2014 アメリカ大学食堂視察 報告書

2014 アメリカ大学食堂視察 報告書発行にあたって

2015 年 5 月
キャンパスフード事業委員会 委員長
大学生協北海道事業連合 専務理事 佐藤 敦紀

2014 年 11 月、全国大学生協連キャンパスフード事業委員会によりアメリカの大学のフードサービスを視察する機会が10 数年振りに企画されました。全国から 10名が参加し、比較的規模の大きい5つの大学を視察することが出来ました。

事業基盤の実態を調査し、留学生に対するメニューやアレルギー対策を講じながらどのような業態で事業を行っているか身を持って食事をする事で体験もし、フ ードサービスを提供する側として現地の大学職員から話を聞く事で、今後の大学生協のフードサービスの方向性を考える上で様々な学びがありました。ここに今後の事業の発展に資する為に報告書としてまとめます。是非お目通しいただき私たちが見て・聞いて・食べて・調べて感じた事を少しでも追体験いただければ幸いです。また次年度以降視察を計画する上で検討すべき点についてもまとめております。

私たちが見た食堂は、様々な食のバリエーションが毎日遅くまで楽しめるビュッフェ形式のフードコートが主流でした。明るくきれいな施設にコーナー毎にシェフが腕をふるい Kosher や Haral といった宗教食や、 Vegetarian や Vegan といった菜食主義、GlutenFree のアレルギーにも対応した食を提供しており大学生は非常に豊かな食生活を送っているように見えました。その事業基盤は大学直営で一体の事業としてハウジング(寮)とミールプランを中心としたダイニングの運営であり、現在も「飛躍的」に事業規模を拡大させています。まだまだ日本では、フードサービス事業が大学のミッションと直結しているとの認識は一般的ではありません。人は自分が食べたもので出来ているのは当たり前の事ですが、その内容、喫食する環境について大学としてどう価値を発揮するのか、その事に対して大学生協はどう提案・協力し貢献出来るのかが問われています。また、今後日本の大学でもハウジング(大学寮)事業とフードサービス事業を一体的に展開する大学が出てくる可能性が高いと思われます。大学生協には運営を任せたいというノウハウがあるでしょうか。検討が必要に思われます。

現在のキャンパスフード事業では、ミールプランの発展方向を検討しながら今後どのように事業規模を拡大させて組合員と大学に貢献するかが問われています。業態や施設づくりの研究を進めながら、学生が安心して喫食できる環境をどう維持・発展させていくか様々な課題が見えてきた視察となりました。

90 年代に持ち帰ったミールプランの様に直ぐにでも模倣して事業展開が出来る宝石の様なおみやげはありません。今後ひとつひとつ検討を加えていきながらキ ャンパスフード事業を刷新していくきっかけとしたいと思います。

 


<視察メンバー>

団長 野尻 郁智(福井大生協 専務理事)

佐藤 敦紀(北海道事業連合 専務理事)  
村井 康信(東北事業連合 店舗支援部部長)  
行実 利幸(東京事業連合 第2事業部食堂次長)  
堀井 美顕(東京事業連合 事業推進部部長)  
若林 秀之(東京事業連合 会員支援部次長)  
西尾 浩二(東海事業連合 商品1部部長)  
木下 高志(京阪神北陸統合事業部 FS事業部副部長)  
中島 達弥(京大生協 常務理事)  
大野 泰広(九州事業連合 食生活Gリーダー)  
須田 正樹(大学生協連 連帯推進部)

現地アテンド FAUSTINO HERNANDEZ (U-com.inc 副社長)

<訪問大学窓口担当>

UCサンタクルーズ校 Mr. Peter Curry
スタンフォード大学 . Clarissa Flores
ミシガン州立大学 .Matt Mckune & Mr.Bruce
ボストン大学 Joseph Cacciatore
マサチューセッツ大学アマースト校  Mr.Garett Distefano & Mr.Chris Newman