研究した成果がまとまった問題集なので、かなり使えると僕は思っているのですが、そういったものをうまく使いながら、過去問を早い時期に使い切らないような工夫はしていました。

小川さん(司会):
田島さんは東大の過去問を何年分解いたんですか。

田島さん:
教科によりますが、日本史と世界史は『東大の日本史27カ年』という本があって、それは全部解きましたね。僕は浪人しているので、浪人しているときには世界史も結構な過去問を解きました。現役生がそれをやるのは厳しいかなと思うくらいの量です。あと、併願校とのバランスも考えたほうが良いと思います。実際、僕は慶応、早稲田の過去問はほぼやらないという結果になってしまったのですが、両立はしたほうが良いと思っていて。そうなると「過去問をどう配分させるか」長期的な計画として、考えるのが宜しいかと思います。

小川さん(司会):
ありがとうございます。中山さん、叶田さん、植木さんはいかがですか。

中山さん:
僕は田島さんと同じく浪人していたので、最終的にはどの教科も25か年分の過去問本になっているものは全部解きました。そもそも過去問を何のためにやるかというと、例えば受けたい大学があるとして、その大学の傾向と対策を知ること。そして、その大学の合格点との距離がどれくらいあるのかを知るためだと思っています。当然、行きたい学校がつくった問題なので、一番良い教材ではありますが、普通の問題集みたいにやみくもに解くというのは絶対避けた方が良い。過去問は本番前に解く問題として、できるだけ自分が本番に近い状態になってからやったほうが良いと思うんですね。例えば、高3の春夏の時期などは本番の入試問題に体当たりできるほど実力が付いている人って、たぶんあんまりいないと思うんですよ。その状態で過去問を解いて、全然できなかったとするとその過去問を1年分、無駄にしてしまうんですよね。自分がしっかり準備をしてから過去問に本気でぶつかっていったほうが、自分のためにもなるし、本番前に自分が足りないものを整理しやすいと思います。僕自身は現役の時には11月の文化祭が終わってから過去問演習を始めました。いろいろな人の話を聞きましたけれど、やはり多くの人は冬ぐらいから、早くても秋明けぐらいからやる人が多いのではないかと思います。僕は過去問は一回解いたものを何度も見直しました。少なくとも3回ぐらいは。結局、過去問はどんな問題集よりも一番大事な教材だと思うんです。何度も見返して、その大学がどういう問題の傾向があって、どういう解答方針であるということを完璧に言えるくらい、分析するのが良いと思いますね。

叶田さん:
私も過去問に本腰を入れたのは11月から。早稲田の第1志望だった文化構想7年分と文学部を3年分解いて、合わせて10年分という感じです。少数意見なので賛否あると思いますが、私は、基本は冬からで良いと思いますが、国語だけは早く始めた方がいいと感じています。なぜかというと、夏休みに一度、現代文を解いた時に、現代文はすごく得意なのに、早稲田の現代文は何を言っているのか分からないぐらい難しくて、「えっ」となったので。それが冬の時点だったら絶望していたかもしれません。国語に関しては各大学、各学部の癖が強いというか、大学受験の国語と模試の国語は全然違うんです。なので、国語はちょっと早めにやって掴んでおいた方が、できなかった場合のショックと見直しの幅も少なくて済むかなと思います。

植木さん:
私は推薦の勉強が中心だったので、過去問に関しては推薦の方がたくさんやりました。推薦の過去問はインターネットに載っていて、お茶の水女子大学と、あとは別の大学の似たような問題を探して夏休みごろから解いていました。一般入試の過去問はほとんどやっていなくて、学校に3年分の赤本が置いてあったのでそれはやりました。実際、3年分全部は解けていないですが、11月、12月ぐらいにやっていたことを憶えています。

小川さん(司会):
ありがとうございます。ちなみに私はというと、第1志望で今通っている慶應の環境情報学部と、もう一つ似たような学部の総合政策学部の2つの過去問をそれぞれ5年分ずつ解いて、併願校は1~3年分解いた記憶があります。初めて解いたのは高3の夏休み。どのような問題が出題されるかや、自分がどういうところが苦手なのかというのを把握して、夏休み明けはそこを重点的に勉強しました。その後、ちゃんと過去問を勉強したのは年明けからで結構遅い方だったと思うんですけど、逆にそれまで過去問を解けるだけの実力が付けられていなかったので、自分としてはぴったりの時期だったと思います。中山さんがおっしゃっていたように過去問は一番大学の出題方針がわかるものなので、少なくとも最新年度分は手元に残しておいて、2年前の過去問から解いていくのが良いかと思います。


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