大学生が狙われる50の危険

大学生が充実した生活を送るために
~『大学生が狙われる50の危険』第6版が発刊されます!~

2026年、大学生のための安全・安心マニュアル『大学生が狙われる50の危険』改訂版発刊を記念し、作成・編集に関わった全国大学生協連 学生委員と三菱総合研究所による座談会が開催されました。参加者からは制作に携わったエピソード、この活動に込めた想い、学生目線でリスクをどのように捉えたか、新入生・在校生へのメッセージなどを話していただきました。
 
 
参加者(敬称略)
浦田 行紘
全国大学生協連
全国学生委員会

浦田 行紘ゆきひろ
志村 颯太
全国大学生協連
全国学生委員会

志村 颯太そうた
白石 優和
全国大学生協連
東京ブロック学生事務局

白石 優和ゆうな
矢間 裕大
(株)三菱総合研究所 モビリティ・
通信政策本部(司会/進行)

矢間 裕大やざま ゆうだい

『大学生が狙われる50の危険』について

2026年度発行「大学生が狙われる50の危険」
2026年度発行
「大学生が狙われる50の危険」

担当者の紹介

矢間
矢間
三菱総合研究所の矢間裕大と申します。大学生のリスクリテラシー向上部という有志の活動の中で、『大学生が狙われる50の危険(以下、50の危険)』の編集を担当しております。本日は、本書の2026年2月の改訂版発刊を記念して座談会を開催いたします。この本の制作には、昨年5月より全国大学生協連 学生委員会の3人の方に関わっていただきました。編集にあたり学生の生活リスクというテーマに対してどう向き合ったかなどをお話しいただければと思います。
 
浦田
浦田
全国大学生協連で学生委員を務めております浦田行紘と申します。奈良教育大学出身です。『50の危険』には執筆にも関わらせていただきました。こころの健康について興味があり、私自身の経験も踏まえながら書くことができたと思います。
 
志村
志村
全国大学生協連 学生委員の志村颯太と申します。富山大学を昨年3月に卒業しました。私は全体的な構成に携わらせていただきました。生成系AIや大学生の学び方の変化について興味を持って取り組めたと思っております。
 
白石
白石
全国大学生協連 東京ブロック学生事務局の白石優和と申します。現在、前橋工科大学4年に在学中です。私は各章冒頭の漫画のストーリーを検討させていただきました。それぞれ自分自身や友人の経験を踏まえて作成しましたが、見聞きした経験談を活かせるように心を配りました。
 
矢間
矢間
皆さんとは50の章立てをどうするか、各章初めに導入として用いた漫画のストーリーをどうすれば今の学生に実感として捉えてもらえるのかなど、様々な議論をしながら進めてきました。現役の大学生の皆さんと一緒に作ったことで、新入生や在学生の方に寄り添った応援メッセージになったかと思います。
 
2026年版改訂のポイント
 

位置付けと改訂の経緯

矢間
矢間
大学に入学して社会に出ていくまでの期間は、自分でリスクを察知してしっかり対応していかなければならないことが増えてくる時期でもあります。リスクの実態やその対処法をインプットして、いざという時に対応できるようにする。『50の危険』はそのための“リスクの百科事典”という扱いで作られました。
 
  • 大学生が狙われる50の危険について
  • 大学生が狙われる50の危険の発刊(3年毎)
本書は2011年に初版を発刊してから15年の間、3年ごとに改訂を繰り返しています。2011年2月に第1版を発刊した直後、東日本大震災が起こりました。2014年発刊の第2版では、それを踏まえて災害や防災に関して大学生向けの情報を手厚くしました。2017年、20年の改訂では、インターネットとSNSの普及が大きな変化としてありました。

2020年2月に第4版を発刊した直後、新型コロナウイルスの感染拡大で大学生活の自由が制限されるという状況になりました。感染症のリスクとともに大学生活のあり方が変わっていく中でどうしても適応できずメンタルヘルスを崩したという方も出て、2023年の改訂はそういった内容も考慮して行いました。
 
  • 大学生のリスクリテラシー向上に向けた取り組み
  • 2026年版改訂のポイント
 

2026年改訂版のポイント

矢間
矢間
2026年度版は第6版となります。今回はコロナ禍から脱却して日常が復活し、大学生活が充実しているという学生も増える一方で、ネット社会が拡大し社会情勢も大きく変化したという点を踏まえて改訂を進めました。

従来と変わった例としては、ここ数年で目まぐるしく進歩した生成AIの普及、それに伴うフェイクニュースの出現があります。また、電動キックボードの利用者が全国的に増えていることに起因する事故も紹介しました。その他にもSNS絡みの詐欺の巧妙化にも着目しています。

内容をアップデートした例では、闇バイトやトクリュウ(匿名・流動型犯罪グループ)が挙がります。昨今このワードも大学生関連のニュースでよく聞くようになりました。またカルト・マインドコントロールに関しても、ここ数年で世の中を大きく騒がせるようなニュースがありました。大学内にそういった団体が存在しているのは変わりませんし、学生に接近する手口がより巧妙化しています。南海トラフなど自然災害への備えやメンタルヘルスに関しても内容を新たにしました。

バイト先でのトラブル、パワハラ、モラハラ、アルコールの強要などは、コロナ禍から大学生活がよりリアル中心に戻ったからこその変化だと見ていていますが、依然として大学生活のリスクは多岐にわたっています。

モラルハラスメント:言葉や態度などで巧妙に人の心を傷つける精神的な暴力のこと。上下関係に限らず、対等な仲間内でも起こりえます。

6章立ての各章の冒頭の漫画は、大学生活4年間の主人公の成長や周りの仲間の変化を追っていく流れになっています。そのほかに今回は、リスクに関する学生座談会の開催や生成AIの活用に関するコラムを掲載しています。
 

様々な事例を網羅した“リスクの百科事典”

自分自身や友人の経験から

矢間
矢間
自分自身や周りに、実際にトラブルに巻き込まれた事例はありましたか。
 
浦田
浦田
私自身、大学生活の最初はコロナ禍とかぶっている時期でもあったのであまりリスクに関わることはなかったのですが、友人からは特に1年生の頃、訪問販売や宗教の勧誘を受けそうになったと聞きました。その中の1人は自宅に宗教勧誘の人が来てドアを開けてしまい、長時間居座られてしまったそうです。その後何度も訪問されて対応に苦しんだと聞きます。単純に対応しないようにしたら来なくなったので、ちゃんと確認してから応対しなくてはと感じました。
 
白石
白石
私自身も大学4年間でトラブルに遭遇したことはありませんでしたが、友人からはアルバイト先でトラブルに見舞われたという話をいくつか聞きました。特に多かったのが、シフト表が提出通りになっていないとかシフトの強要でした。当時は1~2年生でまだ知識もさほどなく、うまく対応できなかったと思います。誰かと一緒に契約書を再度確認したり、インターネットで対処法やどこの機関に頼るべきなのか調べたりという対策を考えました。
 
志村
志村
私は、宗教の勧誘が家に来て対応してしまったことがありました。大学1年生で、コロナ禍真只中の時です。小一時間捉まりました。最終的に「今からちょっと来ませんか」と言われて、これはやばいと思ってドアを閉めたのですが、後に何度も訪問されました。具体的な対応策としては相手にしないことが一番で多少強引でも突き放すのがいいというのと、違和感を受けたらすぐ逃げなければと思いました。
 
矢間
矢間
宗教勧誘のリスクは、マインドコントロールの危険もあれば、知らない人が家に入ってくるという危険もあります。大学内でも、友人だと思っていた人から勧誘を受けて困ったという事例も聞きますので、そういった知識はやはり入学前から持っておいた方がいいですね。
 

リスク回避の対応策

矢間
矢間
特に1人暮らしを始めた学生は遭遇するリスクが多いと思います。対応策は、大学生活を送る中でどういうふうに獲得していったのでしょうか。
 
志村
志村
自分自身は宗教の勧誘を受けた時にドアを全開にしてなかったので、ちょっと相手が離れた瞬間にドアを閉めることができました。やはりまずは家に入れないことだと思います。
 
浦田
浦田
私の友人の場合、入学前に1人暮らしの注意点を学ぶ機会がありませんでした。事前に対策を講じるというのは難しく、友人や大学の先生、大学の相談窓口に自分が置かれている状況について相談すれば対応策を学ぶこともできると思います。私自身もその友人から話を聞いて客観的に見ることができたので、自分の経験を“伝える”ことは結構重要だと感じました。
 
矢間
矢間
1人暮らしを始めた時に、不審な勧誘をいきなり断れる人は少ないと思います。志村さんが半ドアにしておいたと言われましたが、警戒するための知識があるだけでも被害に遭うリスクは抑えられると思います。浦田さんから相談窓口の話もありましたが、大学に問い合わせ先があるのを日頃から知っておくと、いざという時に活用できますね。白石さんの友人の件では、大学入学後に初めてアルバイトをしようというとき、雇用契約書を100%理解できる人はあまりいないと思います。そうした場合、どうすれば良かったと思いますか。
 
白石
白石
私も含めてアルバイトを始めた時には当然契約書をもらいますが、重要なところだけ飛ばし読みして詳細は読んでいなかったというのが実際のところです。1、2年生の頃の話で、友人は1人暮らしで親も遠くにいるから頼る人もいなくて。たまたま契約書をきちんと保存していたので、大学のキャリアセンターに相談して一緒に対策を講じられました。
 
矢間
矢間
雇用条件契約書の押さえておきたいポイントは『50の危険』にも記載されています。大学の窓口に相談する際にも読んでおかれるといいと思います。
 

ライフステージの変化とリスク

病気・ケガ、自然災害

矢間
矢間
今回『50の危険』では、大学生活4年間のライフテージとリスクの変化にも言及しています。ここにいる皆さんは既卒であったり今春卒業であったりしますが、大学4年間を振り返り、留意すべき点があれば教えてください。
 
大学生活4年間のライフステージとリスクの例
 
浦田
浦田
私自身は大学生協の活動のほかにアルバイトや吹奏楽の部活に励んでいました。大学生ってやはりとても自由で、学業のほかにも様々なところに手を伸ばしつつ、自分の経験が広げられる楽しい時期だと思います。しかし、手を伸ばせばそれだけ人との関わりが増えます。その結果、リスクに巻き込まれる可能性は増えると言わざるを得ません。たくさんチャレンジをするのはいいことですが、リスクの可能性を踏まえた上で手を広げることです。

私自身は大学4年生の時にアルバイトがたくさん入ってしまい、卒業論文にしわ寄せが来て心に不調をきたしたという経験がありました。どこに頼ればいいのか分からなくて、自分で抱え込んでしまったのです。幸いにも自分が入っていた保険がこころの不調にも対応していたので、それを活用して受診することができました。備えが事前にできていたからこそ、結果として被ったリスクも最小限で抑えることができたと思います。

病気・ケガは特にいつ襲ってくるかもしれませんし、1人暮らしであれば家が災害に見舞われるようなリスクもあるかもしれません。自分が加入している保険をちゃんと把握しておくことが大事だと思います。
 

情報の取捨選択

白石
白石
今振り返ると、大学生活では高校生の頃と比べて格段に情報を得る機会が増えると実感しています。SNSを使ったり関わる人も増えたりして「知る」機会が増えているというのはすごく感じます。ただ、情報を得る上で大切なのは、全てを鵜呑みにしないよう心掛けることです。たくさんの情報がある中で取捨選択し、時には信用できる誰かに頼ってみるのも自分を守るための一つの手段かと想います。
 
矢間
矢間
最近、SNSでもフェイクニュースが非常に流行っていますし、情報の信憑性をしっかりと考えていくのは大事ですね。
 
志村
志村
今から1人暮らしされる方も自宅からそのまま通われる方も、大学生になると行動範囲が大きく広がってきます。楽しいことや興味をそそられることに挑戦したいという気持ちは分かりますが、その裏にはリスクが潜んでいることを改めて意識しなくてはなりません。今何が起こっていて今後何が起こりそうなのかは、様々な場所で分析されたり予想されたりしています。極力新鮮な情報を取り入れて、その情報が本当に信頼できるのか判断し選択するといいと思います。
 

保険と保障

矢間
矢間
浦田さんは、自分が備えとして入っている保険の保障内容を知ってほしいと言われました。大学生協はCO・OP学生総合共済を推奨していますが、実際どれぐらいの新入生の方が保障をちゃんと理解しているのでしょうか。皆さんは学生でありつつ制度自体を普及させていく側でもありますが、その視点からお話しください。
 
浦田
浦田
学生時代、実際に共済を担当していた肌感で言いますと、特に大学1年生の段階で自分が加入している保険や保障をきちんと把握している学生は少ないという印象があります。保護者の方に手続きしてもらうパターンが多いためだと思いますが、特に1人暮らしを始める人にとっては行動範囲が広がるにつれ自分自身で対処しなければならないことが生活の中で非常に増えてきます。

提案する側の立場で言いますと、私自身保障内容をしっかりと把握してほしいということは、やはり第一に伝えてきました。学生生活実態調査の結果を見ても、大学生協が共済事業をしていることを知ってはいるけれど、そもそも自分が加入しているか分からないという人が年々増えているので、そういうところも大きな問題として意識しなければならないと感じました。
 
矢間
矢間
リスクに備えるという意味では、自分がどういう保険に入っているのかを把握しておくことですね。また、無保険状態を避けるということも大事です。
 

『50の危険』に込めた制作側の想い

大学生の目線で

矢間
矢間
私としては『50の危険』を全ての新入生に読んでいただきたいと思います。また、大学生活4年間で向き合うリスクも変わってくると思いますので、今の大学生にも活用できるような本にしたいという想いでこの本を作りました。

浦田さんは非常に読者に寄り添った書き方をされているなという印象があり、やはり同じ大学生の目線で語られるからこそ伝わるものがあるのだと思いました。読者に伝える上で、工夫されたことはありましたか。
 
浦田
浦田
私自身の経験に基づいて執筆したことがやはり大きかったと思います。大学生活は楽しいことがたくさん、できることもたくさんあって幅が広がりますが、その反面、手を広げすぎて心の不調を抱え込むこともあります。

コロナ禍が明け、留学などに関してもハードルが下がって行動範囲が広がり、たくさんのことにチャレンジして知見を広げる機会が増えたと思いますが、やり過ぎてストレスになってしまうという部分も多々あります。同様なことは友人の話にも結構見られたので、私自身も含めてできるだけ最近の大学生の実情に合うように意識していました。
 
矢間
矢間
一般的なメンタルヘルスにおいては「今やっていることから距離を置きましょう」と指導されると思いますが、大学生って様々なコミュニティに属していろいろな活動に参加して、だからこそ全部に張り切ってしまって大変な状況になる。そうした実態を踏まえた対応策やアドバイスを書いていただいたのは、非常に読者の方にも参考になると思います。
 
浦田
浦田
執筆するにあたり、私自身も今の大学生の状況をしっかりと調べました。自分はすでに卒業していますが、その中で「これは大学生のうちに知っておけるとよかったな」と新しい気付きを得ることが非常に多かったです。『50の危険』はたくさんのリスクを効率よく学ぶことができるように意識して作成しました。
 

新しい学びの中で

矢間
矢間
最近の調査では、今やほとんどの大学生が生成系AIを利用していることが分かっています。私も2023年の3月まで大学院生でしたが、当時はちょうどAIが世に出た直後で、あまり使っている学生が周りにいませんでした。でも今の大学生にとってはもう当たり前のツールで、Google検索で調べるのと同じレベルなんですね。志村さんにはそういう観点も含めて今回生成系AIについてのコメントや記事の方向性についてもこだわっていただいたと思いますが、大学生の皆さんにどういった点を特に伝えたいと思われましたか。
 
志村
志村
従来の検索エンジンを使う時にはいろいろな記事の中から自分で選ぶという方式でしたが、生成AIはそのたくさん出てくる情報を全部集約して一つにまとめて最終的な結論を出すという形になっていると思います。自分自身は元々理系で、AIを使って参考文献や論文を引っ張り出してレポートを書くようなことはしていたのですが、自分が本当に得たい情報をしっかりと指示しないと必要な情報が出てこないという部分があります。

大学での学び方は高校までとは大きく変わります。これからAIを使った学び方が主流になってくると思いながらこの本の改訂の議論に参加させていただきました。誤情報・データの捏造・データの盗用に惑わされることのないよう、『50の危険』が改めてリテラシーを養うきっかけになればと思いつつ内容を検討しました。
 
矢間
矢間
『50の危険』は3年後にまた改訂が入るとすると、やはりAIもより進化していると思いますが、情報の真偽や出所を確認することは変わらないので、これから大学生になる皆さんも含めてしっかりこの本の中で学んでいただきたいと思います。
 

遭遇したリスクも糧に

矢間
矢間
白石さんには漫画のストーリーを担当していただきました。入学して友人と出会い、仲間になり、大学生活が進んでいくという流れが、非常に新入生の方には身近で共感できると思います。どんなことを意識しながら話を作り込んでいかれたのでしょうか。
 
白石
白石
“漫画の中でリスクをどれだけジブンゴトとして捉えてもらえるか”を軸にストーリーや描写を組み立て、どうしたら読み手の心を動かせるかを考えました。友人の話を参考にしたことが多かったのですが、ストーリーを考える際に、実はリスクに見舞われているのにそれをリスクと気付かないような瞬間を書くことが多かったと思います。

日常生活の中でリスクに該当すると思われることをなるべく洗い出して、こういう瞬間にリスクが発生して巻き込まれる可能性があるかもしれないと思うところを明確にできたらいいなという理想を掲げながらストーリーを検討しました。
 
矢間
矢間
登場人物にそれぞれリスクの場面を振りながら、実はそのリスクに遭遇したことが、その後の進路選択にも影響を及ぼしているところがポイントかなと思いました。リスクにしっかり向き合ったからこその成長であり、そこからの自己実現だというところも、ストーリーの中で重視されていたと思います。その辺のこだわりがあれば教えてください。
 
白石
白石
「どんな些細な経験も将来何かに役立つんじゃないかな」というのは、私が4年間の中で感じたことです。リスクもどこかで糧になっていると信じているので、この漫画の中でもリスクに遭ってしまったことが将来の選択肢の一つになる可能性があるということに触れられたら理想的だと思い、ストーリーに組み込ました。
 
矢間
矢間
白石さんは今春卒業されますが、4年間の中でどういう形でリスクリテラシーを高め、様々なことに自分で対処できるようになっていったのでしょうか。
 
白石
白石
大学1、2年生の頃はアルバイトし始めで、自分で稼いだお金を自由に使えるようになり、県外に旅行に行ったり、音楽のライブに行ったり。そうした時にたまたまその近くで大きな地震があり、これからも地震が予想されると分かったので何を準備すべきだろうと少しずつ情報を収集していました。

最初は何も調べずに無鉄砲に出かけて出先でトラブルに遭いそうになるという感じでしたが、だんだん学年が上がるにつれ、とにかく情報を出来るだけたくさん集め、取捨選択するようになりました。たまたま身近に防災を取り扱う教授がいらしたので、相談したり友人間で話したりしてリスクリテラシーを積み重ねていけたかと感じております。
 
矢間
矢間
情報収集する量が増えることによって選択肢も増えていきます。『50の危険』には参考文献や参照してほしいリンク先もたくさん入れていますので、まずはリスクやその対応方法をインプットいただくきっかけになるのではないかと思っています。
 

『50の危険』届けたい相手とメッセージ

矢間
矢間
ここにいらっしゃる3人は大学生として読み手でもありつつ、大学生協の活動を通じて提案していくという立場でもあります。そういった意味では、『50の危険』をどういう場面でどういう人に届けたいと思われますか。
 
浦田
浦田
この本は入学するタイミングで読んでいただいて、4年間の大学生活につなげていっていただきたいという想いで作成しました。新入生やその保護者の方にご覧いただければ嬉しいです。大学の書籍部・全国の書店で見かけたら、ぜひ手に取っていただきたいと思います。
 
志村
志村
私も新入生とその保護者の方に手に取っていただきたいと思います。特に大学生協がある大学では入学準備説明会を開催するところが多いと思うので、その中で話される大学生の実際の生活を参考にお読みいただければと思います。本書は大学生活におけるリスクを網羅していますので、大学生もこの本を読んで改めて意識し学び直すために活用してほしいと思います。
 
白石
白石
この本をリスクに遭遇してしまった時の百科事典の代わりにしてほしいという気持ちもありますし、遭遇しなくてもこの本を読むゆとりのある時間に、多くの人が生活リスクについて考える機会になればいいなと思います。「こういうリスクがあるんだな」「自分だったらどうしようかな」と考えることが増えていただけたら嬉しいです。
 
矢間
矢間
大学生って、保護者の方が学生だった頃と大きく変化しています。本書を読むことでそれをアップデートいただければと思いますし、お子さんが大学生活を始めるにあたって応援の冊子として渡すという活用方法もあります。ぜひ保護者の方、新入生の方、そして在学生の皆さんにもお届けしたいと思います。また大学関係者の方にも、学生支援窓口などに置いていただけると有難いです。

最後に、この記事の読者である大学生の方、そして新入生の方に皆さんからエールも含めてメッセージをお願いします。
 
浦田
浦田
この座談会の中では、大学生活にはリスクが伴うということをたくさんお話ししました。それは、リスクが伴うからこそ事前に把握してほしいということであって、そのためにチャレンジをしてほしくないというわけでは決してありません。大学に入学する方には、大学生活で起こりうるリスクの対応策を把握し、その上でたくさんのことに挑戦してほしいと思います。
 
志村
志村
大学生って本当にいろいろなことができるようになります。18歳で成年年齢になりますので、たくさんのことに挑戦できます。新入生の皆さんも大学生の皆さんも、そこに潜むリスクを恐れて行動しないというよりは、リスクの内容を把握し対処の仕方を理解した上で充実した大学生活を送ってほしいと思います。
 
白石
白石
自由になるお金も時間も増え、新しい場所に行ったり新しいことにチャレンジしたりできるのは、大学生ならではの楽しいワクワクポイントですよね。でも、その挑戦がリスクに見舞われて楽しさが半減してしまうというのは喜ばしいことではありません。この『50の危険』を参考にリスクに備えておくことでリスクに遭遇した時にも対処方法を見出せ、大学生活の楽しさを追求できると思います。ぜひ日頃から少しずつ意識していただけると嬉しいです。
 
矢間
矢間
最後に私からも一言。『50の危険』は、大学生の皆さんを応援したいという気持ちで、全国大学生協連の学生の皆さんと三菱総合研究所が中心になって作りました。学生の皆さんにはリスクを頭に入れておいて、大きな被害が出る前に未然に防ぐということによって、大学生活をより充実したものにしていただきたいと願います。本書は2026年2月より全国の大学生協書籍部、全国の書店で販売されますので、ぜひお手に取っていただき、4年間お手元に保管して時々見返してご活用いただければ幸いです。

本日の座談会は以上とさせていただきます。お集まりいただきありがとうございました。
 
(2026年1月7日 大学生協杉並会館にて)
 

書籍概要

2026年度発行「大学生が狙われる50の危険」
2026年度発行
「大学生が狙われる50の危険」

紙書籍はこちらから
書 名 「まさか!に備える最新安全ガイド 大学生が狙われる50の危険」
著作者 株式会社三菱総合研究所
全国大学生活協同組合連合会
日本コープ共済生活協同組合連合会
奈良由美子(放送大学教授・リスクマネジメント学)
マンガ 緒方京子
発 行 青春出版社
体 裁 A5判 本文スミ一色 総192ページ
定 価 1,210円(税込)
発売日 2026年2月4日
ISBNコード 9784413114226
 

内 容

《第1章》 新入生は特に注意!大学生が狙われるいまどきの危険
01.新入生勧誘にひそむ”わな”――怪しいクラブやサークルに注意しよう
02.飲酒・アルコール中毒――成人しても、お酒は20歳から
03.SNSと炎上――仲間内だけでの盛り上がりは、もう通じない
04.闇バイト、ブラックバイト――不安や危険を感じたら、まず相談を!
05.多発する自然災害――リスクの高い日本で暮らす心得とは
06.自転車や電動キックボードの事故――重い賠償責任を負ったり、大きな被害を受けたりしないために
 
《第2章》 そのワンクリックで被害続出!スマホ・ネットにひそむ落とし穴
07.ネット上のプライバシー――個人の特定は現実(リアル)よりも簡単
08.データの盗用、ねつ造――”知らなかった”ではすまされない
09.ストーカー――被害に遭わないためにあなたができること
10.ネット詐欺――巧妙な誘い文句にダマされてはいけない
11.フィッシング/マルウェア――大学や銀行、通販サイトなどをかたる悪質メールに注意!
12.アカウント乗っ取りとなりすまし――パスワード管理の必須ポイント
13.不正ダウンロード――ダウンロードするだけで罪に問われる
14.ネットゲーム/スマホゲーム――驚きの請求額になるメカニズム
15.危険なアプリ――便利でも安易に使用すると、取り返しのつかないことに
16.ネット依存と情報の偏り――ハマり過ぎる理由と「やめられない」を防ぐコツ
17.フェイクニュース/偽情報・誤情報――その情報、信じても大丈夫!?
コラム1.大学生活と生成AI利用について
 
《第3章》 悪質な人を寄せつけない!心のスキを狙ってくるさまざまな手口
18.契約トラブル――「自分は大丈夫」と思ってはいけない
コラム2.知っておきたいクーリング・オフのやり方
19.訪問販売――ペースに乗せられる前に、きっぱり断る勇気を
20.送り付け商法――”とりあえず”受け取ってしまうと、カモにされる
21.架空請求――「払わなければならない」と思われるやり口
22.マルチ商法――簡単にお金を儲けられる話はない!
23.空き巣――オートロックのマンションだからと安心していたら…
24.カルト、マインドコントロール――正体を隠して心の隙間に入ってくる時に気づけるか
 
《第4章》 学生生活は心配事もいっぱい!日常に隠れたトラブルの芽
25.病気・ケガ――からだ・こころの不調と、スポーツでの事故に要注意!
26.感染症――ちょっとした習慣で感染は防げる
27.食生活の乱れ――充実した大学生活は心身の健康から
28.キャンパス・ハラスメント――セクハラ・パワハラ・アカハラには声を上げよう
29.こころの不調――我慢せず、声に出してみよう
30.ひきこもり――就活がきっかけのひきこもりが増えている
31.自殺――一日一人以上の大学生が命を絶っている原因
32.妊娠・性のトラブル――相手を思いやれる人であるために
33.ドラッグ――その興味本位が、一生を台無しにする
コラム3.大学生活とリスクの実態
 
《第5章》 起こってからでは遅すぎる!自然災害や事故…大学生が陥りやすい事態
34.大雨・台風・竜巻――自ら判断し、身を守ろう
35.普段の備えと心構えが命を救う――地震・津波
36.防災情報を使いこなす――スマホでここまで安全を確保できる
37.火事・一酸化炭素中毒――万が一、火災に遭っても命を守るために
38.災害時のボランティア――大学生は貴重な戦力!だけど事前の確認と準備が必須
39.外出での事故・災害――危険を避けるためにこころがけておきたいこと
40.交通事故――スマホ使用中の事故が急増している
 
《第6章》 リスクを避けるだけではいけない!大学生として自覚したい立場と責任
41.迷惑行為――”これくらい大丈夫”が招く大きなトラブル
42.金銭トラブル――お金がからむことで友情にもヒビが
43.奨学金にひそむリスク――将来返せなければ、自己破産することも…
44.ルールって何?――大学生だからという甘えは通用しない
45.海外旅行・留学――日本人は狙われやすい!
46.就職活動・生涯設計――就活成功の鍵は早めの準備、長期的な視点でキャリア形成を
47.多様性を受け入れよう――さまざまな違いを尊重しよう
48.大学生活でのリスクマップ――リスクを自分で評価し、備えられるようにしよう
49.リスクって何?――ゼロリスクはありえない。リスクと上手に付き合おう
50.自分でリスクを管理――「自分ごと」の意識を身に付けよう
 
【巻末付録】 最新データで見る大学生のリスク(困りごと)
データ1.大学生が気をつけておきたい心と身体の病気やケガ、賠償事故
データ2.大学生が気をつけておきたい生活上のトラブル