全国大学生協連

「全国環境セミナー2019」において「三重宣言」採択

朴 恵淑(全国教職員委員/三重大学人文学部・地域イノベーション学研究科教授)

 2019年6月22日—23日に、全国大学生協連「全国環境セミナー2019」が三重大学地域イノベーションホール及び環境・情報科学館において開催されました。

 全国約200の大学生協の環境活動委員会や環境活動クラブの情報交流を通じた学びと成長のために環境月間の6月に開催される「全国環境セミナー」が三重大学で開催されるのは初めてのことで、JUON NETWORKとの共催によって42大学から教職員、学生の約150名が参加しました。


基調講演を行う朴 恵淑
人文学部・地域イノベーション学研究科教授

 朴 恵淑人文学部・地域イノベーション学研究科教授から「三重・地球規模の環境問題と国連持続可能な開発目標(SDGs)」について基調講演が行われました。まず、三重県において半世紀前に発生した、四日市コンビナートからの大気汚染による四日市ぜんそくの発生メカニズム、人間を含む生態系への影響、環境政策、四日市公害の教訓から学ぶ「四日市学」について講演が行われました。また、2030年までに全世界の最も重要な大命題である「国連持続可能な開発目標(SDGs)」による持続可能な社会創りのための大学の研究・教育・社会貢献の役割について言及しました。さらに、「全国環境セミナー2019」の参加者みんなの力で作成する「三重宣言」を採択し、国連本部、ユネスコなど国連関係機関にアピールしようと呼びかけました。

続いて、分科会が行われ、各大学で行われている環境活動についての報告及び「三重宣言」作成のための討論が行われました。


「三重宣言」作成の分科会

「全国環境セミナー2019」において、初めての取組となる「三重宣言」について合意が得られ、参加者全員による「三重宣言」が読み上げられました。「三重宣言」の前文に、“「全国環境セミナー2019」を三重大学で開催するにあたり、四日市公害の教訓に学び、地球温暖化などの環境問題への解決策として、持続可能な開発目標(SDGs)に積極的に取り組むため、今ここに集まる私たちの実践を形とした「三重宣言」を行います。”と記述されており、<資源の節減><倫理的消費><地域社会への参加><継続的な環境教育><コミュニティの拡大>の5つの行動目標となっています。


参加者全員による「三重宣言」採択

 「三重宣言」は、三重での環境セミナーだけで終わるのではなく、継続的に取り組むことによって、環境活動に関する明確なビジョンが示され、的確な環境活動が期待され、地域に根ざし、世界へ通用できるグローカル環境人材育成の基本軸となるものとして、今後、さらなる発展が期待できます。

三重宣言
「三重宣言」