全国教職員委員会

食と安全プロジェクト 活動報告

全国教職員委員会 北見 宏介(名城大学法学部)

 三菱総研と全国大学生協連による『大学生が狙われる50の危険』で扱われているとおり、大学生の生活には様々な危険が存在しています。全国教職員委員会の「食と安全」プロジェクトでは、大学生・大学院生の大学生活における安全と、教職員の関わりのありようについて取り組んでいます。

 対象となる事項・分野は多くありますが、近時の中心は「食」です。「食と安全」ということで、「健康な食生活」に取り組んでいるのはもちろんですが、こうした自然科学的な観点だけでなく、人文社会科学の見方での広い意味での安全(ハラールなど)も対象としています。また、食について考えることは、健康面での安全に関する知識を蓄えるだけでなく、地元の食材や食文化への理解を深め、地域の食をめぐる産業や経済のあり方を知ることでもあり、ここにもプロジェクトでは関心を向けています。

 2018年の教職員セミナーでは、大学での食堂の実態調査からみた大学生の食生活の分析と学生食堂の課題の検証のほか、地域の食材に注目した事業連合の取り組み(味噌蔵見学・収穫体験)や、伝統食材(島野菜)を活用した教員と生協食堂の合作のメニューによる健康と食材認知への寄与、学生が自ら調理することを通じた食に関する知識向上の可能性といった、生協の活動と栄養科学・健康科学の知見をマッチングさせた分科会を開催しました。引き続き、教職員のネットワークを生かしつつ、共済や各種事業による、大学生活を通じた食育、さらにはリスクリテラシー教育の可能性を模索検討しています。

 2020年の教職員セミナーでは、「食と安全」を直接取り扱う分科会の開催はありませんが、参加者の皆さんが、まさに「食」をともにする懇親会の場で、「食と安全」への意識を高めることができるようなミニ企画を用意する予定となっています。

全国教職員セミナーの分科会で報告された琉球大学生協の取り組み


教員,学生と生協職員によるメニュー開発


島ヤサイフェアーのメニュー