ミッション系の女子高である聖母女子高等学院にある、文学サークル。会長の白石いつみと副会長の澄川小百合を中心に、平和に活動が行われていた。
「白石いつみが死んだ」、その時までは。
年に1度行われる定例会では、闇鍋をしながら自作小説を朗読する。この年も、何事もないように開かれたように見えた。しかし、「白石いつみの死」をテーマに語られる各人の小説は、不穏な方向に進んでいく。矛盾しながら絡み合う、それぞれの小説。何が本当で、何が嘘なのか。白石いつみの死の真相は明かされるのか。
清水富美加出家騒動の直後に映画が放送された話題の作品。ハテナの連続の展開で、一度読み始めると、一刻も目を離せません。
朗読会は、ほのかな明かりをつけたのみの部屋で行われる。相手の声は聞こえるが、その姿は見えない。あなたも、小さい明かりだけをつけて、奇妙な朗読会に参加してみませんか。
東京学芸大学
川合 沙奈