今月のナイスコメント(2024年8月)速報

2024年9月28日現在

8月に投稿されたコメント456枚から選考しました。

選考は、大学生協の全国学生委員出版甲子園学生メンバー(特別協力)、
書籍担当職員、顧問をお願いしている先生で行いました。

ナイスコメント12点、次点19点でした。おめでとうございます!

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ペンネーム:
M
大学・学年:
お茶の水女子大学 4年
書名:
なぜ働いていると本が読めなくなるのか
著者:
三宅香帆
出版社:
集英社新書
コメント:
これはもうタイトル勝ち、勝ちも勝ちの大優勝だと思う。アルバイトや教育実習中、本当に読めないのだ、本が。スマホは見れるのに。
本書では現代に至るまでの読書の歴史を読み解き、スマホと読書の何が異なるのかまで斬り込み、労働をしながらも読書を嗜むゆとりのある「半身の社会」を実現しようと提言している。特に100分deフェミニズムでの上野千鶴子氏の発言に触れながら、トータル・ワークや燃え尽き症候群を批判し、持続可能で人間らしい働き方を訴えているのが素晴らしかった。「読書」を起点に社会を眺めることの面白さよ!!

ペンネーム:
くりごはん
大学・学年:
北海道大学 2年
書名:
満月珈琲店の星詠み 秋の夜長と月夜のお茶会
著者:
望月麻衣
出版社:
文春文庫
コメント:
心が温かくなる作品が読みたいと思いながら、幻想的なイラストに目を惹かれて読んだ。満月の時にふらっと現れる満月珈琲店。自分が決めた人生の道を進みながら、迷ってしまった人たちの背中を、星詠みを通してそっと押してくれる。大きなアドバイスをくれるわけではないけど、はっと気づきを与えてくれる。満月珈琲店はカフェであり、星をモチーフにしたデザートを出してくれる。本に載っているそれらの食べ物のイラストが本当に綺麗で、食欲をそそられてたまらない。お腹が空いた状態で読むのは、少し危ないかもしれない。

ペンネーム:
ちょこ
大学・学年:
名古屋大学 大学院
書名:
本当の貧困の話をしよう 未来を変える方程式
著者:
石井光太
出版社:
文藝春秋
コメント:
1億人以上のストリートチルドレンの人生を葬り去る「無関心」という核ミサイル”ということばがとても印象深かったです。
当然のように自分が”核ミサイル”を発する側に立って考えたこと、当然のように容易に書籍を手に入れることができ、それを読むことのできる能力を身につけられていること。これは決して当たり前のことではなく、とても恵まれたことであって、でもそれが全てのこどもに当たり前のことになる世界はどうやったら作れるのか、簡単なことではないけれど、自分にもできることがあるのか、考え続けています。

ペンネーム:
さき
大学・学年:
千葉大学 2年
書名:
きみはポラリス
著者:
三浦しをん
出版社:
新潮文庫
コメント:
貴方は恋に落ちたことがあるだろうか。
相手は異性か、同性か、イキモノか、モノであったか。
それは、目があうだけで頬が熱くなり、1人ベッドの中でにやけてしまうような恋であったか。
それは、内臓がチリチリと焦がされるような、相手の不幸すら願う恋であったか。
私はこの本を読んで、恋は宝石のようだと思った。
強い輝きは人を魅了し、時に陥れる。熱で溶け合うこともあれば、ぶつかることで互いを欠く。
この本には、言葉の定義に収まりきらない、沢山の恋が詰まっている。
さぁ、今度は貴方に問いたい。
貴方にとって、恋とは何か。

ペンネーム:
おかず
大学・学年:
同志社大学 1年
書名:
ハーモニー
著者:
伊藤計劃
出版社:
ハヤカワ文庫
コメント:
私はこの本を読んだ、が、物語を受け入れられなかった。どうしてだろうか。この物語の中で世界は見せかけの優しさと倫理に支配されている。絶対的な健康を強制され、全てが管理される社会。そんな社会の中で主人公が感じている閉塞感が私にとって他人事には思えないからだろう。誰も傷つけないように、自分も傷つかないようにと他人との深い関わりを拒み、全てを薄いオブラートで包み始めている。私達の社会が迎える結末も案外この本と同じなのかもしれない。それが良いことなのか悪いことなのか、まだ私には判断がつかないけれど。

ペンネーム:
みかん子
大学・学年:
奈良女子大学 4年
書名:
女を書けない文豪たち イタリア人が変愛する日本近現代文学
著者:
イザベラ・ディオニシオ
出版社:
KADOKAWA
コメント:
いかに近代文学に登場する男たちや、その書き手が女心を分かっていないかを、軽くて読みやすい語り口で論じる評論集。
分かるー!がいっぱい詰まっていた。正直、こいつ女心わかってない!何これキモ!などと近代文学に不満を持ったことがある人は、そうそう!と激しく頷いたり、そういうことかー!と読書中の違和感の理由に納得するんじゃなかろうか。
だが同時にこの本は、男の身で当時の社会が許す限りの、女の表象の限界に挑んだ歴史も感じさせてくれる。そう思うと彼らも彼らなりに頑張ったんだなと、ちょっと和解する気持ちになった。

ペンネーム:
ふぁくせ
大学・学年:
東京農業大学 4年
書名:
フリーター、家を買う。
著者:
有川浩
出版社:
幻冬舎文庫
コメント:
困ったものである。
読むつもり無かったのに、読み始めたら止まらなくて読んでしまった。
就活中の身として、身につまされる思いだった。今からこれを読もうと思っている人がいたら、就活まで時間があるか、就活が終わった後をお勧めする。
この物語は、上手くいかない就職活動、母親の病、理解のない父親…辛い部分、嫌だと感じる部分も沢山ある。でも、主人公の成長曲線は凄いし、自分も頑張らなければと思えるはずだ。
就活終わった後に、もう一度気持ちよく、思い切り読みたい。

ペンネーム:
がうっちぃ
大学・学年:
静岡大学 2年
書名:
ざんねんなスパイ
著者:
一條次郎
出版社:
新潮文庫
コメント:
ー事実は小説よりも奇なりー
この言葉が成り立つにはまず、小説が奇でなければならない。この本はこの言葉を成り立たせてくれる一冊であろう。あらすじからも予測不能な展開がみてとれる。謎がナゾをよび、終始夢心地であった。頭の中のモヤモヤがほどけたと思えばそこから絡まりはじめるような感覚。誰も信じれなくて、君も裏切ってくれるよねっておかしな期待をしていた。捉えどころがなさそうで、社会への痛烈な皮肉が込められている気がした。

ペンネーム:
詩暢
大学・学年:
京都大学 1年
書名:
夕暮れに夜明けの歌を
著者:
奈倉有里
出版社:
イースト・プレス
コメント:
文学を愛し、言葉に誠実なひとびとに私もまた、魅せられた。放課後の教室で、筆者に言葉の魔法をかけたエレーナ先生。「とにかく『学びたい』という気持ち」からつながり、学生寮で共同生活を送ったマーシャ。飲んだくれなのに、一度講義を始めれば学生を「あっというまに授業に魅了」するアントーノフ先生……一面的なロシアのイメージが薄れ、彼の国の街並みが細部まで光の灯った風景として、立ち上がってきた。昨今の情勢のことも、ロシアという国の文化のことも、ウクライナとの関係も、自分でちゃんと勉強したい、そう思った。

ペンネーム:
パプ
大学・学年:
同志社大学 2年
書名:
声の在りか
著者:
寺地はるな
出版社:
KADOKAWA
コメント:
言葉をのみこむ,のではなく。もやもやとしたものがわだかまって,けれどそれを言語化できなくて,無反応できるわけにもいかないから,とりあえずその場を取り繕って。ずっと考えて,ようやく自分で納得のいく言葉を思いついたときには,もう相手はそんな話題すら忘れている。ーーそんなことって,実は結構あると思う。いや,希和のいう「あちら側」にいるひと達は,違うのかもしれない。言葉一つに相手がどう感じるのかなんて頓着せずに,あるいは受ける傷を軽視して話すのかもしれない。そんな人にはなりたくないと,思っていたい。

ペンネーム:
マズルカ
大学・学年:
東京大学 4年
書名:
六人の噓つきな大学生
著者:
浅倉秋成
出版社:
KADOKAWA
コメント:
人と深い付き合いをするのが苦手だ。気を許されたがために、信じていた人の裏の顔に出くわすのなんて真っ平御免。陰口だって嫌なのに、裏の顔が「人殺し」である嘘つき就活生の話と聞き、躊躇いを覚えないではなかった。
物語を現実に持ち込むまい。事前の決意はどこへやら、見事に周りへの不信感に押し潰された。怯え苛立ち、距離をとり……読み終わるまでの私は、さながら手負いの獣も同然だっただろう。それでも。結末を迎え、とめどなく溢れたのは優しい涙だった。
明日が、他人が、怖いあなたに読んでほしい。
大事なのはそれからだよ。

ペンネーム:
マッチョなごぼう
大学・学年:
岡山大学 1年
書名:
推し、燃ゆ
著者:
宇佐見りん
出版社:
河出文庫
コメント:
この本を自分は「嫌酒薬」のようだなと思いました。嫌酒薬とは、簡単に言うとお酒をのむと気分が悪くなる薬のことで、苦痛は飲んだ量に比例します。では、なぜこれが嫌酒薬のようだと思うかは、推しの依存度が高い人ほどこの作品をよむと苦しむと予想しているからです。推し活をしているとき人はきっと現実を忘れられて幸せでしょう。その幸せが至高であり命の人もいるでしょう。その幸せがいつか終わりが来ると残酷に告げるのはこの作品なのです。しかし比較的短く何より面白いので是非よんでほしい一冊です。

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【次点:19件】

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ペンネーム:
おかず
大学・学年:
同志社大学 1年
書名:
地雷グリコ
著者:
青崎有吾
出版社:
KADOKAWA
コメント:
小学生の頃たくさんしたグリコ、坊主めくりなどのゲームにちょっと要素をくわえるだけでこんなにも面白くなるなんて!ただゲームをしているだけなのにハラハラが止まりませんでした。話が進んで行くにつれてゲームもどんどん難しくなっていき、読みながら脳がフル回転でした。のんびりとだれてきた夏休みの脳に最上級の刺激。脳が喜んでいました。続編も出てほしい!しかし、問題は私の頭がついて行けるかです。「私についてこれるかな?」真兎が私にそう言ってくるのが想像できます。

ペンネーム:
みかん子
大学・学年:
奈良女子大学 4年
書名:
シュガータイム
著者:
小川洋子
出版社:
中公文庫
コメント:
いつまでもいつまでもお腹いっぱいにならずに、美味しいものを食べられたらいいのに、なんて食いしん坊なことを私は思ったことがある。主人公の状況はまさにそれで、そして、その食欲を不信に思い困惑している。まあ、その反応は当たり前か。こんなこと願ったりしても、実際に起きたらきっと自分も不思議に思う。
作中には、魅惑的な食べ物の描写が連ねられ、その描写の一つ一つにどきどきする。そして、その食べ物に、食欲に、どことなく切ない気持ちにさせられる。この切なさに浸りたくって、再び読みたくなってしまうのだ。

ペンネーム:
詩杏
大学・学年:
京都大学 大学院
書名:
アリス殺し
著者:
小林泰三
出版社:
東京創元社
コメント:
こんなミステリー初めて読んだ!
駆けてくる白兎に、分からないようで分かるアリスと蜥蜴の会話。ハンプティ・ダンプティは落っこちた。
「いいや、ハンプティ・ダンプティは殺されたんだ。これは殺人事件だ」
そうして夢からさめた栗栖川亜里は、現実世界でも王子玉男が墜落死したことを知る。

……おとぎ話を読んでいたつもりが、いつの間にか現実世界へ落とされて事件発生。
夢ではアリスが、現実では亜里が事件に迫るが、事件以前に夢と現実の関連性は何?という不思議と不穏な空気。最後は思わず「嘘でしょ?」と心の中で叫んでいました。

ペンネーム:
がうっちぃ
大学・学年:
静岡大学 2年
書名:
西の魔女が死んだ
著者:
梨木香歩
出版社:
新潮文庫
コメント:
あのとき、どうして読まなかったのだろう?

この本との出会いは中学生の頃。母が買ってきてくれた。そのときは興味も持てなくてそのまま売ってしまった。高校生になって現代文のテストに出題された。あるセリフがわたしを惹きつけて、やっぱり読んでみたいと思った。その後も題名を見かけることはあったが、読まずにそのまま。きっかけは大学の図書館でたまたま見かけたから。一気に読んでしまった。あんなにも読むに至らなかったのに懐かしささえ覚えた。わたしを優しく包んでくれるような…
中、高、大学生とわたしを結びつけてくれた本だ。

ペンネーム:
ネロ
大学・学年:
早稲田大学 1年
書名:
格差は心を壊す 比較という呪縛
著者:
リチャード・ウィルキンソン、
ケイト・ピケット
出版社:
東洋経済新報社
コメント:
大学に入ってから、自分と周りの人たちとの階層・階級の差に悩み、自分より恵まれた人たちを羨み、妬むようになり自己嫌悪に陥ってしまいました。そんな時に出会ったのがこの本です。様々な統計データから比較と階級・クラス分けの残酷さが記載されていて、自分のことを書いているようで驚きました。それと同時にこの悩みは自分だけのものではなかったのだと安心もしました。

ペンネーム:
えとぴりか
大学・学年:
早稲田大学 4年
書名:
恋愛中毒
著者:
山本文緒
出版社:
角川文庫
コメント:
理屈ではなく、どうしようもなく惹かれてしまい、時に自分の行動基準が相手ありきになってしまって自分の足元もおぼつかなくなってしまうこともあるのが、恋愛。
しかし、その恋愛の渦中においては、当人たちはただ甘い蜜だけを堪能し、盲目的に夢を見る訳では無い。
時に打算や策略で動く冷静さも発揮するからこそ、余計にこの感情は暴走した時に厄介となるのだろう。
作中の「諦めると決めたことを、ちゃんときれいに諦めるように」という言葉が印象的だ。特に恋愛において、自分で決めたことを貫き通すのは存外、難しい。

ペンネーム:
Uka
大学・学年:
西南学院大学 2年
書名:
超歌手
著者:
大森靖子
出版社:
毎日新聞出版
コメント:
書店で見つけたとき嬉しくて顔に出てしまった、大好きな人のエッセイ集。目次ページのちかちかする蛍光色ピンクやナナちゃんというくまの落書きがかわいい。まえがき1ページ目、「とっととそのクソ培養器ぶち壊して出てこいよ」とある。強烈なメッセージをくらってうろたえそうになる。本当は、この本には美しいこと、大切なことが書いてある気がする。何度でも読み返したい。変人だといわれても理解されなくても自分が好きだと思ったら好きでいいし、おかしいと思ったらおかしいと言ってよくて、それが美しい生き方ではないかと思った。

ペンネーム:
はぴ
大学・学年:
横浜市立大学 2年
書名:
水たまりで息をする
著者:
高瀬隼子
出版社:
集英社文庫
コメント:
この本を完結に表すと、主人公の夫がお風呂に入らなくなるという内容です。
夫は、水がくさい、痒くなると主張してお風呂に入りません。なんとなぜ夫が風呂に入らなくなったのか、最後まで明かされないのです。
全ては語らないのがこの本の魅力なのかもしれません。自分には無い、水がくさいという感覚。主人公と共に戸惑いながらも、夫に対する気持ちと向き合います。
主人公の物事への向き合い方にひっかかり、自分の気持ちとの解離に気づかれされました。じっくり考え、一度自分の内面を見つめてみたいという方におすすめです。

ペンネーム:
くりごはん
大学・学年:
北海道大学 2年
書名:
わたしの美しい庭
著者:
凪良ゆう
出版社:
ポプラ文庫
コメント:
誰しもが縁を切ってしまいたい思いやつながりがあるのだと思う。今の自分と理想的な自分の乖離に幻滅したり、別れを受け止められない自分に葛藤したりした先で、形代に載せた縁切りの思いは、彼ら彼女らの心に区切りを与え、明るい再出発の証になる。時にはかっこわるくて弱い自分にしっかりと向き合って、今に目を向けて生きる登場人物たちがとてもかっこよかった。自分の背負う荷物くらいは自分で決めろ、という言葉は、すべての人がもつ悩みや信念を肯定してくれる素敵な言葉だと感じた。

ペンネーム:
モモノスケ
大学・学年:
新潟大学 1年
書名:
「サル化」する人間社会
著者:
山極壽一
出版社:
集英社インターナショナル
コメント:
ゴリラは平和主義で家族思いの動物なんだそうだ。読んでいくと、大きくて好戦的で威圧的という誤った先入観が崩れ落ちていく。言葉の端々からああ、この人はゴリラが本当に大好きなんだなと感じさせるものが滲み出ている。いじましくって可愛らしいゴリラたち。
筆者が最も強調するのはゴリラの平等主義と器の大きさである。彼らは人間なんかとは比べ物にならないくらいの人格者だ。その社会では争いは忌避される。そもそも序列の概念が存在しないから蹴落としあいやへりくだりは存在しない。ゴリラ社会は悩める人間社会のお手本なのだ。

ペンネーム:
かちむし
大学・学年:
早稲田大学 4年
書名:
女生徒
著者:
太宰治
出版社:
角川文庫
コメント:
「いやだ・だめだ、つまらない、情けない」あなたは、そんな言葉をつぶやいてはいませんか?思春期って、自分、家族、友達、学校の先生にも、さらに市井の人にだって、日々いろいろ感じることがあるでしょう。『女生徒』の「私」も同じ。起床から就寝までの一日の出来事を感じるままにつぶやいています。「好き・嫌い」ばかりではなく、迷いの言葉も胸に迫ります。心のアンテナを広げ自分の思いを素直に振り返っています。「私」は、悩みながらも日常の先の未来を信じて「幸福はきっと来る、明日は来る」の期待しているのです。

ペンネーム:
大西羊
大学・学年:
北海道大学 3年
書名:
切手デザイナーの仕事
~日本郵便 切手・葉書室より~
著者:
間部香代
出版社:
グラフィック社
コメント:
私は手紙が好きだ。手紙を書く時には、まずレターセットを選び、次にペンの色を選び、最後に切手を選ぶ。
レターセットやペンは様々なメーカーから出ているが、切手を出しているのは日本郵便だけだ。そして、切手は17万人いる日本郵便の社員のうち、たった8人のデザイナーによってつくられている。
この本は、その8人に取材をした本だ。
切手デザイナーになるまでの話、なってからの苦労、自分がデザインした切手への思いなどが書かれており、切手という小さな芸術がもっと好きになった。
ああ、この感想を手紙で伝えたい。
私は切手が好きだ。

ペンネーム:
丸犬
大学・学年:
名古屋大学 3年
書名:
近畿地方のある場所について
著者:
背筋
出版社:
KADOKAWA
コメント:
近畿地方のある場所についての怪談や体験談を集めたドキュメンタリー本。最初はこれらの話に共通点があまり見えないのだが、読んでいく内にバラバラだった筈の話たちが線で繋がり、段々とその奥に「何か」が見えてくる。
いるのだ。そこに「何か」が。それに気づいてはいけないのかもしれない。しかし追わずにはいられない。気づいた瞬間、それらが一斉にこちらを凝視してくる感覚。いや、はじめからずっとこちらを見ていたのだ。もう、おそい。だめに なってしまいました。
みなさん 山へ行きませんか?

ペンネーム:
丸犬
大学・学年:
名古屋大学 3年
書名:
スマホ脳
著者:
アンデシュ・ハンセン
出版社:
新潮新書
コメント:
この本はタイトル通りスマホの危険性を訴える本である。スマホを日常的に使っている我々に取ってはあまりいい気分のする文言ではないが、この結論に向かうまでのアプローチがとても面白いのだ。
スマホの使用による不安や依存などの身体的反応を脳科学的、進化生物学的に解明することを試みているのだが、この客観的視点にはハッとさせられる真実がたくさん含まれている。
SNS等による負の感情に振り回されてしまう人は一度スマホを机に置いてこの本を読んでみよう。自分の感情を俯瞰して見つめ直すキッカケになるはずだ。

ペンネーム:
くりごはん
大学・学年:
北海道大学 2年
書名:
ふちなしのかがみ
著者:
辻村深月
出版社:
角川文庫
コメント:
ホラー要素満載の作品だと聞いていたから、若干身構えながら読んでいたのだが、その構え虚しく怖かった。最初のはなこさんの話は誰しもが小学生の時に触れる怪談話であり、怖い話の王道だろうと斜に構えていたが、辻村さんのはなこさんの威力は凄まじかった。全体的にホラー要素が強いが、怖さの中にも温かさを感じる部分もあった。

ペンネーム:
い都
大学・学年:
関西学院大学 3年
書名:
マリリン・トールド・ミー
著者:
山内マリコ
出版社:
河出書房新社
コメント:
見慣れた人の新たな一面を見つけるのは難しい。その人の“キャラ“イメージが一般に固定されているなら、尚更。という前提を踏まえ、当時の社会状況に理解を示しつつも、新たな時代の価値観に沿った解釈、私たちの視点を新たに切り拓くものの見方を獲得することが大切らしい。大学生の学びには特に。という“求められている“学びの在り方みたいなものが私にはしんどいんだ、と気づかせてくれる一冊でした。大学生活が「なんか…違うんだよ。うまく言えないけど!」「将来漠然と不安すぎな~」とウロウロする気持ちにもヒントをくれました

ペンネーム:
モモノスケ
大学・学年:
新潟大学 1年
書名:
ガセネッタ&シモネッタ
著者:
米原万里
出版社:
文春文庫
コメント:
目次を開くと期待通りそそられるタイトルがずらり。さすがは名高い敏腕通訳、その一つひとつが品の善し悪しはともかくも読者を抱腹絶倒に陥れるとともに、端々に米原氏特有の好奇心を誘う体験談や誰かに触れ回りたくなる知識を忍ばせつつ、隠しきれなかった教養が機知となって現れる。もちろん彼女の代名詞とも言えるエッチな話やダジャレも健全です。カッコよくきめるところと外すところの匙加減が絶妙。本書のように全部が全部、本当に面白いエッセイというのも珍しい。3冊目にしてもはや私は米原ファンです。

ペンネーム:
おかず
大学・学年:
同志社大学 1年
書名:
死んだ山田と教室
著者:
金子玲介
出版社:
講談社
コメント:
あぁ、愛おしい。二年E組のおバカな男子たちのおバカな日常を読んでそう思った。私はこんな青春を過ごしていないはずなのに、何故かものすごい懐かしさを感じた。そして馬鹿だなあと笑いながらも、どこか、寂しさも感じる。それは死んでスピーカーになった山田という特殊な存在があることも大きな理由だけれど、この日常が永遠には続かないというのを男子たちもわかっているからかもしれない。きらめく日常とそれが永遠には続かない事を理解している寂しさ。そして死んだ山田。すべてが組み合わさってこの愛おしさがあるのかもしれない。

ペンネーム:
隣の芝は臭い
大学・学年:
岡山大学 4年
書名:
正欲
著者:
朝井リョウ
出版社:
新潮文庫
コメント:
皆がよかれと思ってやっていることは本当にその当事者の事を思っているのだろうか。そんなことを読後に考えてしまう作品である。
我々は自分がよしと信じることを求める正欲に満たされているんじゃないか。その欲を他人に押し合てることに意味があるのか。これを読めばある程度答えがでるんでないでしょうか。

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