この本はフィクションの政治小説です。
主人公、加納慎策は劇団に所属する売れない舞台俳優でした。普段は総理大臣と顔や声が似ていたため舞台の前座として総理のモノマネをしていたくらいで劇の本編には出演していませんでした。総理がある病気に罹ってしまい公務ができなくなり、政権が発足して間もないため政治的空白を作るわけにはいかないと考えた官房長官が慎策を誘拐させ、総理の替え玉をしてくれないかと依頼します。政治は素人で選挙にも行かない慎策であったが官房長官に良い報酬を提示され、引き受けることになる。
国会議員を、官僚を、さらに国民までを騙しながらも、慎策がいかにして様々な局面を乗り越えていくのか……いつ替え玉と気付かれてしまうのか……ハラハラしながら読んでいました。
この本を読みながら少しではありますが政治や経済に触れられるのも良かったと思います!
自分は政治とか経済とかあまり詳しくはありませんが、この本を読んでもっと知ってみたいと思えました。
フィクションではありますが、現実世界の出来事とリンクする部分もあって読み入ってしまいます!
本の解説にて池上彰さんが「あなたが突然総理大臣になったら、そんなシミュレーションです。」とおっしゃっています。
みなさんも、自分が総理ならこうするのに、主人公と同じかもなーなどと思いを馳せながらぜひ読んでみてください!
あまり普段本を読まない私でも1日くらいでサクサク読めましたので「普段は読まないけど……」って方に特にオススメです!
福井大学大学院 新納 圭亮