東京メトロの地震対策とお客様へのお願い

東京メトロの地震対策

 東京メトロは東京都心を中心に9つの地下鉄路線を保有し、路線長は195,1km、駅数は179駅であり、1日平均724万人のお客様にご利用いただいています。

 当社の地震対策ですが、まず耐震補強として、阪神・淡路大震災を踏まえて示された国の耐震基準に基づき、震度7クラスの地震でも崩落しないよう、トンネル・高架橋・建築物の耐震補強を実施しています。次に地震が発生した際に列車を安全に停止させるため、地震警報システムを導入しています。これは、緊急地震速報を活用した「早期地震警報システム」と自社で設置している地震計が規定値を超えた場合に、列車を直ちに停止させる仕組みです。震度4以上を予測又は実測した場合は、自動的に「緊急停止」の音声が流れ乗務員が列車を停止させ、震度5弱以上の場合には、自動的に停止信号を現示し列車を強制的に停止させるようになっています。 

 停止させた後、震度5弱以上を計測したエリアでは鉄道施設の被害状況を確認するため保守区員の歩行による設備点検を行う必要があります。その場合には、点検が長時間にわたり、早期の運転再開が難しくなるため、点検時間を短縮できるように、エリア地震計を全線で36カ所設置し、エリアを絞って点検ができるよう対策をしています。大規模な地震が発生した場合は、鉄道の運転再開に時間がかかり多くのお客様が帰宅できなくなるため、全駅に飲料水やアルミブランケット、非常用トイレなどを10万人分備蓄し、駅の改札外のスペースにお客様が滞在いただけるようにしています。

お客様へのお願い

 東京メトロでは、上記のようにハード・ソフト対策を実施していますが、大規模な地震が発生した場合には、鉄道運行の停止などにより駅において大きな混乱が発生すると予想されています。なぜなら、お客様は少しでも早く自宅や職場などに帰りたいと考えるからです。東日本大震災においても多くお客様が、運転再開時刻の問い合わせや情報収集などのために、当社の各駅に滞在されました。当社の駅社員は、お客様からの問い合わせへの対応などを行いつつ、同時にお客様の安全確保も行わなければなりません。このような状況下では、駅社員だけでは対処できないことも発生しうるため、ご利用されるお客様には、駅社員の誘導や指示に従っていただくことをお願いしたいと考えています。その上で、お客様同士の理解や共助をしていただくなど、混乱回避のためにお客様のご協力をお願いいたします。

 東京メトロでは、いざというときの「お客様自身が身を守る」ための参考として、「お客様同士が互いに助け合う」ことなどを記載した「安全ポケットガイド」を作成しており、各駅で配布しているほか、東京メトロホームページでもご覧いただけますので、ぜひご一読をお願いいたします。