オンライン座談会 大学生のパソコン事情 デジタルデバイスの浸透と学びの変化

デジタルデバイスが日常生活に急速に普及し、昨今その使用に関しては非常にハードルが下がった印象があります。学生のデバイス活用により、大学での学び方はどのように変化したのでしょうか。来春の新入生に学びのリアルをお伝えするために、現役学生の生の声を伺いました。

参加者

岩永 玲菜れいなさん(鹿児島大学 大学院修士課程1年)

犬飼 梨央りおさん(同志社大学3年)

井上 颯子そうこさん(名古屋大学2年)

吉野 佑海ゆみさん(東京大学2年)

司会進行

鈴木 亮さん
(大学生協事業連合 広域 勉学研究事業部)

オブザーバー

小浦 太郎さん
(大学生協事業連合 広域 勉学研究事業部)

(以下、敬称を省略させていただきます)

大学での専攻と使用デバイス

大学生協事業連合 広域 勉学研究事業部で教材PC関連の買い付けを行う部署の担当次長をしております小浦と申します。現役学生の方々はどのようにデジタルデバイスを活用されているのか、来春の新入生のためにリアルな声を伺いたいと思います。

Apple製品のバイヤーをしている鈴木と申します。長年全国で新入生対応教材を担当してきましたが、ここ十年で学生の学び方は大きく変化した感があります。
本日は理系の女子学生4名の方にご参加いただきました。初めに自己紹介も兼ねて、ご自身の専攻から将来の展望、現在お使いのデジタルデバイスをお話しください。

同志社大学理工学部化学システム創成工学科3年の犬飼梨央と申します。専攻は化学工学ですが、まだ研究室に配属されていないので具体的な研究分野は決まっていません。将来はプラント設計や触媒を使った環境に優しいものづくりの仕事に就けたらと考えています。使用デバイスは Surface Pro 7とスマホです。

プラント設計とは、工場・生産設備・処理設備など(プラント)の安定稼働を目指し、ハード面の基本設計を担う業務です。

鹿児島大学 大学院農林水産学研究科1年(M1)の岩永玲菜と申します。観賞園芸学研究室に所属して花の研究をしています。富士通のパソコンとiPad Airを使っています。

吉野佑海と申します。東京大学教養学部文科三類の2年に在籍しています。夏休み中に農学部の農業・資源経済学専修への進学が決まり、今農学の授業が始まりましたが、将来的には農業にこだわらず何か人の生活に関わる仕事に就きたいと思います。使用デバイスはMacBookとiPad、スマホです。

名古屋大学理学部生命理学科2年の井上颯子と申します。まだ専攻は決まっていなくて、植物や動物の実験をしている段階です。将来は特に考えていませんが、今アパレルのバイトが結構楽しいので、専攻を生かした道でなくてもいいかなと思っています。パソコンがMacBook 2024、iPadが無印の 2020、それにスマホを使っています。

iPadのモデルには、iPad、iPad mini、iPad Air、iPad Proの4種類があり、“iPad 〇〇”と〇〇が付いていないモデルを「無印iPad」(俗称)と呼びます。

パソコンについて詳しくは「Campus PC Guide」
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ノートテイキング

iPadやSurface Proなど、皆さんペン入力可能なデバイスをお使いですね。最近増えてきたデジタルノートテイキングについてお聞きします。大学の授業でパソコンやデバイスをどのように使っていますか。実際のノートテイクの方法や、タイピングとペン入力の使い分けなども教えてください。

1、2年で受講した一般教養の授業では、机上にパソコンを置いてPDF で配布されたスライドを参照しながら、先生の説明をSurface にタッチペンで書き込んでいました。でも、専門科目ではSurface Proのペンで数式などがうまく書き込めなくて、やはり紙にペンのほうがきれいに書けるので、私は今でも基本的にはアナログのルーフリーフとシャーペンで板書を取ることが多いです。毎週実験があり、そのデータ処理にはExcelを使います。

基本的に授業に持参するのはiPadですが、持ちはじめたのは学部3年です。データで授業資料を共有される先生が多いので、それを手元に映しながら説明を書き込んでいます。1、2年時はiPadを持っておらず、コロナ禍で在宅での遠隔授業だったので、パソコンで授業を受けてノートテイクは紙というスタイルでした。
学部時代に教育実習に行ったときにはiPadをメモとして使っていました。実習先の高校では、コロナ禍を機に導入したChromebookを1人1台貸与されていました。

大学入学後はiPadでノートテイキングをしています。授業資料は PDF で配布されることが多いので、iPadのノートにPDF を挿入して先生の説明を書き込んでいます。授業ではパソコンも持ち歩き、基本的にiPadでノートを取って専門用語などはパソコンで調べるので、どちらの画面も開閉せずに済んでいます。

吉野さんが入学時にiPadを買おうと思ったきっかけは何でしたか。

「大学生はiPadでノートを取るよ、資料は基本的に PDF で配布され紙で配る先生はいないよ」と先輩から言われたことと、実際に生協の入学準備説明会を聞いたのがきっかけで、iPadとマックを購入しました。

私が通っていた中学校がデジタルデバイスを積極的に取り入れていたので、使いはじめたのは中1からです。当時から黒板を見て紙でノートを取った記憶はほとんどありません。そのまま大学に入学し、講義もずっとそんな感じで受けています。基本的に PDF で授業資料が配られてそこに自分で書き加えるというスタイルです。パソコンが重いから今日はiPadで行くという感じが多いですね。

最近の授業は実験ばかりで、実験ノートを紙で残すように言われるのでiPadを使う機会が減りましたが、実験をしない講義では基本的にデジタルデバイスを使っています。
授業外では、私が所属する学生アドバイザーでは全員iPadユーザーなので、フリーノートというアプリを使って自由に意見を書き込んだり、カメラ機能で動画を撮ったりしています。

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デジタルデバイスのメリット・デメリット

学生からはタイパや効率よく学ぶという声も聞こえてきますが、先日ある大学教授が「最近の学生のタブレットに書き込んで勉強するスタイルは本当に学びになっているのか」と言われました。最初にデジタルデバイスでノートを取ろうとしたとき、大変だったことや一方で便利になったと思うことについてリアルなエピソードがあればお話しください。

Surface のノートテイキングで頭に入ってこないということはあまりありません。私が紙とペンの方が好きな理由は、デジタルデバイスを使うと単純に目が疲れることと、充電器を持ち歩くのが億劫だと思うことです。あとは紙とペンの方がきれいに書けて見やすいし、iPadを使ったことがないので分かりませんが、Surfaceのペンで直線をきれいに引いたり、切り取った図形を移動したりという細かい機能を私が使いこなせていないので、あまりメリットは感じていません。

Surface Proがあって良かったと思うことは、一般教養で一度に スライド40枚配布された時、それを印刷する必要がないことです。そこまで印刷費用をかけたくないし、スライドに書き込めるのはすごく便利なので、Surfaceにして良かったなと思いましたが、全般的にデジタルノートテイキングにするかと言われると、そこまでではないと思っています。

私はデメリットや使いこなすのに苦労したという記憶もなく、メリットの方が大きいと思います。データでなくプリントを配布する先生も少数いらっしゃいますが、紙を紛失してテスト前に困ったこともありましたし、学年が上がって別の先生から「1年の必須の授業でこういう話したよね」と言われても、該当する紙がないという事態が結構ありました。今では専門の授業もデータでファイリングしてあるので、復習しやすくなったのはメリットかと思います。ただ、データをちゃんと保存しておかないと消えてしまうのはデメリットといえるかもしれませんね。

最初からデジタルノートテイキングをすることに支障はありませんでしたか。

生協の使い方講座に参加したのである程度分かっていました。そこで紹介されたGood notesを使っています。

デジタルのメリットは岩永さんと同じく、いろいろな授業を受ける中で全然関係ないと思っていた授業がほかの授業とつながりができて、データで振り返りができるというところです。また中高では、その日必要なノートを持参するのを忘れたことがありましたが、それは確実に減りました。

デメリットとしては、私も充電器をあまり持ち歩かないし、充電することを忘れてiPadが機能不全になりパソコンでノートを取るしかなくなったこともあります。
それと言語の授業をiPadで取るとなぜか全然頭に入ってこなかったので、試しに配布資料を印刷して紙に書いてみたら、すごくしっくりきたという経験があります。やはり高校までの18年間で紙になじんだところはありますね。基本的にiPadを使うというスタンスは変えませんが、書いて覚えることが多い科目は紙でというように、自分に合った方法で勉強しています。

中学時代はiPad miniから入りましたが、当時アップルペンシルを持っている人はほとんどいませんでした。手で拡大して書くので画面が雑然とし、6時間目には自分の指も限界を迎えたので、高校でアップルペンシルを使ったらとても楽だった記憶があります(笑)。ノートテイク方法は生徒間で教え合ったりしていました。

長くデジタルデバイスに慣れ親しんではいますが、小説は絶対に紙派です。データの論文もちゃんと咀嚼して読むのだったら、印刷してマーカーを引いて見返すほうが自分の頭にはすごく入ってくるので、ずっとアナログです。iPadだけで補えない部分もあるにはあると感じています。

デジタルデバイスのメリットはペンの色を簡単に変えられることと、ネット画像を貼り付けられることです。ベンゼン環が7個つながっている化合物を授業で紹介されたときに、化学物質名で構造式を出してSplit View(スプリット・ビュー)でドラッグ&ドロップしたり、間違えて書いてしまったメモ書きもサイズ変更して簡単に移動したりできます。

ベンゼン環と化合物の例

今年度から専門に入って内容が難しくなったので、自分で予習資料のレジメを作成しています。それをWordからPDFでGood notesに移動して、そこに授業の内容を付け足すという感じで、自作の資料も同じデバイス上で簡単に記入でき、Wordなどタイプしてあるものとの連携がしやすいのもメリットだと思います。

皆さんのお話から、やはり自分が学んできた軌跡をすぐにさかのぼれるというところが特徴的で、データ管理の重要性が強調されるという感想を持ちました。

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データの管理

犬飼(文崇):名古屋大学生協の犬飼と申します。卒業後のデータ管理はどうされているのでしょうか。大学のアカウントだけ使っていると、それに紐づくようなデータは卒業後に残らないのではないかと不安に思う方もいると思います。また、ノートテイクの際にSurface やiPadなどのカメラ機能は使っていますか。

犬飼さんの質問のアカウントは、大学のOneDriveとかのクラウド的なものが関係してくるかな? Good Notesではノートのデータは多分デバイスの中に入っているので影響ないと思いますが、吉野さんは ノートアプリは何を使っていますか。

OneNoteです。

東大はOneNoteのイメージがありますね。OneNoteとかだとMicrosoftのアカウントが関係してくるので、大学から付与されているライセンスやクラウドが卒業後にどうなるかというところに直結すると思うのですが。

大学からはMicrosoftとGoogleのアカウントをもらっていますが、全ての授業を振り返ることはないと思うので、残しておきたいデータだけ私個人のアカウントやパソコン本体に移行しています。
紙だけ配布される場合は紙で授業を受けますが、紙とPDF両方配布されることが多いので、基本的にはiPadを使います。板書にカメラを使うことはありませんが、遠くからで見えにくいときとか、あまりにも板書が速い時はスマホで一時的に撮って移すということはします。

私も院に上がる際に学部時代のクラウドが使えなくなったので、その前に必要なものだけダウンロードして院のクラウドに保存しました。
私はカメラ機能を結構使っています。資料共有も資料配布もしないけれど写真OKというスタンスの先生もいらっしゃるので、許可されている場合は写真を撮り、その写真にメモしながら授業を受けています。カメラ禁止の先生の授業で写真を撮って、カシャっという音で怒られた学生もいましたが。

私の場合、高校から大学に上がるときにはもうアカウントが使えなくなっていたので、その時は必要なものだけ残して他は全て初期化しました。研究者や理系職に就く場合は、ある程度講義資料や実験データ的なものは残したいと思います。
カメラについては、iPadのカメラは単純に画質が悪いのと、カシャっという音が先生に聞こえてしまうので、SNOWなどの音がしないアプリを使ってiPhoneで写真を撮ることが多いです。基本的にはiPadはノート専門で、iPhoneで撮った写真をiCloudで同期してくるのを待ってGood notesに貼り付けています。

犬飼さんも今後使うとしたらOne noteでしょうか。

ノートアプリを使ったことがなく、一般教養ではPDF に直接書き込んでいましたが、私も必要なデータは何らかの形で自分のパソコンに残しています。Surfaceにも外カメラが付いていますが、本体も大きいしスマホの方が便利なので、Surfaceで写真を撮ったことは一度もありません。

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データの共有

ほとんどの方がパソコンとiPadというように2つデバイスを使っていらっしゃいますが、デバイス間でどのようにデータを連携されるのでしょうか。また、友人とノートをシェアするとか、普段勉強する上でお持ちのデバイス間でデータを共有するとか、試験勉強のエピソードも教えてください。

中高通して、友人とノートシェアしたことはほとんどないですね。同じ授業を聞いているので、一緒に勉強したこともそんなにありません。試験勉強は書いて覚える習慣で、Good notesに試験用ノートを作ってそこにひたすら書き写していきます。

取ったノートをパソコンに送ったり、パソコンで作ったレポートをタブレットに送ったりするようなデバイス間のデータ共有もしませんか。

WordとかはiPadにも入っているので、アプリ内で連携が取れている感じです。パソコンで作ったものはiPad上で見られるので、自分で PDF に落とし込んだりはしています。

論文を読むときに分からないところだけ事前に線を引いておいて、それをPDF にしてパソコンに送るということはしています。パソコンだと翻訳アプリに入れるときに一括で広範囲を選択できるので、 PDF 上から文字をコピペします。多分iCloudとアカウント側の共有がうまくいっているので、そんなにAir Dropしなきゃとは思いません。

iPhoneやiPad、MacBook(パソコン)などの端末で利用できるAir Drop(エアドロップ)とは、Wi-FiやBluetoothを通じてほかのApple製品へデータを転送できる機能です。

意識してデータを共有するというよりは、Apple製品同士で勝手に共有されるのでストレスなく必要に応じてデバイスで使い分けているというイメージですね。

私は友人が講義に出られなかったときに、その日の講義ノートをスクリーンショットにして送るという形で共有することはありますが、手持ちのデバイス間での共有はあまりしません。パソコンは基本的にレポート資料作成に使い、iPadはノートテイキングというように使い分けています。パソコンでレポートを書きながらiPadで調べ、使えるものをAir Dropするという感じで、その間での情報共有はしません。

データはOneDriveに入れているので、パソコン・iPad・携帯で見ることができます。授業にはiPadを持参し、iPadでメモを開きながらパソコンでレポートを書くというふうに、私も使い分けをしています。パソコンで授業のノートを開くことはほぼありません。友人からノート見せてと頼まれたときは、Good Noteのその部分だけ写真としてダウンロードしてLINEで送ります。

私の場合、紙のノートの話になってしまいますが、私も友人間でノートの共有はあまりしません。たまに個人の事情で授業に出られなくてここ見せてほしいと頼まれたら、ノートの写真を撮ってLINEで送ります。私も自分でノートは取るし、友人もちゃんと授業に出て先生の話を聞いているので、あまり共有はしません。

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AIの活用

皆さんはChat GPT などのAIを活用していますか。大学には独自のポリシーもあると思いますが、将来的にいろいろな可能性が広がると思います。皆さんや友人の活用方法のエピソードを教えてください。

私はChat GPT などをあまり使ったことがないので経験をお話しできませんが、大学からレポートなどに使わないようにと勧告が来たことはあります。
私自身は英語の論文を読む時に一度翻訳アプリに投げたりはしますが、植物の品種名など専門用語が多すぎて意味不明な翻訳になることが多いです。そういうところがアップデートされると利用しやすくなるとは思いますが、基本参考程度にとどめ、その翻訳を絶対信じるような使い方はしていません。「DeepL翻訳」を勧められているので、それを使っています。

教授からはChat GPT を使ったと判断されるレポートは落単する(単位を認めない)と言われますが、勉強では私はかなり活用しているほうだと思います。例えばレポートを書くとき、分野に関する専門知識を聞くとすぐに答えてくれるので、一応参考程度ですがそれを基に自力で答えを出していくのですごく役立ちます。
自分が書いた論文を「何か変なところある?」とChat GPT に聞いて教えてもらうという使い方をしている友人もいます。自分の能力をさらに高めてくれ、自分の書いているものをさらに良くしてくれるものとしてAIが使われていると思います。

日常生活で英語記事を書くバイトをしていて、ChatGPTに英語を日本語に翻訳してもらって、それを自分で調整しています。仕事でも勉強でも最初の段階をショートカットでき、しかも効率よくいい答えを出してくれるので重宝しています。

私も授業面ではChatGPT にお世話になっています。特にプログラミング系の授業では、自分で考えたコードがシンタックスエラーと表示されたとき、機械系だから多分得意だろうとChat GPT に投げたら、どのコードの何番目の何がだめだと秒で教えてくれました。
英語の論文を読んでまとめるという課題では、まず全文コピペしてChatGPTに日本語に翻訳してもらい、それをさらにChatGPTに要約してもらって自分の解釈と突き合わせています。

シンタックスエラーとは、プログラミング言語などで記述したコードが、定められた構文規則(シンタックス)を満たしていないときに発生するエラー。コードを正しく解釈できないため処理は打ち切られます。

勉学以外では、AI の PR 記事を書くバイトをしています。中高生向けに、自分でコードを書かなくても扱えるAIを制作する会社ですが、そういう企業は今後絶対増えていくと思うし、そうなったらAIもより身近になると思います。例えば表データだったら、データや相関関係から考察ぐらいまではAI がやってくれるようになるんじゃないかな。そのデータをどう生かすかというところに特化した世の中になるかと思います。一学生の意見ですが。

今学期ある先生が、授業で使っている教科書をChatGPT に学習させ、その周辺の情報もインターネットから拾えるようにプログラミングしたチャットボットに、学生が科目に関する質問をすると答えてくれるという機能を導入されました。私はまだ使ったことはありませんが。

チャットボットは「チャット (会話)」と「ボット (ロボット)」を組み合わせた言葉で、コンピューターが人間に代わって会話をする自動会話プログラムを指します。

先ほど吉野さんもAIは学習のショートカットと言われましたが、大学のポリシーを守ってうまく付き合うとより効率よく学べるのだろうと思います。課題も多い分野だと思うので、今後を注視していきたいです。

井上さんがおっしゃったフリーノートに複数名で書き込むやり方ですが、具体的に使っている授業や場面があれば教えてください。

授業ではなく、生協のバイト6人のチームでの話し合いに使います。例えば「今回のテーマはこれ」と私がマーカーで書いて、アバウトにみんなに「面白くしたい」と提案すると、「その面白さの方向は何?」と突っ込まれ、それに対してマインドマップみたいにみんなで思ったことを書いていく。ミーティングよりフラットで、自由に案出ししたいときに使っています。またフリーボードのアプリの機能を私が最近知ったので、みんなに勧めています。


マインドマップの例


フリーボードの例

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新入生へのメッセージ

皆さんは各々の生協組織の中で新入生対応部署に関わってらっしゃいます。これまでの大学生活を振り返ってご自身で点数をつけてください。そして来春の新入生により良い大学生活を送るためのメッセージをいただけたらと思います。

学部生のときは70点ぐらいですね。一番楽しいであろう1、2年時をコロナ禍で同級生の顔も知らずに過ごしていたので、新入生の皆さんにはぜひ楽しんで友達をつくってもらいたいと思います。専門性が高まるとどうしても同じ学部の人と固まってしまい、他学部の人と交わらなくなると思いますが、バイトやサークルなど関わる機会はたくさんあるので、いろいろな人と話して人脈を広げてください。

私は95点です。高い理由は、大学入学後に沖縄やサイパン島など第二次世界大戦の激戦地で戦没者の遺骨収集活動のボランティアに取り組んできたことがあります。もちろん勉強が第一優先ではありますが、勉強以外で打ち込めることに出会い、コミュニティを広げ社会問題に目を向けることで見える世界が広がり、より大学生活を充実させられたと思います。皆さんもぜひ新しいことに挑戦して、熱中できるものを見つけてください。
5点マイナスの理由は、夏休み期間はボランティアばかりしていたので、もっと勉強して資格なども取っておけば良かったと思うからです。

私は後悔していることはないので百点にしておきます。勉強についていけるか、1人暮らしは大丈夫か、友達はできるかと不安を感じながら入学したのですが、意外となんとかなっているからです。資格の勉強や将来のことは特に考えていませんが、そういうことを考えて生きていく人間でなくても別にいいやと思っています。昔は考え過ぎて行き詰まったこともありましたが、最近は良くも悪くも適当になり、それも含めて大学生活は充実していると感じます。
皆さんが百点の生活を送るためには、やりたいことは躊躇せずやることだと思います。サークルやバイト内でも、自分で考えてやり通せばできることが増えていきます。頑張ってください。

点数は50点かなと思います。というのも私は、頑張ってきたと思うことと同じくらい「なんでこうしなかったんだろう」と後悔することが多いからです。
私は基本的にやりたくないことはやらないし、面倒くさがり屋で積極的なタイプでもありません。大学って高校までと違ってやりたくなかったらやらなくてもいいし、人と関わらないという選択肢も簡単に選べてしまう環境なのですね。皆さんへは、自由だからこそ逆にやりたくないことに挑戦してみるのもありなのだと言いたいです。そうすると違う世界が見えるし、きっと新たな可能性が開けていきます。
50点をプラスの意味にとらえると、残りの2年半で百点にすればいいし、私には百点にする余地がまだあるぞと思うので、これから気が進まないことにも積極的にチャレンジしたいと思います。

新入生の方や一緒に頑張ってきたご家族に喜んでいただけるパソコンやガジェットをお勧めし、皆さんの声や学びの姿を伝えられる場所にいるということで、私も今日はすごく有意義なお話をお聞きできました。皆さんからのご提言はこれからの仕事に生かし、大学生協で働く他のメンバーにも伝えたいと思います。本当に今日はありがとうございました。

我々も世代が違うと、意外と知っているようで知らないこともありますので、今日のお話を皆さんのお近くの生協職員とぜひ共有していただきたいと思います。私も一人でも多くの新入生に一つでも多くのコンテンツを届けられるように頑張ります。ありがとうございました。

2024年10月17日 オンラインにて

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