2023.10.16 更新
大学生協連
23全国学生委員会
杉山直輝
みなさんは「戦争」や「人生の最後」というものを身近に感じたことはありますか?
私は「きけ わだつみのこえ」を読み、今まで感じたことのない感情になり、私自身の生き方や考え方を見つめ直す機会になりました。
「きけ、わだつみのこえ」を手に取った瞬間から、私はこの書籍の中に封じ込められた数々の声に引き込まれました。まるで時を越えた風が吹いてくるような、その生々しい言葉たちは、私の心の中に深く突き刺さりました。この書籍は、第二次世界大戦中の学生兵たちの遺書や手紙を集めたものですが、それぞれの言葉からは、彼らの恐怖、絶望、そして希望や愛情が伝わってきます。一人一人の手紙は、時に痛切で、時に感動的です。私は何度も涙を流しながらページをめくりました。特に印象的だったのは、ある学生が兄へ宛てた手紙では、彼の将来の夢や希望、そして戦争の現実とのギャップに苦しんでいる様子が赤裸々に綴られていました。その手紙を読むと、彼がどれだけの夢を抱き、どれだけの希望を失ったのかを痛感しました。
「きけ、わだつみのこえ」は、ただの歴史書や記録ではなく、生きた証、そして過去からのメッセージとして私たちに伝わってきます。これらの具体的なエピソードを通して、私たちに戦争の恐ろしさや人間の強さ、そして愛の深さを教えてくれます。この本を読んで、私は日常の些細なことに感謝するようになり、そして平和の価値を再認識しました。私にとって「きけ、わだつみのこえ」は、ただの一冊の書籍ではなく、一生忘れられない体験となりました。
一人の人間として、そして未来を担う者として、この学生兵たちの声に耳を傾け、その教えを胸に生きていきたいと強く感じました。