各政党・国会議員に聞いてみた!
奨学金制度に関する考えと行動

日本共産党 衆議院 大平 喜信 先生

①政府案も含め奨学金制度の関する問題についてご意見をお聞かせください
日本の高等教育は、極めて高い学費の下で、これまで貸与制・ローン型の奨学金制度しかなく、学生や保護者に大きな負担を押し付けることになっています。しかも重大なのは、その大部分が有利子奨学金であるということです。格差と貧困、雇用不安が広がる中で、借りたお金だけでなく、利子や延滞金の返済に苦しむ若者が増え、また、その不安から奨学金の受給や進学を諦める学生なども多くいます。過剰な取り立ても社会問題となっています。こうした問題は、今回の政府案では解決されません。

政府案の給付型奨学金制度は、支給対象を住民税非課税世帯に限定していますが、経済的理由で進学を諦める人は非課税世帯だけではありません。しかも、非課税世帯は約16万人いるにもかかわらず、支給人数はわずか2万人です。これは全学生の2.5%にすぎず、まったく不十分です。

また、国立大学生は、授業料免除を受けるという理由で給付額が減額され、あるいは給付されないこととなっており、問題です。さらに、成績次第では返還も求めるというもので、給付の名に反するものだと思います。

②項目①でお答えいただいたことに関する貴党・会派、また貴殿の今後の行動予定等をお聞かせください。
日本共産党はこれまで、教育費負担に苦しむ学生や保護者とともに、学費引き下げと給付奨学金の創設を繰り返し求めてきました。昨年には、学費を10年間で半額にすること、月3万の給付奨学金を70万人に給付するという政策を出しました。

今回の政府案に対しても、○有利子奨学金はなくしてすべて無利子へと転換し、受給要件を緩和する○給付奨学金の受給要件を経済的理由だけにし、返還は求めない○保証人、延滞金、一括請求はやめるなどを柱とする修正案を出しました。

これからも引き続き、学生や保護者のみなさんと力を合わせ、教育の無償化、真の給付奨学金の創設に向けて頑張ります。

③私たちのアピール文やアンケート感想、全国の大学生へのメッセージがおありでしたらお聞かせください。
学生の負担軽減と大学での学びを充実させるみなさんの取り組みに、心から敬意を表します。1年前までは否定的だった政府が今回、給付型奨学金の導入に至ったのは、みなさんをはじめとする多くの学生の声と運動があったからこそです。学生が経済的に苦しむことなく大学での学びに取り組み、将来に希望をもって過ごすことのできる社会の実現のためにも、さらなるみなさんの取り組みに期待しています。

ともにがんばりましょう。