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2015年03月05日(木) | 新着情報

読書のいずみ「座・対談」 一歩進めばハッピーエンド
飛鳥井千砂さん(小説家)



1.作家生活10年

北岸 今回インタビューをさせていただくことになって、飛鳥井さんの作品をあらためて読み返してびっくりしたんです。2年前に『タイニー・タイニー・ハッピー』(以下、『タニハピ』)を最初に読んだときには、ふわっとしたパステルカラーのイメージだったんですが、今回読み返してみたらとても深いなと感じたんです。『アシンメトリー』も同様でした。

飛鳥井 ありがとうございます。『タニハピ』も、実は出版よりだいぶ前に書いている作品です。デビュー作『はるがいったら』の次に書いた短編がこのなかの「ドッグイヤー」なんですね。これは出すまでに時間があったのでだいぶ書き直してはいるんですけど。

北岸 書き直しはどのように?

飛鳥井 文章の書き方がデビュー当時より変わっているので、そういう意味で直しを入れたり、設定を少し変えたところがあります。設定については、もともとメインとなる舞台がショッピングセンターではなく、登場人物のつながりだけで展開されていたんです。なので、ショッピングセンターひとつに舞台を集約してツリーの描写などを入れました。ストーリーの展開は変えていないので感情部分の直しはないです。

北岸 ドラマ化されそうな作品ですよね。

飛鳥井 してほしいですね。ツリーを私も見てみたい。楽しみです。

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