全国区組合員保護者座談会(2022年開催)
喜びと心配が交差する、子どもの巣立ち

受験が終わってほっとしたのも束の間、合格後、入学までには短期間に多くの手続きや準備を行い、新しい生活の準備をしなければなりません。また、合格の喜びを噛みしめる一方で、特に遠方の大学にお子さまを送り出す親御さんにとっては、これまで親の元にいた子どもが巣立つ、一抹の寂しさも感じることでしょう。今回は、全国各地に進学された学生の保護者さまにお集まりいただき、受験や新生活準備、大学生活についてお話を伺いました。

写真後列左より

  • 松村 恵美さん(次男が早稲田大学)
  • 浅原 宴子さん(長男が大阪大学)

写真前列左より

  • 中村 真理さん(長男が京都大学)
  • 呉本 公子さん(長男が京都大学、長女が早稲田大学)
  • 高島 泰子さん(長女が神戸大学、次女が東京農工大学)

受験中、静かに見守りつつも不安な親心

司会:まずは大学受験のことからお伺いします。お子さまは大学受験の時、主にどこで勉強されていましたか。


呉本 公子さん

呉本 公子さん(以下、呉本さん):
長男が京都大学、長女が早稲田大学に通っています。二人とも受験の時は、家の自分の部屋か、市立図書館の自習室で勉強していました。今は違うみたいですけれど、そのころの市立図書館の自習室は1日中いることもできたので、外ではそこが一番やりやすいと言っていました。

中村 真理さん(以下、中村さん):
長男が京都大学に通っています。息子は家ですると、どうしても怠けてしまうし、集中できないということで、ほぼ塾の自習室に通って勉強をしていました。

高島 泰子さん(以下、高島さん):
長女が神戸大学、次女が東京農工大学に通っています。長女は、高校の教室と家でしたね。家では、自分の部屋やリビングで。まず朝8時に学校に行って、夜19時くらいまで教室で勉強。帰ってきてご飯を食べると20~21時になるので、その後、1~3時間ほど勉強していました。あまり長く勉強すると次の日が起きられないということで、家ではそれくらいでした。次女は、家だとやる気が出ないということで学校の自習室で勉強していましたね。自習室は朝7時から開放されていたので、7時に行って夕方学校が閉まるまでやっていました。通学に時間がかかったので、帰宅するとやはり20時くらい。家では勉強せずのんびりしていました。

浅原 宴子さん(以下、浅原さん):
長男が大阪大学に通っています。高校2年生までは家のリビングで勉強していました。3年生になってからは、塾と自習室と自分の部屋で勉強するようになりました。塾の講義が終わると帰ってきて自分の部屋でやっていました。

松村 恵美さん(以下、松村さん):
次男が早稲田大学に通っています。高校2年生くらいまで部活に一生懸命で、勉強をしている姿を見たことがありませんでした。部活から帰ってきて、そのままゲームをし、くつろいで終わり。ところが3年生の秋に部活を引退し勉強に目覚めたようで、毎日学校に行って、授業のない時も自習。学校が終わったら塾に直行、塾の自習室で22時くらいまで勉強していました。

司会:お子さまの受験期間中、親として不安だったことはありますか。

呉本さん:
やはり健康面を一番心配していました。受験シーズンはインフルエンザが流行ったりしますし、特に下の子の時には受験の真っただ中でちょうど新型コロナウイルス感染症が流行り始めた時期だったので、すごく神経質になりましたね。とにかくきちんと受験当日を迎えて欲しいと思っていました。親にできることは健康管理くらいしかありませんから。

中村さん:
合格するかどうかということも、もちろんそうですが、息子が追い詰められて勉強をしている姿に、ちょっと大丈夫かなと心配しました。あとは志望した大学が遠方だったので、合格したら一人暮らしができるのか、という不安はありました。


高島 泰子さん

高島さん:
私も呉本さんと同じように健康面ですね。落ちるか受かるかは、もう本人の力量次第。親ができるのは、ちゃんと受けられるようにしてあげることだけでした。高校受験の時、次女の受験のタイミングで長女がインフルエンザに罹って別室受験をした経験があったので、大学受験ではみんなと同じように、普通に受験させてあげることが第一の目標でした。長女は遠方に一人で受験しに行ったので、公共交通機関が止まったらどうしよう、道に迷ったりしたらどうしよう、と、遠くから心配していました。とにかく無事に受けられるように、ということだけを想っていました。

浅原さん:
特に浪人生の時、会話も少なくなってストイックに勉強していたので、そんなにやり過ぎて煮詰まらないかな…と、心配していました。例えば、息抜きに外を走ってくるとか、ごはんを食べる間はテレビを観るとか、それくらいはいいんじゃないかと思っていたんですけれど。真面目にやり過ぎて大丈夫かな、と想っていました。

松村さん:
次男の受験の時、新型コロナウイルス感染症が流行っていました。息子が行きたかった大学は、もしコロナになった場合は、別日で受験ではなくて、センター試験の点数のみでの審査と言われていたので、とにかく無事元気に受験の日を迎えて欲しい、という願いだけでした。5人家族で子どもが3人。主人はほぼ在宅でしたが出勤もしていたので、誰かが持ち込んだりしないようにと、気を遣っていました。

司会:皆さまのお子さまはオープンキャンパスには行かれましたか。

呉本さん:
長男は行ったかどうかわからないですが、長女は行っていましたね。2年生までは大学受験のことはあんまり考えず、部活ばかりやっていたので、3年生になって急に慌てだしてオープンキャンパスに足を運んでいました。第1志望の大学は3年生の夏休みに私も一緒に見に行きました。自分の目で見て確かめて、行きたい気持ちを固めていましたようでした。


中村 真理さん

中村さん:
息子は高2まで大阪大学を志望していました。私の実家が大阪にあったのでお盆の帰省の時に、オープンキャンパスに行きました。3日間ぐらい開催されていたので、丸々行きました。ところが、高3になって急に志望校を京都大学に変えたんです。京都は修学旅行で行っているから、もう大丈夫ということで、行きませんでした。

高島さん:
二人ともオープンキャンパスに行きました。長女は、高2と高3の夏に一つずつ地方の大学のオープンキャンパスに行きました。私が一緒に行くと余計なことを吹き込んでしまいそうなので、現地までは一緒に行って、オープンキャンパス自体には「一人で行ってきなさい」といって、私は観光していました。もし受かったら大学生活ができるかどうか、自分自身で判断してほしかったのです。結局、その二つの大学には通っていません。次女は関東の大学のオープンキャンパスに友達と行っていましたね。

浅原さん:
高3の時に、友達と一緒にオープンキャンパスに1度だけ行っていました。でも、今通っている大学のオープンキャンパスには行っていないです。

松村さん:
うちは息子にお任せでしたので行ったかどうかも分からないですけど、夏ぐらいに一度、友達と行くということを聞きました。

司会:お子さまの志望校の選択に当たって、親としてアドバイスされたことがあれば、教えてください。

呉本さん:
大学名も大事だけど、最終的には自分のやりたい学部を選ぶように、とアドバイスしました。やっぱりちゃんと自分がやりたいことが叶う大学、4年間勉強したいと思える学部を選んで欲しかったです。私立か国公立かも結構悩んでいて、それは経済面にも直結するのでそれを心配していたみたいですが、そこはあまり心配しなくていいよ、ということも伝えましたね。

中村さん:
私からアドバイスしても聞かないので、本人に任せて、行きたい大学を受験させました。関東ではなく京都に行きたいというのも、自分の意志で決めたことなので親として送り出しました。

高島さん:
うちは二人とも(第一志望校の)前期がだめで、(第一志望校とは別の大学への)後期入学でした。後期を受けるか、私立を受けるかと悩んでいましたが、私は「私立で行きたくないんだったら受けないほうがいい。本命にかけてみるのもいいのでは」ということを伝えました。(第一志望校を)受けないとずっと後悔すると思うので。行くにしても、行かないにしても、浪人するにしても、とにかく後期を受けて(もし受かれば)その時点で決めたらいいと。アドバイスはそれくらいです。

浅原さん:
父親とはちょっと話したかもしれないですけれど、私は特に何も言っていないです。息子は国立文系志望と自分で決めていたので、本人に任せていました。


松村 恵美さん

松村さん:
うちは子どもが3人なので、経済的なことも含めて、とにかく現役でお願いしたいと思っていました。もちろん、心の中で思っていただけで言葉には出してないですけれど、多分いろんな圧を息子は感じていたと思います。高3になった時に「受かったところに行く(浪人はしない)」ということを宣言していたので、そういう親の想いを察してくれたのだと思います。

司会:お子さまの受験大学の情報をどのように収集しましたか。

呉本さん:
受験大学の情報は、ほとんど学校からですね。進路の先生たちが進路説明会を頻繁にやってくれていたので、それを信じて進めていました。息子自身も学校の進路指導室に相談したり、資料をもらったり、周囲の友達からも情報を集めていたと思います。塾には行っていないので、学校頼みでしたね。

中村さん:
呉本さんと同じく、高校が結構サポートをしてくれたので、進路の先生や、同じ大学を受けるお友達から情報収集していたみたいですね。参考書なんかも「誰々がこの本を持っていたから自分も買いたい」という感じでした。大学を決めるのは、全部子ども主体で、私が何かをするということはなかったですね。

高島さん:
私は保護者向けの説明会で聞くのみでした。子どもも、学校の先生に相談して決めたんだと思います。あとはオープンキャンパスと、その大学でもらってきた公式の資料ですね。

浅原さん:
息子は自分が気になる大学はインターネットで調べていました。やっぱりお友達からの情報が大きいと思います。特に浪人をした後の受験は、前年の感触だとかを実際に受けた友達にせっせと聞いて回っていたみたいです。それが当たっていたり、自分が受けた年から変わっていたりということも分かるくらいに調べていたようです。

松村さん:
学校の友達や塾の友達から情報を仕入れていたみたいですね。息子が通っていた塾は、進路相談を手厚くサポートしてくれ、受験に関する資料もたくさんあったようなので、塾の影響は大きかったと思います。

合格後は短い期間での新生活準備

司会:続いて、合格して入学が確定された後の、入学準備についてのお話に移ります。入学に当たって親としてどんなことが不安だったか。また、真っ先に準備したことについて教えてください。

呉本さん:
息子は京都大学に行きたいということで頑張っていたんですけれど、実は私自身、受かると思っていなかったので、受かった瞬間、すごく嬉しかったです。それと同時に、いなくなるんだという寂しさと不安を感じました。私が息子を甘やかせてきたところがあったので、一人暮らしができるのかなという不安は大きかったです。真っ先にしたことは、家探しですね。本当に受かると思っていなかったのでまったく探していなかったんです。早くから決めている人もいると聞いたので、少し焦りました。

中村さん:
うちも京都なので、一人暮らしはできるのか。本当に家で何もしなかった子なので、どうなるんだろうというのが大きな不安でした。家は、受かるとは思っていなかったけれども受験で京都に行った時に、そんなに何回も行ったり来たりはできないだろうと思って、仮押さえをしていました。合格後、すぐ不動産屋に連絡をして、正式手続きを始めました。あとは家具の準備ですとか、引っ越しとかがもうばたばたでしたね。1ヶ月弱ほどの間にせわしく準備しながら、いなくなる寂しさを感じていました。

高島さん:
(長女は)後期の出願の時点で、もう時期も遅いので、いい物件はなくなってしまうことから先に寮を申込むと決めていました。なので、入寮許可が出るまではやきもきしていましたね。あとはスーツの準備もしました。合格発表から引っ越しまでの間に1週間ほど旅行も入れてしまったので、スーツの丈詰めもぎりぎりにようやく間に合った感じです。また、パソコンも旅行先から通販する事態で、本当にばたばたの準備期間でした。


浅原 宴子さん

浅原さん:
息子が大学生協のサイトを見ていて、新しい寮ができることを知っていたんです。合格発表の前にも予約ができるということで、インターネットで内覧して、気に入ったので物件を押さえてもらいました。無事に合格したので不動産屋さんに連絡をして、そのまま契約。大阪へ行かずに全部自宅から手続きさせてもらえたんです。本当に助かりました。

松村さん:
うちは自宅から通いなので引っ越しなどはなく、スーツやパソコンの準備くらいでした。

司会:入学前の生協の印象についてお聞かせください。大学生協のホームページはご存知でしたか、また、大学生協の資料はいつ頃入手されましたか。

呉本さん:
長男のほうは、合格後に京都大学生協から立派な箱に入った資料が送られてきて、とてもワクワクしました。開けてみると、入学にあたり準備するもののリストや、一人暮らしに必要なもの、パソコンの紹介など、いろいろと丁寧に説明されていたのですごく参考になりました。長女のほうも、合格後に早稲田大学生協から資料が届きました。京都大学ほど立派ではなく、また長男の経験もあり生協のことは知っていましたので早稲田生協のほうの資料はあまり見ませんでした。

中村さん:
私は、受験前に京都大学生協のメルマガに登録して、受験当日の宿や、一人暮らしのことなどの情報を得ていました。家探しも大学生協で行い、受験当日に家の内覧ができるよう生協で申し込んでありました。内覧日は2件の物件を見て回ったのですが、案内人として同行してくれたのは不動産屋ではなく、なんと京大の学生さん。学生さんが物件を案内してくれて、その周辺の治安やお店の情報などを学生目線で教えてくれるんですよ。それがすごくわかりやすくてよかったです。

高島さん:
長女は大学生協の受験生用ページがあると、オープンキャンパスの資料で知ったそうで閲覧していました。次女の農工大の方は、ホームページは知らなかったですが、資料は、大学の入学資料とともに送られてきました。

浅原さん:
入学の資料の箱の中に同封されて、大学生協の資料が届いたような気がします。入学後も、車の免許の案内や資格の勉強の案内など、いろいろと届きますね。

松村さん:
大学生協の資料は、入学の書類とともに届きました。私はその資料を熟読して、保険の加入を検討したのと、学食パスが気に入ったので、それを利用させてもらおうと思いました。

司会:松村さん以外のお子さんは一人暮らしということですが、物件の決め手や住まい探しのポイントについて教えていただけますか。

呉本さん:
合格後、とりあえずすぐに家を探さなきゃいけないと思い、合格した2日後くらいに京都に行きました。まずは大学生協に行こうと思いましたが、京大に行くまでの道沿いにも不動産屋さんのアルバイトの学生がたくさん立っていて「うちも見ていきませんか」って勧誘されるんですよ。その一つのところが対応が丁寧でよかったので何件か案内してもらって決めたんです。家探しのポイントとしては、料金と場所。せっかくなら自転車とか歩いて行ける距離の方がいいなと思ったので大学の近くに決めました。あとはきちんと管理されていることも大事ですね。一度、お湯が出なくなってしまったことがあって、コロナの影響で部品が入らないとかで3カ月くらい水しか出なかったことがあるんです。しかも冬だったので大変困ったみたいですが、それを不動産屋さんに相談したら「給湯が直るまでお風呂へ行ってください。お風呂代は全部出します」と言ってくれたそうですけれど。やはりきちんと管理されていることも大事だなと思いました。

中村さん:
受験の時に京都についていって、息子が受験している間に物件探しをしました。大学生協で予約して2件見て回ったのですが、少し思っていたのと違ったので、それこそ道中で声をかけられた不動産屋さん経由でその後3件ほど見て回りました。その中で、立地や価格など条件が合う物件があったので仮予約させてもらい、無事に合格したのでそこに決めたという流れです。大学まで5分もかからない場所にあって、すごく気に入っていたのですが4年生からはキャンパスが変わるのでこの3月にはそこを引き払って、新しいキャンパスの近くに引っ越しました。その時は、「勉強として、手続き等は自分でやってみなさい」と、私はノータッチでした。物件探しから引っ越しの見積もりまで自分でしっかり手配して決めていましたね。結局、前の家が気に入っていたみたいで、間取りはほぼ同じ間取りのところに引っ越しました。

高島さん:
長女は一人暮らしで、次女は2時間かけて通っています。長女の場合、初めは大学の寮でしたが、2年生の夏、普通のアパートに引っ越しました。そのころはコロナで行き来しにくい環境でしたので、長女が自分で決めました。今のアパートは、キッチンに適度なスペースがあること、あとはスーパーやコンビニが近くにあること、バス、トイレが別で古過ぎない建物であるということで気に入って決めたみたいですね。自分のお財布と相談して決めたんじゃないかと思います。

浅原さん:
息子が選んだのは、最寄駅から2~3分。大学からも10分弱の立地で新築の寮でした。塾のアルバイトは駅から急行で20分かけて梅田まで出るそうですが、それ以外は大学、サークル、飲食店でのアルバイトなどすべて徒歩圏内で完結するので、睡眠時間も十分に取れると満足しています。1回生にしては、たくさんバイトのシフトが入っていると先輩方にも言われるくらい、時間が取りやすいということで、やはり立地は大事だと実感しています。寮は平日朝晩食事が付くんです。おいしいということで寮生活をとても気に入っているみたいです。

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