環境

学生委員会がキャンパスで取り組む環境活動

大学生協では、持続可能な社会の実現を目指して環境活動を行っています。 ここでは学生委員会が実際に取り組んでいる二つの活動事例をご紹介します。 学内で始めた小さなとりくみですが、継続して行うことにより、キャンパスに活動が根付きました。

福井大学生協

回収箱横のコルクボードに、前回の回収結果を表示

牛乳パックの回収活動  

福井大学生協学生委員会SoSen部はさまざまな環境活動を行っています。例えば、組合員とともに構内を巡りながら掃除をするキャンパス清掃や、印刷の失敗などで出た紙を裏紙として再使用したり、読み終わった雑誌や再生資源である紙パックを回収したりする活動などです。

以前、紙パック回収は生協食堂の一角を借りて行っていました。組合員に呼びかけ、紙パックを自宅で洗って切り開いたものを持ってきてもらうと、昼休みに食堂に設置したブースで学生委員が回収し、業者に委託します。しかし、2012年の6月末から2013年の7月まで、1年あまりにわたって食堂の改装工事が行われたため、それまでのスペースが使えなくなり、別の場所に回収箱の設置だけをすることになりました。その期間は十分な情報宣伝を行えず、利用者に紙パック回収活動の存在自体が希薄になってしまいました。その結果、今まで習慣的に持ってきてくれていた利用者も足が遠のいたためか、食堂再開と同時に再び開始した紙パック回収は、全くといっていいほど集まりませんでした。

学生委員会のメンバーは、今まで回収に参加してくれた人にもう一度継続的な参加を願う想いと、紙パックが大切な再生資源であるということから、活動をより活発にしようと奮起しました。

具体的に行った改善方法は、回収頻度を隔週から一週間に一回に増やすことによって組合員の認知度を上げたことと、午前から食堂内に回収箱を設置することで時間内に持ってこられない利用者がより活用しやすい環境を作ったことです。また、組合員に参加の実感を持ってもらうためにコルクボードに前回の回収結果を表示したり、Twitterによる情報宣伝、新入生への活動説明をしたことが大きな効果を生みました。

最初は思うように結果が出ず思い悩むこともありましたが、根気よく活動を続けた成果が出て、現在も定期的に持ってきてくれる学生が増え続けています。  まだ改修工事以前に協力してくれた人の利用に届かないので、再度紙パック回収に参加してくれる組合員が増えるように工夫を巡らして、広報にも力を入れていきます。

甲南女子大学生協

“見える結果”で、とりくみの意欲がわきます

3カ月で 3730個集めた エコキャップ運動  

甲南女子大学生協には環境活動というもの自体あまりなく、学生委員会ではせっかく綺麗な緑に囲まれたキャンパスなのにと残念に思っていました。そこで、組合員に環境活動を少しでも身近に感じてほしいという想いから、エコキャップ運動を始めました。

ペットボトルのキャップを1㎏(430個)燃やさずに回収することによって、約3㎏のCO2を削減することができます。また、1㎏(430個)回収すると、10円分のワクチンを発展途上国へ送れます。環境活動だけでなく、国際活動にもつながるところが、この活動のいいところです。

実際の回収活動はペットボトルのドリンクが多く消費される7〜9月の3カ月間に実施しました。メンバーは、せっかく回収活動を行うのだからエコでいこうと考え、2Lのペットボトルをつなげてオリジナル回収BOXを作り、生協食堂や店舗付近など3カ所のゴミ箱の近くに設置しました。また、学生委員会内で環境活動についての勉強会も行い、学生委員全体の環境活動への意識を高めました。

私たちの環境活動の第一歩です!

しかし、活動を始めてから約1カ月間は、あまりキャップが集まりませんでした。そこでメンバーは、設置の方法や、広報を見直しました。同じ時期に行っていた環境アンケートを配布する際に、リサイクルの呼びかけやポスターだけでなく、回収BOXにも分別を促すメッセージを付け加えました。その結果、9月までの約3カ月間で3730個のキャップを回収することができました。

初めて行った企画にもかかわらず多くの学生の参加を得られ、主催した学生委員会には大変満足できる結果となりました。今回は設置場所が少なかったので、今後は大学と協力して設置場所を増やし、もっと広報を行って、組合員に身近なリサイクル運動として活動を継続していきたいと考えています。 (編集部)

『環境アーカイブ2014』を発行しました!

環境アーカイブ2014

全国大学生協連学生委員会は、4月21日に『環境アーカイブ2014』を発行しました。これは、毎年全国の大学生協が取り組む「環境活動の概要やポイント、実践事例などを集めた活動を始めるきっかけ、ヒントになる事例集」です。

内容としては、第1部は「大学生協や環境問題の基調」として、「大学生協が環境に取り組む意義」など理念的な部分とともに、NPO法人「JUON(樹恩)NETWORK」も紹介しています。

第2部は「大学生協が取り組んでいる環境活動」を、店舗・食堂とキャンパス・地域社会の二つの活動フィールドごとに紹介しています。例えば、店舗・食堂では、「樹恩割り箸普及活動と回収活動」「リリパック」「ホッかる」「レジ袋削減」「エコキャップ」「エコ文具」「地産地消の取り組み」、キャンパス・地域社会では、「リユース市、古本市」「クリーンキャンパス」「エコキャンドル」「森林の楽校」、とテーマ別に分けて、それぞれの項目ごとに、仕組みや取り組み方を示して、今まで行なっていなかった生協でも新たに取り組むための参考になる内容になっています。

第3部は「全国の大学生協の活動実践例」を、北海道から九州まで九つのブロックごとに、各大学生協の取り組みを掲載しています。  環境活動のイロハが詰まった事例集であり、これから活動したい人必見のアーカイブです。

環境アーカイブ2014

『Campus Life vol.43』より転載