リレーエッセイ
末永 光(読者スタッフ・岡山大学4回生)

P r o f i l e

末永 光(すえなが・ひかり)
岡山大学4回生 理学部。
趣味は短歌・読書・マカロニえんぴつ・文章を書くことなど。ご飯をたべながらの雑談も好きです。『izumi』でたくさんの面白くて素敵な方々と出会えたらいいなぁと思っています! 悩みは家のキッチンが狭すぎること。

 自己紹介とは非常にムズカシイもので、「自己紹介をしてください」と言われる度に毎回困ってしまう。なにか面白いことを言わなければいけないというプレッシャーがものすごい。
 世の中には「自己紹介で笑いがとれる人間」と「笑いがとれない人間」の二通りの人間がいる。ぼくは残念ながら後者だった。つまり初対面の現場で、面白いことをできないタイプの人種だ。自己紹介という決まりきった枠の中で、良い感じのひと笑いを起こすやつがいる。それが心底羨ましい。ソレどうやってやんねん! どうやってやんねん! なぁ! 教えてくれや!

 例えば、ふつうに自己紹介をしようとすると「岡山大学四年生のスエナガです。趣味は読書とか音楽を聴くことで、アッ米津玄師とか好きです。大学の専攻は生物学です。エット、ハイよろしくおねがいします、エヘヘ」みたいなヌルっとした紹介になる。
 ちょっと奇抜な紹介をしてみようかなと思えば大事故。ぼくは短歌が好きで日常的に詠んだり読んだりしているのだが、自己紹介の場でそれを言ってしまった日には““終わり””だ。「え? ! 短歌? ? めずらしい! じゃあ一首よんでみてよ!」のフレーズが怖すぎる。即興で詠んだ一首がウケるわけ無いだろ。責任とってくれ。間違っても、そんなことは言えない。
 

震えてる自己紹介で好きな歌手第14位の米津に頼る


 華々しい実績なんてものがあっただろうかと、あたりを見回してみるも、高校二年生のときにとった漢字検定準2級くらいしか浮かんでこない。
 無理をして打破しようとすると、ドツボにはまる。面白いことを言おうといきりたつも、スベって沈黙、そして着席という一連の動きの恥ずかしさ。何度か笑いをとろうと頑張ったときがあった。だけど、ぼくはもう、あの恥ずかしさに耐えられそうにない。
 人生であと何回自己紹介をするんだろうか。かなりの回数、自己紹介をやってきたはずなのだが、一向に光が見えずに困っている。ぼくは今通っている大学の大学院に進学するので、次に大きな自己紹介があるのは就職するときだろう。きたる三年後の、その日の様子を想像しては今から手のひらに汗が滲んできた。
 ということで、この文章を読んでくださった『izumi』の読者のみなさま、もしよければ良い感じの自己紹介を教えてください……。
 

次回執筆のご指名:倉本 敬司 さん

2020年は「わが大学の先生と語る」「オンライン座談会」など大活躍だった倉本さん。2021年も頼りにしていますよ! ということで、意気込みと自己紹介をお願いします。(編集部)

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