全国には組合員数が2,000人以下の規模の生協が約60、1,000人以下の大学生協も20ほどあります。 こうした小規模の大学では、日常利用高は限られていますが、厚生施設を生協に一元的に委ねさせていただき、授業で必要な教科書や教材について生協を指定していただくこと、大学の校費による物品調達を生協に発注していただくことで、まとまった利用を得ることが出来ます。 商品の調達も、生協の規模の大小に関係なく大学生協の共同仕入れ条件で取引が可能です。 規模の大小にかかわることではありませんが、理事会として、大学と連絡を密にして、運営をすることが大変重要になっています。
「生協に店舗・倉庫・事務所等を提供(貸与)いただくこと」と、「大学執行部のしかるべき方と生協役員らと協議を定期的に行っていただき、大学の必要・要望等を生協に伝えるとともに、生協の要望等を聞き実行可能なことを行なっていただくこと」がぜひ必要です。
会合や催し・打ち合わせ等の会場を貸していただくことも必要です。生協は、食堂・売店等を運営するだけの組織ではなく、学生・教職員らが「どんな営業を行なうか」「新入生や在学生のためにどんな催しを行なうか」等を話し合い、実行する組織でもあるからです。常設の「生協学生委員会室」等が設置されている大学もあります。
生協の理事や監事に、副学長・事務局長等の方が就任され、生協理事会などの場で、学生・教職員等とともに福利厚生分野のあり方等を話し合っている大学もあり、生協にとっては非常に重要な支援です。
大学の規模・登校率等によっては、「独立採算で営業しようとしても、成り立たない」という場合もあります。こうした大学の場合、「大学が直営することで出る赤字」や「業者に委託して業者に生じる赤字」に比べれば、「生協が運営して生じる赤字」の方が確実に少ないのですが、それでも赤字を出し続けていては生協が存続できません。大学内に食堂・売店等の機能を維持するために、大学が「水道光熱費の一部または全部を負担する」「物品調達を生協に集中する」「直接金銭的な支援をする」等により、応分の経済的支援をすることが必要になります。その方法や水準は一律でなく、年度ごとの外部環境等によっても異なります。
さらに、学生役員らに対し、教育的に関与して成長を促していただくことも重要です。多くの大学では、大学と生協との定期協議等の際、生協からは教員の理事長や学生のリーダー格の理事らが生協を代表して、学長らとの協議に臨みます。こうした場面で、学生理事の発言をよく聞き、労をねぎらい、具体的な要望等もしていただければ、学生理事は、それを持ち帰って他の学生理事らにも伝え、いっそう努力するでしょう。
理事会などの場でも、教職員の方々に、「学生を育てながら必要なことを決める」等のご支援をいただきたいと思います。教職員の目からみると、「学生がやりたいといっているが、それが生協の事業だろうか」と疑問にも感じるようなことが、実行してみたら、その大学にとって必要なことだったとあとでわかる例などもあります。「学生の役員もいるのに、まるで存在しないかのように教職員だけで話し合っている」という生協理事会になってしまうと、次第に生協本来の力を発揮できなくなっていきます。
これらが、生協を維持・発展させる上で必要な、大学からの必要な支援の代表例です。
大学と既存業者とがどのような契約を結ばれているかによります。生協設立に合わせて、運営を生協に移管する場合やそのまま共存する場合など各大学によってさまざまです。
生協設立に関する事務的な手続きは、設立発起人会が発足したのち、発起人会のもとに事務局を設置してすすめます。この際、要請があれば、その事務局に対してお近くの大学生協やブロックから設立支援担当の職員を応援に出すことができます。
各大学によって少し差がありますが、その多くは90%台の加入率となっています。加入率は新入生に対していかに早く加入の案内ができるかによって、大きく左右されます。生協の加入率を高めるためにも、大学から可能な限り協力していただくことが大切です。
また、組合員になることで生協の事業を利用できることをきちんと案内することが大切です。
生協は、原則として「組合員以外の者にその事業を利用させることができない」(生協法第12条第3項)とされています。ただし、災害発生時の一時的な販売、大学による物品の購入、職務等で大学を訪問した方に売店や食堂をご利用いただくこと、オープンキャンパス等で大学を訪問した方による利用、受験や学会等による来訪者・来訪予定者に交通機関の提供をすること等は、法第12条第3〜4項により可能とされています。(一部に、生協から申請し、行政庁の許可を得る必要があるケースもあります。)
ただし、「学生・教職員等であって組合員たる資格があるのに加入していない方」に対し、生協の側から利用を呼びかけたり認めたりすることは禁じられています(生協法には、「事業を利用させることができない」と書かれています)。これは、「組合員ではない学生には一人たりとも利用させないように、厳格に組合員かどうかを常時確認しなければならない」という極端な意味ではなく、「学生・教職員であって売店や食堂を利用する方には、もれなく組合員になっていただくよう、真剣に働きかけをすべき。『組合員にならなくても利用できます』という趣旨のことを言ったり書いたりしてはいけない」という意味に受け止められています。この定めがあるため、「大学の施設だから、生協は組合員ではない学生・教職員にも食堂等をご利用いただけるようにします」等の表明・確認などを生協がすることはできません。
なお、「学生は100%近い加入なのに、食堂等を利用しているのにご加入いただけない教職員がかなりいる」という大学があります。法令遵守の点で問題があるほか、「学生等が出資することで成り立っている生協に、出資しない教職員がただ乗りしている」という点からも問題があるように思われます。大学によっては、「みんなで作った生協を全員で支えよう」と、大学と生協とが協力して、毎年最後の一人まで組合員に迎えているところもあります。
組合員数が500人以上の生協では、総会に代えて総代会制をとることができます。組合員数が500人に達しない小規模の生協では、組合員が直接参加する総会を開くことになります。
総代の定数は生協法上少なくとも組合員の10分の1以上(ただし、組合員が1,000人超の生協では100人以上)でなければなりません。総代の定数と構成は、規約や理事会で定めることになります。
生協法上、役員の定数は理事が5人以上、監事は2人以上となっており定款と規約で定めることになっています。役員の構成は、一般的には、理事定数は10〜20人といった例が多いようです。大学の各階層から選出されることが大切です。
あわせて生協の代表理事を1人以上選びます。多くの生協では、教員理事長と日常運営・執行に責任を持つ専務理事を代表理事にしています。
生協は、相互扶助の精神に基づき、大学の教職員・学生組合員の生活の文化的・経済的改善向上を図ることを目的としています。そしてその目的を達成するために次のような基本方針に従って運営を行なっています。
組合員と生協の間で、店舗の品揃えや食堂のメニューなどについて意見交換するためのツール。
具体的な商品の要望から対応への不満などさまざまな意見に対して、理事会が責任を持ち、回答するシステムになっている。意見によっては店長や学生委員と一緒に回答している生協もある。
この「一言カード」からベストセラー「生協の白石さん」が生まれました。
事業連合は、現在全国に9つあります。事業連合の運営は、年1回の総会で決定した方針に基づいて行なわれ、総会で選出された理事が運営に責任を持っています。日常的な運営機関としては、理事会があります。理事会は、会員生協の代表によって構成されており、定期的(ほぼ月例)に開催されています。
主には日常の事業活動に関わることや、各生協理事会への提案内容が報告・検討されています。
そのほかにも、事業連合の中期総合計画にもとづくアクションプランをすすめるため、理事会のもとに各生協の役職員で構成される各種委員会や各種プロジェクトなどが設置されています。
事業連合と会員生協は「基本契約」「業務委託契約」を交わし、それぞれの業務内容を明確にしています。
事業連合の収入は会員生協から拠出していただく「共同運営費」とメーカー等取引先からいただく「事業収入」に分かれます。
メーカー等からの収入は取引高に応じて決まってきますので、年間予算にあらかじめ計上しています。事業連合の費用の年間予算総額からこれらの収入を差し引いた分が、会員に負担していただく共同運営費の総額になります。共同運営費は会員各生協の供給高等に応じて計算されます。
<食 堂>
大学キャンパスは、大学休業期間や試験期間など極端に学内人口が変動します。このことへ対応が出来なければ、安定的な経営を維持することはできません。大学休業期間の短縮営業や、繁忙期の延長営業など様々な対応を行うことで、持続可能で健全な食堂事業を行います。
※ミールカード:「生協食堂の定期券」です。一定額をお支払いいただくことで、1年間、利用限度額まで食堂で自由に食べていただくことができます。また利用の履歴を見ることもできます。(一部対応してない地域もあります)
<書 籍>
割引率は生協ごとに差がありますが、一般的には5〜10%引きとなっています。但し、割引率は生協の経営に大きく影響を与えますので、各生協の理事会で慎重に検討することが必要です。
書籍の品揃えは店舗面積や利用動向によって制約されざるを得ないのが現状です。したがって、必要な専門書については教科書や授業、研究で必要な参考文献を優先しつつ、教員や学生の意見を参考に在庫を決めていくようにしています。また、在庫しにくい専門書でも書籍データ検索システムを活用し、取次店(問屋)の協力を得てタイムリーに希望図書が入手できるシステム化を図っていきます。
<購買、旅行・サービス>
文具は大学における勉学・研究活動を支える重要な商品であると考えています。組合員の要望に応えて作られた「COOP文具」は、メーカー同等品と比較して2〜3割安い価格となっています。またコクヨなどメーカー商品についても、割引して販売しています。
お店に品揃えしていない文具については、メーカーカタログにより取り寄せすることができます。
商品にもよりますが、普段品揃えしていない商品でもお取寄せできる場合があります。店舗にてお問い合せ下さい。なお、大学生協では、毎月パソコンやその周辺機器、家電製品などが掲載されている「カタログショッピング」チラシを発行しています。お店・電話・Webでのお申込みが可能で、在庫品についてはすぐにお届けすることができます。
アパートの紹介・斡旋は資格が必要な事業なので、生協ごとで対応が異なります。事業を行うかどうかは、慎重な判断が必要です。一方新生活用品については、「新生活用品カタログ」を全国で発行し合格者の方へお届けしてます。電話やFAX、Webでご注文いただき、アパートに配達します。
旅行を取り扱うには資格が必要なので、生協ごとに対応が異なります。旅行業を行っている生協では、先生の出張航空券や宿泊の手配などの国内旅行業務や、海外語学研修・語学留学、スタディーツアーといった海外旅行業務も行っています。
また、大学生協提携の自動車学校の申込受付なども行っています。