
あれは入協して6年目の2月下旬。一般入試前期日程(以下、前期入試)の準備や年度末の対応など、大学生協にとって重要で、かつ慌ただしい時期のある朝のことでした。
前日から予兆はあったのですが、咳が止まらず、発熱や頭痛もひどく、さらには嘔吐とめまいの症状もあり、身動きもできない。「あれ?もしかすると命に影響のあるような症状なのでは?」と思えるほど身体にしんどさを感じました。
直ちに脳神経外科に見てもらい、そのまま日赤に入院。その期間、約3週間。
当時、新入生サポートセンターのセンター長と1年生向け講座(学びと体験・出発講座)担当を仰せつかり、前期入試の受験時対応・合格後の準備、4月からはじまる講座プログラムやスタッフ研修の準備と運営など、毎日のように学生や職員と打ち合わせを重ね、いよいよここからという重要な局面を迎えていました。そのタイミングで約3週間の離脱、いい迷惑です。「新学期の対応や講座の準備は大丈夫だろうか?」「うまくいっているのだろうか」と不安でいっぱいでした。
しかしながら、私の心配は杞憂で終わりました。
毎日送られてくる新学期の日報を見ると準備は滞りなく進み、結果は前年度を上回る利用が生まれ、さらには学生リーダーたちが自ら主体的に、自主的に、積極的に日報にコメントをしてスタッフ間に共有するなどチームが活発になっており「私がいない方がある意味うまくいっている」状態でした。安堵と嬉しさを抱いた半面、(少し)複雑な気持ちでした。
振り返るとこの経験から生協職員としての「マネジメントの本質」を学んだ気がします。
1つひとつ生協職員が指示をしなくてもビジョンがチームに共有できていれば現場は回るし、寧ろ、細々と指示・命令をする方が学生の自主性や主体性を抑えることになってしまうので「いない方」がいい。
また、心身ともに「きちんと休む」ことも学びました。
入院する前日までは連日朝から夜中まで仕事したり、プライベートでは第2子が生まれたばかりだったので育児に励んだりと密度の濃い日々を過ごしていました。自分の中では大丈夫だと思っていましたが、やはり身体は正直でした。
今では専務理事となり約2年の月日が経とうとしています。様々な困難が訪れるし、たくさんの選択を迫られます。決してラクではないですが、日々充実し、豊かな人生を送ることができています。
入院当初に限らず、これまでの(生協)人生でたくさんの方に支えていただき今の幸せがあります。「感謝の気持ち」を忘れず、今自分にできることをやっていこうと思います。
PROFILE
吉谷 淳氏
島根大学生協 専務理事
[職歴]
2010年4月 島根大学生活協同組合 食堂部配属
2013年11月 同組合 松江ショップ配属
2019年9月 同組合 松江ショップ店長
2021年5月 同組合 常務理事
2021年12月 同組合 専務理事