東京ブロック

明治薬科大学生協の事例報告~学生と教職員理事の大学生協活動支援~

東京ブロック教職員委員会
委員 佐々木俊介(桜美林大学)

 昨年度から全国的にコロナウイルス感染が拡大し、東京ブロックの各大学生協も大きな打撃を受けています。今回事例報告する明治薬科大学(東京都清瀬市)は東京ブロック武蔵野エリアに所属する学生数約2,300人の小規模大学ですが、このコロナ禍においても大学生協教職員理事が生協や学生委員会の活動に協力し、大きな成果をあげています。

大学側~大学生協~生協学生委員会の3つのコラボレーション実施

 例年新学期早々、大学主催の「アカウント講習会」と大学生協主催のノートPCの「セットアップ講習会」が行われていましたが、今回は大学と生協がこのふたつをまとめて実施することにより、新入生の学修環境構築、ネットワーク接続の不安を解消するという成果をあげました。もともと新入生に早く自分のノートPC環境を設定してもらい、オンラインでの授業参加を円滑に進めたい大学側と、購入したノートPCをセットアップするための講習会を企画する生協側と、ともに学生のために行っている行事のコラボレーションが実現、さらに新入生の講習会のための来校にあわせ、学生委員のキャンパスツアーも実施することができました。これらの企画は、生協学生委員および教職員を含む生協理事会の発案に対して、大学側が新入生の利益を優先し、前例のない企画に賛同・協力した成果として実現しました。

 この結果、新入生全員は入学早々の4月の初めには授業で使うノートPC環境を整えることができ、学内LAN接続、オンライン授業受講などをスムーズに開始することができました。大学生協PC(明薬大推奨)を購入した人は79%で、それ以外の学生も受け入れて新入生全員を対象に実施しました。昨年度は「セットアップ講習会」を4月半ばに授業内で行う予定でしたが、未曽有のコロナウイルス感染拡大のため急遽中止となり、生協では急遽ノートPCを購入者宛に郵送し、マニュアルを基に自分でセットアップしてもらいました。そのため今年度はぜひとも新入生にキャンパスに来てもらい、大学と生協が「感染対策し/早期に/対面で」セットアップを実施してもらうことを企画し、実現させました。

 さらにセットアップ講習が終わった後は、そのまま生協学生委員会による新入生キャンパスツアーをリンクさせることができました。会場となった教室から出発することを大学側に許可してもらい、新入生たちはそのまま先輩たちの案内で、キャンパスツアーに参加しました。参加者は全体の93%で、生協学生委員会の先輩たちにキャンパスを案内してもらいながら、新入生どうしの交流も実現し、たいへん喜ばれました。さらに学生委員会はここから新入生歓迎オンライン企画を後日2つ行い、1年生の学生委員24名、2年7名も獲得して学生委員が増えました。昨年度からコロナ禍により生協学生委員メンバーの新規参加者数が伸び悩んでいる会員生協が少なくない中、明治薬科大学生協学生委員会はすばらしい成果をあげています。

生協活動に関わる教職員理事

 小野久美子専務理事によれば、明治薬科大学の教職員理事の皆さんは、日頃から大学生協の運営と活動に関わってくれているとのことです。学生のオンライン新入生歓迎などの企画実現へのアドバイス、学生支援課から新入生一斉メール送信許可の橋渡し、食堂運営や教科書販売方法における感染症対策助言、学生委員会のオンライン合宿や企画の交流会に参加など良い関係を保っています。また今年の総代会では学生がキャンパスに入構できないため学内会場とウェブのハイブリット開催でしたが、会場には教職員総代5名、役員7名が参加するなど、明治薬科大学では、新型コロナウイルス感染拡大にともなう危機感を共有して、生協への関わりを多く作っていただいています。