私の研究室は、広域情報を用いて農業における生産環境の分析や評価を行っています。特に近年では、GIS(地理情報システム)や人工衛星画像、ドローンによるモニタリング、AIなどのデジタル技術を駆使して、自然環境・農地環境の炭素蓄積機能や水資源利用可能潜在力、生産能力などを評価する研究に取り組んでいます。
また、研究や講義と並行して情報教育センターのセンター長を務めています。これは学生たちの情報教育の推進を支援する機関であり、情報リテラシー教育に加え、ネットワーク環境などのIT資源の整備や管理にも携わっています。
今日、理系の研究においては、パソコンをはじめとしたIT機器を使いこなすことは大学生の必須条件といえますが、パソコンはあくまで1つの端末であって、重要なのはデータです。データを取得することから始まり、それを加工したり解析したりする一連の研究活動において、適切に端末を使い分けることが重要です。たとえば、フィールドにおけるデータ取得には小型・軽量であるGPS機能付きスマートフォンを使い、それをノートPCでまとめて、研究室のマシンでAIを使って解析する、といった使い分けです。
いまは教育現場でもBYODが進んでおり、学生たちは、いつでも使える自分専用のパソコンを持つことが必要になりつつあります。それには持ち歩きやすいサイズのノートパソコンが最適なものといえるでしょう。身につけるべきスキルとしては、マイクロソフトOfficeを使いこなせるようになることが必須といえますが、加えてクラウドを自分のストレージとして使いこなすことも重要であると考えます。
これから大学生になる皆さんにお願いしたいことは、何でもいいので、パソコンを使う「入り口」を見つけてほしいということです。勉強に関連したことはもちろん、生活や趣味でもかまいません。自分なりの入り口を見つけて、そこを掘り下げていけば、習得したスキルや知識は他の分野や用途にも応用できます。パソコンはあくまで1つのツールではありますが、愛着を持って使い込んでいけば、必ず将来に役立つ糧をもたらしてくれると思います。