日本と韓国の学生交流
日本の大学生協連と韓国の大学生協連は、2002年より「日韓交流セミナー」を開催し、学生どうしが、歴史や文化等について交流する機会を設けてきました。コロナ禍となってしまったため、2021年はオンライン交流を実施。2022年は残念ながら交流の機会を持つことができませんでした。今回対面での交流を再開させていくことを目標に、日本から小規模のメンバーで、韓国を訪問しました。
事前学習
韓国訪問
キョンヒ大学校の食堂・購買(書籍)を見学しました。キョンヒ大学校は韓国国内でも大きな学校で、35,000人が在籍しています。
キョンヒ大学校生協学生委員会キューピッドの活動紹介もしていただきました。店舗を利用した組合員向けの企画がたくさん実施されていました。
食堂の様子。とても広かったです
書籍の様子。教科書を中心にたくさんの本が置かれていました
写真内の機械で食券を購入します
キンパが作られていました。
キョンヒ大学校のオリジナルグッズです
大学生協が運営しているカフェの様子です
コンロが置かれていました。ラーメンなど作れるらしいです。
図書館の入り口の様子です
韓国大学生協連の学生と交流しました。韓国大学生協の成り立ちから現在の様子などを聞くことができました。
温かい歓迎を受けました
韓国の大学生協の歴史の説明を受けました
交流の様子です
現在韓国には35の大学生協があり、14万人の組合員がいます。韓国の大学生協では組合員加入率がまだ低く、大きな課題の1つだといわれていました。「協同・福祉・共生」を3つのコアバリューとして掲げています。全体的に見ると日本の大学生協と似ているなという印象を受けました。
日本語の翻訳機を借りて館内を回りました。日本による韓国併合の中での植民地時代の資料や、現代にまで至る韓国の歴史や文化を学ぶことができました。
資料展示はもちろん、シアターでの映像の上映などを通して視覚的に説明されている様子が印象に残りました。
大韓民国歴史博物館の様子
大韓民国歴史博物館の詳細はこちらをご覧ください。
崇実大学校では食堂での昼食、食堂や購買の見学、韓国大学生協連の学生との交流を行いました。様々な食堂がありましたが、価格帯別に3つに分かれていたことが印象に残っています。
中価格帯の食堂で提供されていたメニューです。
それぞれカレーとビビンバです。ビビンバはご飯や具材が盛り放題でした。どちらも約6000ウォンでした。
食堂の様子です。日本と似ていますね。
この食堂も食券制でカウンターで料理を受け取っていました
ショップのカップ麺コーナーです
カップ麺がたくさん置かれていました。
ショップでは1,000ウォンでキンパを売る企画を行い、大人気で完売したそうです。
別の食堂の様子です
また別の食堂のメニューです
注文時に発行される番号で呼ばれます。フードコートみたいですね
またしても別食堂のメニューの様子です。ちょっとお高め
昼食の様子
食堂で食事されている組合員の様子
みんなでパフェを食べました
交流の様子です
無人店舗の様子。左のリーダーにカードをかざして入れます
2日目の交流では、韓国の学生事務局・学生委員会についての紹介などが行われました。日本からはコロナ禍における大学生協の動きや、大学生協REPORTを活用して日本の大学生協が行っている事業や2030Goalsについて紹介しました。
韓国の全国学生委員会は各大学の学生委員長からなり、月1の定例ミーティングを通して共同プロジェクトの推進などを行っています。SNSを活用した企画が多いことが印象に残っています。
韓国大学生協の課題として、購買がほかの一般のコンビニエンスストアとの協業となっており、組合員の健康安全を考えることや、意見を反映させることが難しいことが課題であることをおっしゃっていました。日本での取り組みも紹介しながら、より相互的に連携したいという話をすることもできました。
たくさん話した後は、メンバーみんなで漢江へピクニックに行きました。漢江はピクニックがとても盛んで、当日も多くの人がいました。ピクニックグッズなどは借りることができ、老若男女問わず楽しめるイベントとして親しまれています。
ちなみにこの後は間髪を置かずサムギョプサルを食べに行きました。とてもお腹一杯になりました。
朝鮮王国の王朝として実際に利用されていたが秀吉の朝鮮出兵によって焼失。その後再建されるも韓国併合に付随して多くの箇所が破却されました。現在も復旧工事が進んでいます。
残っている多くは国宝に指定されており、ソウルの人気観光スポットの1つになっています。
日本語ガイドの方の説明を受けながら、朝鮮王宮の当時の様子なども丁寧に聞くことができました。
加藤 有希
全国学生委員
キョンヒ大学生協に訪問した際、あまりの規模の大きさに驚きました、しかしそれと同じく大学生協の先進的なシステムを見て驚きました。決済は基本的に電子になっており、店舗や食堂の運営に携わる人は限られていました。その中でも学生がカフェテリアスペースで話し合い、課題を行っている光景がみられました。新学期には教科書を置いているスペースを日本で言う通常期では机と椅子を設置し学生が話し合うスペースをたくさん設けようとしていました。学生が集い、活発に勉学などに励むことを韓国という日本とは離れた土地でも推進している様子がみうけられました。
韓国の学生にもコロナ禍の状況を聞いたところ、孤独な受験期だったと語っていました。
そこに関しては日本の学生も同様だったと思います。感染症による制限が緩和された今、お互いにコミュニティをつくろうとする工夫などを交流し合い、お互いにお互いの工夫を学び合い、励まし合うこともできるような交流が今後作られるとよいと思いました。
韓国の大学生協では大学生協店舗を見学しましたが、本来日本の大学生協は学内の構成員である組合員の福利厚生を良くすることがなにより期待されており、協同によってそれを実現し、その大切さを社会に広める存在としても期待されております。2024年度全国の大学生協の活動方針①でも組合員が参加し協同することを推進しています。その実現のためには私たちが積極的に組合員とつながりあい、組合員が協同ってすてきだ!大学生協っていいね!を増やしていく必要があります。今こそ、韓国の大学生協でも見られたように、学内の組合員が参加できるようなコミュニティを作り出すことが大切です。
2024年度全国の大学生協の活動方針にもあるように、組合員との対話を大切にし、つながりを拡げ、組合員と何かを成し遂げるという体験をふやしていきましょう!
平間 滉基
全国学生委員
韓国への出張は、韓国の歴史を学びながら、韓国の学生との親しさを感じられる訪問になりました。日本と韓国の大学生協は、設立の経緯や想いも似ており、学生の様子も日本ととても近しいと感じました。韓国の学生とは翻訳機と拙い英語での交流でしたが、学生同士ノリが合うかのようにすぐに親しくなることが出来ました。お酒を入れながら、流行のアニメや日常の話をすれば、もう国の違いは微々たるものでした。
韓国大学生協では、食堂やショップが学内に点在し、カード決済やスマートフォンでの注文など、とてもデジタル化が進んでいました。また、無人営業の時間を作りの24時間営業するショップや、セルフサービスの食堂など、学生の自主裁量に任せながら便利で効率的なお店つくりをしていました。
昨今、日本の大学ではスマートキャンバスなどで、大学をより便利にしようとする動きがみられます。そうした動きに大学生協が対応する足掛かりとして、学内設備のデジタル化が進み、教授や職員がデザインからキャンパスをつくる韓国の大学生協の事例は参考になりそうだと感じました。
一方で韓国の大学生協では、メンバーの無関心と大学の商業化が課題として挙げられていました。こうした課題も日本で似たような事例を聞きます。しかしながら日本の大学生協は、幅広い連帯による伝統の学習によって、大学生協に関わるメンバーが大学生協に関心を持てるサイクルを形成しています。連帯による学生同士の学習構造によって関心を継続させることは日本の大学生協の強みであると言えるでしょう。
最後に、韓国の訪問を通して、時代に対応しながら発展を続けていく気概のようなものを感じました。過去に固執するのでなく、現代以降の発展も過去にする勢いです。このような適応力、取り込み発展させていく力は、一定の飽和が見える現代において、パイオニアとしての力以上に我々が考えなければいけないもののように思います。グローバル化が言われてから早数年、国際交流は思いもよらないところから発見を与えてくれます。これからも継続的に国際交流を行っていきたいと思える訪問でした。こうした機会をいただけたことをありがたく思います。
梅田 叶夢
全国学生委員
今回の訪問を通して、日本以外の大学生協に目を向けるとてもいい機会となりました。日本では当たり前の生活が韓国ではそうではなかったり、また逆もしかりで…。自らの知見を拡げることができ、大変有意義な時間でした。
韓国生協の様子や文化を知ることができました。韓国はキャッシュレス決済が日本よりも普及しており、無人店舗や事前決済などキャンパスのスマート化が進んでいました。私たちが昼食を頂いた崇実大学校では、ビビンバの配膳をセルフで行うことができました。また、慶熙大学校では、コンロが置かれており学生自身に調理をしてもらうメニューの提供がありました。全体を通して組合員の「自由」や「自主性」が大切にされていた印象を受けました。
様々な食事をいただき、その辛さや日本ではあまり触れない味つけに舌鼓をうちつつ、学生といろいろな話をすることができました。韓国の学生は日本のアニメや漫画、アーティストについてたくさん知っており、日本在住でありながらその知名度の高さに改めて驚かされました。国は違えど歳が近いということもあり、共通の話題で盛り上がりました。
韓国は組合員同士が「協同する」という意識は決して高くないらしいです。大学内にいる人数における組合員の割合は決して高くなく、生協というコミュニティはまだ十分な伸びしろがあると感じました。しかし、それは日本にも当てはまることかもしれません。大学生協を組合員に最大限に活用してもらうために私たちはまだできることがあると思います。日本が今までの歴史の中で培ってきた大学生協のアイデンティティを大切にするとともに、韓国の新進気鋭の技術やシステムをプラスしていくことで、「よりよい大学生協」がつくれていくのではないかと思いました。今後とも積極的にかかわりあい、学びあい高めあっていくことでそれぞれの国での「よりよい」を追求しあえたらと思います。今回生まれた「国を越えたつながり」をこれからも大切にし続けていきたいです。
韓国の皆さんからピクニックで楽しんだゲームをもらいました。また学生常勤で遊びます。