九州地区保護者座談会
(2021年開催)
WEBと対面の2軸化が進む学生生活

高校の授業、大学の授業どちらにおいても、WEBでのオンライン授業と対面式での授業、両方が併用して行われる形が増えています。そのWEBと対面の2軸化は、高校生活と大学生活の様々な面で進んでいます。オープンキャンパスや入学説明会、入学手続きがその一例です。今回は、この2軸化とコロナ禍での受験、学生生活を経験された九州地区の保護者の方にお話を伺いました。


写真左から
与儀 史子さん(長女が琉球大学理学部1年)
木野 数志さん(長女が長崎大学教育学部2年)

やり方・考え方も変わったコロナ禍での受験

司会:それでは座談会を始めさせていただきます。まずは、自己紹介をお願いします。

与儀 史子さん(以下 与儀さん):
琉球大学の理学部に通っている娘の母の与儀といいます。よろしくお願いします。

木野 数志さん(以下 木野さん):
長崎大学教育学部2年の娘を持ちます木野数志です。よろしくお願いします。

司会:お子さまはどこで受験勉強されていましたか。

与儀さん:
昨年度は3年生に上がったばかりで、すぐに学校が休校になりました。その間、学校からIDが配布されて、Teamsなどを使ったオンライン授業が始まりました。
学校に行けるようになってからも分散登校という形で、クラスの半分を午前中に、もう半分を午後にというやり方であったり、1年生と2年生が行く日、3年生が行く日など、学校に行ける日を少なくして学校と自宅でのオンライン学習を合わせながらやっていくというのが続いていました。


木野 数志さん

木野さん:
うちは、夏までは通常通りセンター試験に向けて勉強をしていました。家がセンターリビングなので子ども部屋とリビングとを行ったり来たり、その日の気分でご飯までは下で勉強したり、夜遅くなると子ども部屋で勉強したりしていました。
推薦入試を受けたので、10月くらいからは推薦の勉強と小論文、あとは面接の練習として、ビデオを撮って繰り返し見たりしていました。

司会:お子さまの受験勉強中、大学入学にあたって親御さんのご心配、不安はありましたか。


与儀 史子さん

与儀さん:
まったく学校に行けなかったり、授業が思うように進まなかったりという状況にあって、模試も受けられなかったんですね。センター試験から共通テストに切り替わる最初の学年ということもあって、記述式の問題がどうなるのかも非常に揺れ動いている中で、どんな勉強をすれば良いのか、現在の学力で新しいテスト形式になったときに、どのあたりの大学の、合格ラインに達しているのかも、まったく分からないので、子どもたちは不安というか、志望校をどこにして良いのか分からないという状況でした。
オープンキャンパスにも行けないので、今年の受験は、すごく不安ということを子どもたちはずっと言っていて、友達とも、学校の先生ともなかなか会えないので、きちんと相談ができず、相当不安だったと思います。これから受験までに何をしたら良いのか、何ができるのかというところが先生も分からない、子どもたちも分からない。大学の情報もオンラインでのオープンキャンパスくらいでしか情報が得られませんでした。
みんなが手探りをしている状態が非常に長く続いたので、精神的にも追い詰められた感じでしたが、親としてもやってあげられることが分からず、これまでのことを信じてやるしかないよねという話をすることと、何に不安を感じていているのかを聞くことしかできなかったので、非常にみんなが不安を抱えて過ごす時期を長く過ごしました。

木野さん:
オンラインになったのは入学してからの話でしたが、大学になるといろいろシステムがありますよね。パソコンで履修登録をしたり、そういう説明会が顔を合わせてやる予定でしたが、それが資料だけになって、それはなかなか大変でした。自分が少しパソコンに詳しい方だったので何とかできましたが、この説明で普通の人はわかるかなと苦労したのを覚えています。ちょうどネットにつなげられるアパートを借りていたので、LINEのテレビ電話で「パソコン画面を見せろ、そこはこうだ、ああだ」と言いながら登録していました。本当にそういう機能があって良かったなと痛感しました。
最初に心配だったのは、全然知らない土地で一人暮らしが初めてで、勉強ばかりで家事もほとんどやってこなかったので大丈夫かなと思いました。ミールカードも検討したのですが、本人が自炊したいというので1年目は入りませんでした。でも入学した途端ミールカードにしておけば良かったということで、2年目からはミールカードにしています。

司会:先ほど与儀さんは、オープンキャンパスがオンラインだったとおっしゃっていましたよね。1年生のときにオープンキャンパスには行かなかったのですか。

与儀さん:
高校から1年生の時にオープンキャンパスとして琉球大学に必ず全員行きましょうといわれていたので参加しました。2年のときも、1年のときとは違う学部のオープンキャンパスで実際に話を聞きに行きました。
県外の志望校には、3年生になってから行こうという話をして、2年間を過ごしていたので、冬になってから新型コロナウイルス感染症の話になり、修学旅行がなくなったり、卒業式に参加できなくなったり、3年生に上がってからの入学式であったり、いろいろな学校行事が全てなくなるという状況になったので、まさか志望校のオープンキャンパスに行けないまま3年になるとは予想しておらず、後の祭りみたいな状態でした。

司会:オンラインでは見られたんですか。

与儀さん:
そうですね。九大などは開催されていたので。娘自身は家にいる時間が長かったので、申し込みをして、いくつか参加したようです。

司会:木野さんはコロナの1年前になると思いますが、お子さまはオープンキャンパスへ行かれていましたか。

木野さん:
オープンキャンパスは長崎大が夏にあったので、3年生の時に、自分と二人で車で行きました。オープンキャンパスで印象に残っていたのが、受験課の先生からマンツーマンで話を聞かせていただいたことです。パンフレットにももちろん載っているのですが、どういう人材を求めているかなど、詳しく話を聞くと、やはりこういうところが大事なのか、ここの学校はこういうところを強くしているのかというのが、わかって良かったです。
下が今年受験生なのですが、やはりオープンキャンパスは直前で中止になりまして、そういうところを聞けていないのは不安だなと思います。

司会:進路選択で一番悩まれたこと、お子さんと親御さんとで話をされていたことについて教えてください。

与儀さん:
進路選択のときに、大学を卒業した後、自分が何をして生きていきたいかというところも踏まえて、どこの大学に進学するかを、ずっと1年、2年のときに話をしてきていました。でも、コロナという状況が突然出てきて、大きく環境が変わって、今後どんな風になっていくのだろうと思っています。
どういう進路を選択していくことが将来の自分にとって良いのか、自分の能力や、やりたいこと、より力を発揮できることを考えているところに、天変地異みたいな、ものの価値観などが大きく揺らいでしまったような状況です。
実際に、志望していた共創学部のように総合的なところを、まずは進路先として希望していたのですが、3年生に上がり、このコロナ禍で過ごすうちに、医療系などそういう違うところにも目が向くようになり、志望学部の変更もすることになりました。
今自分が置かれている状況と将来とを、どう見極めるかというのが非常に難しい状態ではありましたが、でも、このように一つのことで大きく世界が変わってしまうということを、3年生のときに体験できたことは、良い経験ではあったかなと思います。
1学年上の子どもたちは大学に行ってから大変な状況になってしまったので、今の1年生より、このままで良いのか、将来どうなってしまうのかという、不安は大きいだろうなと思います。
今の1年生は1年間、将来について考えることから逃げられない環境にあったので、ある意味では、これから先の人生ついて考える良い機会ではあったかなと思います。

司会:そうですよね、話が弾んだときもあったのではないですか。

与儀さん:
どうしようみたいな、この進路では将来が余計に見えないといった感じですね。
例えば九州大学の共創学部や、広島大学のそういった学部は、海外の大学への留学を基本としている学部が多かったので、コロナがいつまで続くかわからない状況では留学にも行けなくなってしまうし、オンラインで留学となったら、それはまたなんかちょっと違うよねと話していました。
みんなで新しいものを考えたり、研究したり、新しい社会を創り出していく、もちろん大切なことではありますが、その環境が追い付くまでにどれぐらいの時間がかかるのか、そこをつくり出すだけの力が自分にあるのか、子どもたちと先生と話をしたり、また、そこに不安があるのだったら、やりたい仕事って何なのか、どういう未来の自分を想像するのか、より具体的にイメージできるものを探すというような話はしました。

司会:そうして決められたお子さんは素晴らしいですね。

与儀さん:
実際には医学部の保健学科などを目指したりもしたのですが、やはり準備期間が短いということだったり、初めての共通テストだったり、推薦の形式が前年度とは大きく変わってきたところもあって、希望する学部には行けなかったので、そこはコロナの状況がどう受験に影響するかもわからないということも含めて、やはり厳しかったなというのはあります。

司会:そうですね。本当にご苦労されたと思います。
では木野さん、お話を伺っても良いですか。

木野さん:
大学を選ぶポイントは二つありました。まず一つ目は、本人が何になりたいか。小学校の先生になりたいということに加えて音楽の先生になりたいという希望もあり、小さいころからピアノを習っていたのですが、高校ではバトミントン部に入り、専門的に音楽の教育を受けているわけでもない状態だったので、それでも音楽の先生を目指せる学校を探し、大学もいろいろなところへ見に行き、オープンキャンパスで話を聞いきました。
やはり吹奏楽部ではない、音楽の教育も受けていない人は難しいかもなという大学もありましたし、大学によってはまったく情報を出してもらえずにパンフレットの話しかしてくれないところもありました。
もう一つは、学校の成績は良いのですが、実力テストで点が取れない状況だったので、センターなしの推薦が受けられるところでした。この二つのポイントで探したところ、長崎大がぴったりでした。長崎の方は副科で音楽を取れますよ、経験がなくても大丈夫ですよと言っていただけたので、ここを目指して欲しいなと思いました。
嫁は、鹿児島から出したくないと思っていたようなのですが、そこは自分と娘と二人で、いろいろと調べたことをもとに、ここに行きたいという説得をして、どうしても先生になるにはここしかないということで選びました。

司会:進路選択も大学選びも、そこは親子で重視されたということですね。
では、続いて、お子さまの受験情報です。自ら親御さんたちもいろいろな情報を集めていたと思いますが、どのサイト、どの冊子が有効だったか教えていただけますか。

与儀さん:
やはり大学のホームページを、まずは見ることですかね。オープンキャンパスや学校の方で講演会のような形で先輩の体験談を聞くことは、結局対面ではできなかったのですが、オンラインだったり配信だったり、質問をしたりしながら情報を得たという感じですね。あとはベネッセの情報も多少見てはいたようですが、高校の先生含めてみんなどうなってしまうのか情報待ちのような期間、大学の試験内容など、確かな情報がいつ決定するのだろうかという状況が長かったように思います。
大学を何で選ぶか、センターなしで受けられる推薦や、センターだけで決める大学もあるので、そういうところに志望変更する友達も多かったようですね。みんな落ち着いて情報を吟味できないというか、新しく出てきた情報に飛びつきそうになるのを冷静に考えられるか、普通とは違う状態で情報を集めている感じはしました。
でも、やはり大学が出してくる情報が一番正確なので、気になる大学のホームページは毎日でもチェックしなさいと言っていましたね。

木野さん:
やはりオープンキャンパスで生の声を聞くことが大事ですね。そういった面では、パンフレットはあまり参考にならなかったように感じます。あとやはり大事なのが、先ほども言われた通り、大学のホームページで募集要項、入学者選抜要項を見ることは大事だと思いました。アドミッション・ポリシーもしっかり書いていますし、入学者選抜要項は特に96ページくらいある中から大事なことを抜き出して見ないといけない。他の学科のことも多く書いてあるので、それを子どもが全部見ていると、勉強の時間がもったいないので、自分が見て、これは関係あるぞと抜き出して子どもに伝えていました。調べるのもお父さん、印刷するのもお父さん。そこから抜いて大事なところだけ子どもに確認させるというのを、うちはやっていましたね。去年の点数、何人受ける、どういう人を欲しているなど、重要な情報が入っているんですよね。この大学は何に力を入れている、長崎大学だったら離島があるので離島教育、ICTが強いなど、そういう強いところは見ておいた方が良いと思いますね。

司会:塾には通われていましたか。

与儀さん:
塾には通っていないですね。部活動を続けていて、3年生の最初の春の大会が終わると部活を引退して、塾に行き始める子も半数以上いましたが、コロナの状況もありましたし、夜遅くなるまで勉強することを考えると、通学に時間がかかっていたので、次の日の日中に影響が出るような生活リズムは、あまり良くないなと思っていました。
自宅で必要な勉強をきちんとやっていくという、スケジュールを立てて管理しながら目標を達成していくスタイルを取らせるようにしていました。自分できちんと計画を立てて学習を進めていくというのは、大学生になっても、社会人になっても必要なことだから、それができるようにと、塾はあまり考えていなかったですね。

木野さん:
高校受験のときに塾に行かせて、あまり効果が表れなかったので、それであまり良いイメージがなかったのか、部活もやっていたこともあり、行き出したのは高校のときの夏休みぐらいからでした。そこまで効果が出なかったので、親としては時間を増やしたらどうかと思いながら、でも本人は本人のやり方でしたいというのがあって少しだけ通いました。

限られた時間の中で入学準備をしなければならない


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