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2016年04月07日(木) | 新着情報

大友啓史監督インタビュー〜大学時代の読書欲〜

大友監督の学生時代・・・流行を読む・・・

中村 :学生時代にどのような本を読まれていましたか。
 

大友氏:僕らの前の世代、1980年代の頭ぐらいから、栗本慎一郎さんや中沢新一さんといった方々が学問を肩のこらない間口の広いものにしようとして、例えばテレビ出演するとか様々な活動をされていて。学問の世界にもスターみたいな存在が出始めていた時期でした。同時に広告文化が時代の先頭を走っていて、それといろんなものがクロスオーバーして、職業や業種の壁がなくなって、学際化、業際化、国際化が叫ばれ…そのちょうど終わりぐらいに僕は大学生でした。難しいことを難しく言うのではなくて、どう噛み砕いて言うか、優しく伝えていくか、というコミュニケーションのあり方が、時代の中心的な課題であったように思います。

当然のように栗本慎一郎さんや中沢新一さんの本は読んでいましたね。その上で、そこに連なる著者や関係性のある本も随分読みました。村上龍さんとか島田雅彦さんとか、あの頃のちょっととんがっていた方の文学は網羅していたし、山口昌男さん、浅田彰さんとかミシェル・フーコーとか、彼らがバックボーンにしているフランスの哲学とか、文学とか…そういう所もだんだん興味深くなっていって。その中でも僕が夢中になっていたのは、丸山圭三郎さんの本ですね。言語哲学の分野の人ですが、好きでよく読んでいましたね。

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