ニュース

2017年07月07日(金) | 新着情報

『読書のいずみ』 座・対談 「まだまだ続く、謎物語」
綾辻行人さん インタビュー



綾辻行人さんさん(小説家) VS 大川 陸さん(北海道大学農学部4年)
 

1.30年目の新刊は、異形のミステリ作品集

大川
まずは、2月新刊の『人間じゃない』についてお話を伺いたいと思います。さっそく読ませていただきましたが、どれもすごく面白かったです。
1つ目の「赤いマント」はホワイダニット(whydunit)で、綾辻さんの作品ではすごく珍しいなと思ったのですが、ホワイダニットは、ほかの作品でも書かれていましたか。

綾辻
ホワイダニットはわりと長編のなかに織り込んでいるんですよ。殺人の動機という意味ではなくて、「なぜこんな変な行為をしたのか」「なぜこんな妙な状況になったのか」というふうなホワイ(why)。そこのところで良いアイデアが見つかると書けるよね、という話を有栖川有栖さんとしたことがあります。ただ、短編ではこういう普通のミステリはほとんど書いていないので、「赤いマント」が珍しい作品であることは確かです。

大川
やはり推理小説では登場人物をゲームの駒的に描くことがあるので、ホワイは難しいということで珍しいのかなと思ったのですが。

綾辻
いやいや、だからそういうわけではなくて。たとえば、『迷路館の殺人』の「なぜ首を切ったか」という謎、あれもホワイでしょう。『時計館の殺人』の「なぜ時計館を建てたのか」という謎も……ね?が大きな理由です。
 

>>続きを読む

戻る