学生委員の「いま」
生協は、「やりたい」を現実にしていくプロセスを学ぶ場所。 そして“つながり”という財産を得られるところ。

 
今春、1年生8人だけで発足した学生委員会。メンバーは全員大学に合格したばかりで、見本とすべき先輩も委員会としての形もありませんでした。しかし、やる気と熱意はどこにも負けない彼らには、温かく導いてくれる生協職員の方、ブロックや他大学生協に所属する先輩委員たちとの“つながり”がありました。立命館生協(APU-COOP)学生委員会は、今、九州で一番勢いがあると言われています!
(10/22 リモートインタビュー)
 
【参加者】
立命館生活協同組合(APU-COOP)
  • 学生委員長 陣内 皓誠さん(1年生)(NNこうせい)
  • 副学生委員長 黛 柚李さん(1年生)(NNゆずき)
  • 常務理事 風折 昌樹さん

九州ブロック学生事務局
  • 佐伯 実杜さん(佐賀大学4年生)
  • 学生委員長 平田 崇人さん(九州大学4年生)

【司会】
  • 全国大学生協連 全国学生委員長 安井 大幸(琉球大学4年生)
   

はじめに ~自己紹介と今日のテーマ~


全国大学生協連
全国学生委員長
安井 大幸(琉球大学4年生)

安井:全国大学生協連 学生委員会で学生委員長を務めております安井大幸と申します。琉球大学の4年生です。
現在、全国の大学生協学生委員会ではコロナ禍のあおりを受けて組織存続の危機に直面している大学もあります。その中でAPU生協は、今春学生委員会を組織し、この半年間でも積極的に連帯へ参加されています。今日はそうした活動の原動力やこれからの展望などをお伺いしたいと思います。
では、APU担当の佐伯君から自己紹介をお願いします。

佐伯:九州ブロック学生事務局の佐伯実杜と申します。佐賀大学4年生です。

平田:九州ブロックで学生委員長をしております、平田崇人と申します。九州大学の4年生です。

陣内:陣内皓誠です。1年生で、学生委員長をやらせていただいています。

黛:黛柚李です。1年生で、副学生委員長をしています。

風折:立命館APUの常務理事をしております風折です。昨年の10月1日にAPUに着任して1年になりました。早いような短いような感じですが、よろしくお願いいたします。

安井:APUのお二人は学生委員長セミナーやブロックのセミナーにもご参加いただいているので、他の大学生協の方との交流を通して感じたことなどもお話しいただけたらと思います。「今、九州で一番勢いがある」との情報もあり、確かに風折さんがAPUに着任されてから学生委員会の活動も元気になっています。APUのメンバーは全員1年生なので活動期間はまだ7カ月程だと思いますが、この間の大学生協での感想もお聞かせください。

 

1.学生委員になったきっかけ

安井:お二人が学生委員会に入ったきっかけは何でしたか。

陣内:黛さんも同様ですが、生協のパソコンワークショップに参加した時に風折さんから「今年から学生委員会を作りたいので、興味のある人は来てくれないか」と声をかけていただいたことです。内容に興味を持てたので、学生委員会を作っていこうと思いました。

安井:風折さん、そのあたりの話を少しお聞かせください。


立命館生活協同組合
常務理事 風折 昌樹さん

風折:うちには学生委員会がなかったので、ワークショップで大学や生協について教えてくれる先輩スタッフがいませんでした。それで、「来年後輩に教える立場でこの場所に立ってみない?」とか、「他大学生協では、食堂でオリジナルメニューを作ったり、ショップでいろいろな企画を打ったりしているよ。一緒にやってみない?」と声をかけたところ、ワークショップ参加者の中から8人が集まってくれて、みんなで話し合いをしたのが始まりでした。

陣内:(APU内にある)他の委員会はある程度形が決まっていて、決められた形で決められたことをするという感じだったのですが、生協の委員は新しく今年から始まるのでまだ何も形がなく、いろいろなことができるのではないかという可能性を感じました。

黛:私は自分たちがやってみたいことが実現できると思ったのと、生協という大きな組織に関われることに魅力を感じて、やることにしました。

安井:佐伯君は新歓をきっかけに入ったのですか。

佐伯:はい、新入生歓迎会がきっかけでした。僕のように「新歓楽しかった~」みたいなノリで入ると、「部会やばい」という感じになる人が多いと思うのですが、APUのいいところは、それぞれの「こうしたい」があることです。みんな何かしらやりたいことがあり、一人ひとりがしっかりと目標と意欲を持って集まっていることがAPUの素晴らしさだと思います。

 

2.現在、自大学で取り組んでいること、活動の思い出

安井:まだ活動を始めて数カ月しか経っていませんが、こういうことをやりたいという思いで実際に取り組んだことはありますか。

陣内:僕は大学内外を問わず人と関わることがしたかったので、今力を入れている新入生説明会の準備などは、自分では意欲的に取り組めています。


立命館生協APU-COOP
副学生委員長 黛 柚李さん

黛:私も学生委員会に入ったきっかけは、パソコンのフォローアップ講座でした。困っている新入生を助けてあげたいなと思って学生委員会に入ったので、新入生説明会の準備に関われているのが嬉しいです。環境に興味を持っている人も多く、その方面で学食等と連携してできることがたくさんありそうで、企画を考えることも楽しいです。

安井:入学準備説明会までにはあと2週間ちょっとで準備も大詰めかと思いますが、準備する中で楽しかったとこと、大変だと思ったところは何でしたか。


立命館生協APU-COOP
学生委員長 陣内 皓誠さん

陣内:APUは夏休みが2カ月半とすごく長く、みんな全国各地から来ているので夏休みには帰省してしまって、休み中は集まる機会が作れません。また、APUの学生は各々学校の外でもさまざまな活動に関わったり、興味のあることをやったりしている人が多いので、夏休みに時間を取ってミーティングをすることが想像以上に進まなくて、それが自分の中ではすごく大変でした。

黛:連絡を取る決まりも無かったので、初めての年で分からないまま進んでしまいました。ミーティングをしても全員が集まれないということが多くて話が進まず、「結局どこまでいけるんだろう?」と不安な状況になってしまったことが大変だったと思います。

安井:確かに大変だよね。どのように工夫してミーティングを進めているのですか。

陣内:今はもう学校が始まり、APUは基本的に対面授業なので、みんなキャンパスに戻ってきています。オンラインでのミーティングはうまくいかなかったので、今は対面にして仕事を振り分け、グループごとに活動をしています。

安井:やっていて「ここ楽しい」というポイントはありますか。

陣内:すごくやる気のある人が多いので、意見が活発に出るところはいいと思います。一度ミーティングが始まると、いろいろな視点から意見を言ってくれるので、そこは話していて面白いなと思っています。収拾がつかなくなることもありますけど(笑)。

安井:ディスカッションしながら進めていくのが楽しいのですね。風折さんに伺います。今、お二人から、大変なことがありつつも楽しくやっているという話があったのですが、風折さんから見てAPUの学生委員の皆さんはどんな感じですか。

風折:ほぼ全員が3つ~4つのサークルに入っていて、活発な子が多いですね。活動的でいいのですが集まる日を決めるのが大変で、正副委員長の二人は悩みながらよくここまで来てくれたと思います。忙しい人たちですが、生協の活動もちゃんと頑張ってくれるのはすごいと思っています。他の所属団体で得たこと、例えばLINEのやり取りなどを生協にも取り入れて、活動の改善をしてくれています。

安井:普段、風折さんは学生委員の皆さんとどんなふうに関わっていらっしゃるのでしょうか。

風折:週1回の部会には、会議等がない限り参加しています。委員長・副委員長とはメールをもらったらいつでも返事をする、という関係ですね。

 

3.あなたが思う大学生協・学生委員会の魅力

安井:僕は学生委員時代に、生協職員って大学の先生でもないし、大学の事務職員さんでもない。でも僕らのこと気にかけてくれる。だから上下の関係でも斜めの関係でもない、不思議な存在だなぁと思っていました。陣内君と黛さんにとって、風折さんはどういう存在ですか。

陣内:全国大学生協連のセミナーに参加した時に、他の大学生協から「専務さんと距離がある」、「専務さんとの連携が取れていなくて悩んでいる」という話をお聞ききしました。でも、僕たちは風折さんから気軽に話しかけてもらったり、お店で会った時にも普通に世間話をしたりして、とても親密に接してもらっています。

黛:気軽に話ができる方です。近くに住んでいる優しいおじちゃんみたいな(笑)?

安井:お二人にとって、APUの中で他にそういう人はいますか?

陣内:僕は英語の先生とすごく仲がいいので、その先生とは休み時間にもよく話をしています。

黛:韓国語の先生は、会うたびに話しかけてくれます。私にとっては、風折さんとその先生がそういう存在ですね。

安井:風折さんはスーパーレアな存在ということですね(笑)。


九州ブロック学生事務局
佐伯 実杜さん
(佐賀大学4年生)

佐伯:APUの学生委員の皆さんと風折さんとは、とても信頼関係があると感じます。陣内君と話していても「風折さんと相談してみます」という言葉が自然に出てくるし、風折さんも学生委員とフランクにやり取りできていると感じることが多いです。委員長・副委員長と風折さんとの関係は、僕個人的は理想だなと思っています。
ミーティングでは大変なことが多いと聞いていますが、新学期の準備で動画の撮影やオムハヤシの試食会等の取り組みをしていく中、良かったアイデア、得られた気付き、生協の活動をして良かったと思えたことについてお聞きしたいです。

陣内:個人的なことですが、もともと自分はリーダー気質ではないと思っていました。それが、1年生で入学したばかりという状況の中、委員長を務める機会をいただけました。人前に立つことは得意ではないので、それは自分にとって大きかったと思っています。そして活動していくうちに、最初8人だった仲間が今は15、16人に増えました。みんな1年生ですが、頼りになる仲間が集まってくれてこれからが楽しみだし、人に恵まれているなと実感し有難く思っています。

安井:僕も自分で委員長に向いていると思ったことがないので、陣内君の気持ちはよく分かります。黛さんはどうですか?

黛:似たような感じになってしまうのですが、私も今まで副委員長などやったことがなく、先輩についていくようなタイプでした。だからリーダーになる機会をいただけたことは、これからの自分の成長につながっていくと思えました。また、自分がやりたいと思ったことが形になっていくのを、生協を通して実感できているので、「自分の考えを現実にするプロセス」を学べているかなと思います。

安井:なるほど、お二人にとっても、一歩踏み出すきっかけになっていたのですね。ところで、今黛さんが語った「やりたいと思ったことを現実にしていくプロセス」は、僕の中でこの後バズワードになりそうです。第1号議案に書こうかなと思いました(笑)。
環境に興味のある学生も多いというお話がありましたが、そういう活動もしているのですか。

黛:今は人数の関係もあり、新入生サポートに力を入れているのでそのほかの活動はやっていませんが、前期はやりたいことをリストアップして、何が生協でできるかと考えたりしました。例えば、どうすれば学食の残菜を減らせるかとか、フェアトレードのコーヒーを生協で提供できないかとか。環境とはちょっと離れますが、学生にもっとバランスよく食事をしてもらうために「学食でのバランスのいい料理の選び方」という定食メニューの提案活動についても検討していました。まだ企画段階で実現していませんが、できたらいいねと話しています。

安井:全部が全部ではないかもしれませんが、きっとできると思います。利用者数にもよるかと思いますが、議論をしながらここまではできるから、まずはここまでやってみようというように進んでいくんですよね?

風折:そうですね。いろいろなセミナーに参加した子たちが、感想交流もしながら提案してくれます。「『食べ方組み合わせ提案』したいです」という意見が出れば、「やっていいよ~」、環境活動に関心のある子は、「生協のお店でコーヒーのマイカップとか10円引きとか考えてもいいですか?」という声が上がれば「いいよ、いいよ~」と。ほかにも、APUは海岸が近いので「海岸のゴミ拾いを企画しようか、すでに取り組んでいる市民団体とコラボしては?」という声もあります。新しいからこそ、しかも生協以外でいろいろな活動をしているからこそ、他団体と協力すればいいじゃないかという発想を普通にできる人たちなので、とても面白いなと思っています。基本的に私は「何でも相談してくれたら一緒に考えるよ」というスタンスです。ただ、今は新学期のことで忙しくなってきているので頑張ろうね、という感じですね。

安井:APUの学生委員会で活動したら楽しいだろうな。やりたいことを一緒に実現してくれる仲間がいるというのは、陣内君と黛さんの人柄も大きいと思います。

 

4.各種セミナーに参加して学んだこと、経験したこと、今後頑張りたいこと

安井:全国のワークショップに参加して各地の学生と交流でする中で、面白かったこと、楽しかったこと、気付いたことがあれば聞かせてください。

陣内:初めて参加したのが「スプリングセミナー」で、直近の「オータムセミナー」まで10個以上のワークショップやセミナーに参加させてもらいましたが、自分の中で一番印象に残っているのが「委員長セミナー」です。自分たちが委員長・副委員長ではあるのですが、それがうまく機能していないというか、機能はしているが自分たちがどの立ち位置にいるのかがよく分からなくて迷っていた時期だったので、他大学生協の委員長さんたちに相談して、自分たちがどういう立ち位置、どういう気構えで取り組んでいけばいいのかと考えさせられた時間でした。自分たちがまだ経験していないことを体験している方たちがたくさんいらっしゃるので、そういう話を聞けたことがとても有意義でした。

安井:平田君には嬉しい話ですね。


九州ブロック学生事務局
学生委員長 平田 崇人さん
(九州大学4年生)

平田:はい、企画を立てるときに、そういう迷っている子たちも救ってあげたいよね、という思いも込めているので、少しでも迷いを解消でき、意味があったのなら良かったなと思います。
全国も含めて委員長は2年生が多いのですが、1年生で参加して緊張したり、何か違うなと思ったりしたことはありませんでしたか。

陣内:僕自身は1年生だからという気後れはありませんでした。僕が生協の他に所属している団体でも先輩や経験豊かな方との関わりがあり、自分が経験していないことを追体験できて、たくさんの財産をもらえると思っているので、自分の中では大きいし楽しいことだと思っています。

黛:私も陣内君と同じセミナーにほぼ参加させていただいていますが、一番印象に残っているのがやはり「委員長セミナー」です。最初に参加したスプリングセミナーは本当に何も分からずに「ああ、そうなんだ」で終わってしまったのですが、委員長セミナーは参加者が全国から集まっています。良くも悪くもAPUには先輩がいないという状況だったので、APUで足りない部分を委員長セミナーに参加されていた他大学の先輩を通して知りました。
その頃はできていないことが不安だったのですが、そんなに完璧にできなくても大丈夫なのだと知って心が落ち着き、先輩方も同じようなことで悩んでいるのだと感じられ、相談できる人たちとつながれて良かったと思っています。また、参加したことによってAPU内で話し合うきっかけになったので、すごく大きな影響を与えてくれたセミナーだったと思っています。

安井:APUの中では、どんなことを話し合ったのですか。

陣内:リーダー相互の情報共有がうまくいっていない時期だったので、しっかりやっていこうと再確認したことや、自分たちが委員長・副委員長という立場から、メンバーと関わる上でどのような立ち位置にいればいいのかということを、自分だけが迷っていると思っていたのですが、黛さんも同じように迷っていて、それを話し合うことができたことも大きかったと思います。

佐伯:委員長セミナーが終わった時に「ちょっと振り返りしようよ」と言って僕と陣内君と黛さんの3人で初めて話をしたのですが、正副二人の考え方や捉え方の違いを認め合った上で、話し合いができていることがいいところだと思っています。

安井:セミナーはきっかけでしかないけれど、佐伯君にとっては陣内君や黛さんと話ができる機会にもなったし、陣内君と黛さんもお互いのことを確認し合う機会になったのですね。風折さんから見て、委員長セミナーの後、二人が変わったなと思うことはありましたか。

風折:変わったかなぁ(笑)? 毎日見ているから急激な変化は感じませんが、周りが夏休みモードに入った時に、二人は「夏休みをはさんでどんなふうに進めていったらいいか」考えてくれていたし、佐伯君を含めて相談するような場面でも前を向いてくれていると感じたので、今話を聞いて、あらためて委員長セミナーが大きかったのだなと感じました。

 

5.活動の原動力

安井:僕はこんなにしっかりした1年生を見たことがなかったのですが、大変なこともたくさんあるじゃないですか、さまざまな悩みもある中で、11月に開催する説明会の準備を仲間や風折さんと一緒に頑張っていこうとする原動力は何ですか。

陣内:僕は途中で一度「委員長だからやらなきゃいけない」使命感に変わってしまった時期がありました。そういう気持ちが重荷になり、そのことを友達に相談したり、佐伯さんとミーティングさせてもらったりして「自分が何にやりがいを感じるか」を考えました。そのときに、僕がお願いしたわけでもないのに、風折さんや黛さんや他のメンバーがいろいろと協力してくれたんです。支えてくれる人や声をかけてくれる人、提案してくれる人が周りにいる。それがすごく嬉しくて、「こういう人たちが頑張ってくれているのだから、もっといいものを作りたいし、いい感じでやっていきたい」と思いました。それが今の自分の原動力になっていると思っています。

安井:関わってくれている人の存在がある。その人が喜んでくれたら自分も嬉しいし、充実感を得ることができる。それが原動力になる、ということですね。

黛:私は、自分で始めたことは最後まで責任を持ちたい。負けず嫌いな性格で、やるからにはしっかりやりたいし、副委員長という立場もあります。リーダーをやらせていただいている組織はうまく回したいので、それに向けて頑張るという感じです。自分の責任はしっかり果たさないと周りに迷惑をかけるので、ちゃんとしたいなと思います。

安井:今の言葉は僕も身に染みるな。陣内君も黛さんも責任感が強くてカッコいいなと思いました。うまくいかなかった時の話をしてくれたのですが、しんどくなった時には、どうやってリフレッシュしているのでしょうか? そんな時、ありますか?

陣内:正直に言うと、多々あります(笑)。基本的には課題も多い大学だし、他団体の活動もある中で委員長としてしっかりやらなきゃいけないと思うと、すごくしんどくなる時もありますが、そんな時は何も考えないようにしています。以前佐伯さんに相談したら、「きついときは言っていいよ」と励ましてもらいました。委員長だから全部やらなきゃいけないと思わず、きついときは他のメンバーに話したり、しっかり休みを取ったりしてちゃんと休んだ方がいいと言っていただいたことが自分の中に残っています。そうして自分を解放できたことがとても良かったと思います。

安井:陣内君が「僕は今、しんどいからちょっと休ませてほしい」と言ってくれるのが、周りのメンバーも嬉しいんじゃないかな? 何を考えているかわからないリーダーよりも、「今ちょっとつらいんです」と打ち明けてくれるリーダーの方が、周りとうまくやれるという気がすると思うので、自信を持ってほしいと思います。黛さんはどうですか。

黛:私も今、嫌だなと思うことはたくさんあるのですけど(笑)、嫌なことは先に終わらせて、あとは陣内君と一緒で何も考えないようにするのが一番いいかなと思っています。

安井:何もしない日があってもいいよね。僕もそう思う。委員長や副委員長って本当に根はまじめな人が多い。やりとげなくちゃいけない、成し遂げなくちゃいけないと一生懸命考える人が多いけれど、そういう人であればあるほど、ちゃんと遊んでほしいし、ちゃんと休んでほしいと僕自身も思う。それが明日への活力、頑張るきっかけになると思います。正副委員長以外の人たちも、二人が頑張っているからこそ、「もっと肩の力抜いていいんやで」と思っているはずだから。コミュニケーションを取りながら、気楽に力を抜いてもらえたらと思いました。

 
 

6.全国の学生委員会へのメッセージ

安井:今、全国でも、学生委員会との関わりに悩んでいる理事や生協職員の方がおられます。風折さんの視点で結構ですので、今こうして関わっているし、これからこんなふうに関わっていきたいということがあれば、学生委員会への期待も含めて伺いたいと思います。

風折:私は「目的とゴールを常に大事にしよう」と言っています。何回も会議をしているときに「ちょっと目的確認しぃや、目的なんやった?」という横やりを入れます。そうすることで、どんなゴールを目指しているのか逆算しながら、考えていけるようになりつつあるように思います。
また、「未来総括」というのを作って、職員だけでなく、学生のみんなにも共有しています。私はその中で、「学生のみんなが魅力的だから、来年春には学生委員が50人、入会することになっている」と、宣言しました。それが実現するかどうかは別として、少しずつ未来が見えながら活動ができつつあるかと思います。
11月6日に一番初めの入学準備説明会があるので、恐らくそれを終えると、ちょっと先輩になった気分になれ、階段を一段上がれるのではないかと期待しています。 来週から「100円朝食」もやるんですよ、それは一組合員として嬉しいし、自分の「嬉しい」が誰かの笑顔につながっていくようにTwitter等で拡げてくれます。そういう活動でAPUらしさが出せればいいなと思っています。私も一緒に頑張って、楽しく活動できるように支えていきたいと思っています。

安井:学生ってついつい迷える子羊になってしまう瞬間があるので、そうやって目的とゴールを確認してくださる方がいるのは、学生委員の皆さんにとっても有難いことだろうなと思います。陣内君と黛さんなら、「自分の嬉しいことが誰かの笑顔につながっていく」という言葉どおりのAPU生協を作っていくことができると思います。APUが2022年の4月にどんなふうに人を迎えているのかがとても楽しみです。
では最後にお二人から全国の学生委員に伝えたいことをお願いします。

陣内:大学生協の魅力は、全国の大学が関わり合ってお互いに成長できるというところにあると思います。これから活動していく上で、他大学との関わりをもっと広げていきたい。そうすれば大学生協全体でできることももっと広がっていくと思うので、多くの組合員がもっといい大学生活を送れるように、自分たちも楽しんでやっていきたいと思っています。

黛:APU内部だけだと分からないことがたくさんあるので、大学生協の先輩とのつながりを大切にしてお互い助け合い、協力し合いながら成長していきたいと思います。

安井:いいよね! 力を合わせたら何かが実現できるし、それを広げていけることも素晴らしいと思いました。今日は試験前のお忙しい中、ありがとうございました。

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