今月のナイスコメント(2024年9月)速報

2024年10月23日現在

9月に投稿されたコメント497枚から選考しました。

選考は、大学生協の全国学生委員出版甲子園学生メンバー(特別協力)、
書籍担当職員、顧問をお願いしている先生で行いました。

ナイスコメント18点、次点14点でした。おめでとうございます!

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ペンネーム:
大春車菊
大学・学年:
名古屋市立大学 1年
書名:
「好き」を言語化する技術
推しの素晴らしさを語りたいのに「やばい!」しかでてこない
著者:
三宅香帆
出版社:
ディスカヴァー・トゥエンティワン
コメント:
言語化することが苦手だ。何らかの作品や人物に触れて、抱いた感情や心の動きは間違いなくあったはずなのに、それを言葉で表現することができない。そのような悩みに向き合ってくれるのがこの本である。
特に印象的であったのは「自分の言葉で書く」ということだ。他人の感想文に影響されて書いた言葉では、本当の自分の気持ちを表すことはできない。簡単なようで、実はできていなかった。
この本で学んだ技術を身につけて、「好き」を言語化して伝えられる人間になれたら、と思う。

ペンネーム:
マズルカ
大学・学年:
東京大学 4年
書名:
君を守ろうとする猫の話
著者:
夏川草介
出版社:
小学館
コメント:
いつもそばにいてくれる、大切な存在を、あなたは忘れていませんか。
”本”。それも確かに答えのひとつと言えるでしょう。でも。もっと大切な何かに、あなたも心当たりがあるはずです。
日々の暮らしに忙殺され、心がささくれだってしまった人。幸せなはずの毎日に、訳もなく息苦しさを感じてしまう人。本が好きな人、嫌いな人、読書に飽きてしまった人――皆に読んでほしい。消えかけた灯火をかきたてるとまではいかなくても、冷え切った指先にしみわたるような、仄かな温もりをきっとくれることでしょう。

ペンネーム:
おかず
大学・学年:
同志社大学 1年
書名:
流浪の月
著者:
凪良ゆう
出版社:
東京創元社
コメント:
この本はもう何度も読んでる。どうしてだろう。「優しさ」というナイフが私の予想よりもはるかに鋭いことに気付かされるから。ずっとそう思っていた。でも、大学生になって読みかえして初めて気がついた。私は羨ましいのだ。世間にいくら認められなくても、互いの存在だけを頼りに生きていると言えるほど強い関係を築いた文と更紗が。小・中・高・大と上がる事に心から信頼出来る友人が減っていると感じる。
今からでも遅くない。でもそんな関係を作れるような人に出会えるのだろうか?そんな気持ちが私にこの本に手を伸ばさせるのだろう。

ペンネーム:
モモノスケ
大学・学年:
新潟大学 1年
書名:
小さき者へ/生れ出ずる悩み
著者:
有島武郎
出版社:
岩波書店
コメント:
厳しい非情な自然や逃れられない激しく苦しい運命を書いているのに、上澄みだけが波立つのみで心の底は穏やかな湖畔のようにしんと静まり返っている。作者自身に昔、辛酸をなめ逆境を克服した、あるいは運命を手加減なしに受け止めた経験があるのかもしれない。どこか卓越したところがあって読む者の心を落ち着かせるお話だ。語り手の一人称で話が進んでいく構造ゆえか、特定の二人称だけでなく傍観者たる私たち読者へも彼の優しいまなざしが注がれる。嵐の吹き荒れる心をも鷹揚に包み込んで晴れ間を見せてくれる、人間愛に溢れた作品。

ペンネーム:
mhie
大学・学年:
京都大学大学院 大学院
書名:
山月記
著者:
中島敦
出版社:
青空文庫
コメント:
李徴は自尊心と羞恥心により、凡愚と見下す周囲の者との交流を避け、才能の無さを自覚してしまうのを恐れて才能を伸ばす努力をしなかった。山月記を読む中で、李徴の姿は今の私と重なるところがあると気づいてぞっとした。私は最近、簡単だと思っていた資格試験に落ちたのである。私は、易しい(と思っていた)試験を受験すると人に知られるのが恥ずかしくて、周囲に受験仲間を作らなかった。また、易しい(と思っていた)試験問題を解けないと自覚してしまうのが怖くて、あまり勉強しなかった。私は山月記を自分への警告と捉えた。

ペンネーム:
くろのすけ
大学・学年:
横浜市立大学 1年
書名:
「さみしさ」の力 孤独と自立の心理学
著者:
榎本博明
出版社:
筑摩書房
コメント:
大学に入ってから、一人で行動することが怖くなった。高校の時は喋りたい時に喋りたい人が集まって話していたし、浪人時代は基本的に人と話さなかった。一人が平気かつ浮かない環境から一転、常に誰かと繋がり続ける環境に足を踏み入れて戸惑いが止まらないまま夏休みを過ごしている。
SNSで繋がりを求めるほど、群れる相手を探すほど本当の自分を曝け出せる相手はいなくなり、孤独は加速する。常に「さみしさ」に背を向ける現代人こそ、孤独と向き合い思索に潜る時間を持たねばならないのではないか。

ペンネーム:
さくら
大学・学年:
東京理科大学 大学院
書名:
オーダーメイド殺人クラブ
著者:
辻村深月
出版社:
集英社
コメント:
23年ほど生きてきて,中学生の期間が一番いびつだったと感じる.友達と喧嘩した次の日は学校に行けないと本気で悩んだり,先生の小さな一言が許せなかったり.目の前のことが全てで,頭でっかちに悩んで悩んでやっと,私は中学生を抜け出し大人になったのだ.しかし,中学生だったからこそ味わえた感覚や人間関係もまた,かけがえのないものだったのかもしれないと今なら思える.この本に登場する少年Aと少女Aは,「殺人計画」という痛さを通して大人になった.私たちはそのような痛さごと愛して,大人になるのだ.

ペンネーム:
本を読む看護学生
大学・学年:
新潟大学 1年
書名:
早朝始発の殺風景
著者:
青崎有吾
出版社:
集英社
コメント:
青春という密室から脱出できたことを、後悔している。
秘密の用事があって早起きをした始発電車、放課後に飲むやっすいメロンソーダ、不本意に男同士で乗る観覧車……この作品に描かれる5つの青春は、密室だ。この間まで高校生だったはずなのに、もう私はその密室を脱出したのだとこの作品を読んで痛感する。当時は早く脱出したいと思っていたのに、今は戻れないことを悔やんでいる。だからこそ、密室なのかもしれない。あのときの青さを、この作品でもう一度。

ペンネーム:
もろっこ
大学・学年:
大阪大学 1年
書名:
おいしい数学 証明の味はパイの味
著者:
ジェームズ・M.ヘンレ 水原文
出版社:
岩波書店
コメント:
数学と料理は似ているものである、という観点のみに基づいて書かれた一冊。おいしいスイーツのレシピと、数学の証明やパズルが紹介されている。
個人的には、「完成形は一見難しそうに見えるが、その構成要素が単純であるとわかったときの感動が大きい」というのも、料理と数学(証明)の共通点だと思う。
特に面白いと感じたのは、「13日は、他のどの曜日よりも金曜日になることが多い」という定理だ。ぜひ本書を読んで証明を味わっていただきたい。

ペンネーム:
空飛ぶまめだいふく
大学・学年:
東北大学 大学院
書名:
ねにもつタイプ
著者:
岸本佐知子
出版社:
筑摩書房
コメント:
ばかばかしいようなことを、こんなに真面目につきつめて考えて、わたしは最高な気分だ。日々のちょっとした出来事も、空想したり、客観的に見たり、つっこみを心の中でいれるだけで楽しくなるんだな。軽妙な文章には、おかしみがあって、どこからが現実でどこからが物語か曖昧になる不思議な境界線でぷかぷか漂っている感じがした。気に入ったのは、「目玉焼き」「アイスクリーム」「バンドエイド」などの作法を書いたもの。私をどこからかみていたのか!と思うほどあるあるすぎて、なんだか楽しくなった。

ペンネーム:
くりごはん
大学・学年:
北海道大学 2年
書名:
あなたの言葉を
著者:
辻村深月
出版社:
毎日新聞出版
コメント:
今までを過ごしてきた中で、そっと胸に閉じ込めてしまった言葉や気持ちについて考えてみた。学校という場では、どうしても同級生と足並み揃えて行動を共にしなければならない。違いを恐れて自分の思いに蓋をすることも多かった。しかし、辻村さんは教えてくれる。湧き上がった心情や言葉に何一つとして間違ったものはなく、全て大切にすべき自分自身なのだ、と。人との別れや後悔、辛く苦しかった記憶。真摯に向き合って言葉を与えることで、それらはきっと、未来の自分を助けてくれると信じることができた。

ペンネーム:
いちごおはぎ
大学・学年:
熊本大学 2年
書名:
赤と青とエスキース
著者:
青山美智子
出版社:
PHP研究所
コメント:
この本と出会えて本当に幸せだと心から思った。
誰かを、何かを、心の奥底から「好きだ」と思っているとき、人間は苦しくて泣きたくなることも多いけれど、それ以上に幸福なんだ。
題名の「エスキース」のように、彼らの人生はまだ道半ば。これからどうなるのかは誰にも分からない。それでも、この物語の中で自分の胸にある愛を大事に行動出来た彼らなら大丈夫。きっと、いい未来が待っているはず。読み終えた瞬間、彼らの愛が優しく未来を照らす様子が見えた。

ペンネーム:
詩暢
大学・学年:
京都大学 1年
書名:
鳥獣戯画のヒミツ
著者:
宮川禎一
出版社:
淡交社
コメント:
『鳥獣戯画』に出てくるウサギは、月のウサギ?
これに始まり、第三章「カエルとウサギはなぜ相撲をとっているのか?」以降は大転換。かの有名なシーンに対しては、「釈迦=カエルと、ウサギ=明恵上人の取っ組み合い」という驚愕の解釈が提示された。
一読した感想としては、多数の古典が参照されているとはいえ「深読みしすぎでは…?」と思ってしまった。この本を読んで鳥獣戯画への理解を深めるはずが、反対に疑問を深めてしまったような気がする…
「絵因果経」の転倒した白象と、「甲巻」の腹を出して倒れたカエルの共通性にびっくり。

ペンネーム:
パプ
大学・学年:
同志社大学 2年
書名:
女の子の謎を解く
著者:
三宅香帆
出版社:
笠間書院
コメント:
うん,読んだことない作品ばっかりだ!小説にとどまらず漫画,アニメ,映画と幅広い作品に描かれたヒロインを考察する本。あらすじだけなら知っているものも多く,初耳レベルのものでも楽しく読めた。私が特に突っ込んで考えたくなったのは「シスターフッド」だ。このテーマを聞くと,私は『作りたい女と食べたい女』を連想する。作者はシスターフッドを「恋愛ではなく連帯を描く」と評するが,この漫画はシスターフッドとあらすじに載せながら,途中から二人の恋愛の話になる。これはシスターフッドといえるのか?作者にぜひ聞いてみたい

ペンネーム:
ゆき
大学・学年:
東京大学 大学院
書名:
正欲
著者:
朝井リョウ
出版社:
新潮社
コメント:
映画化もされた話題作。この世に生まれた人は皆読むべき、と申し上げたいところだが、この言葉さえも多様性の強要になる気がして恐ろしい。そしてこの本の感想を誰かと言い合うことも、同じように恐ろしいと思う。もしも、相手が嫌悪感を抱いていたら?
本文中にもあった表現だが、多様性を支えるのは秩序のように思う。自分の欲望を満たすために他人を傷つけない。それが思考する生き物に生まれた運命なのではないだろうか。

ペンネーム:
お茶ごくごく倶楽部
大学・学年:
大阪大学 1年
書名:
きみはポラリス
著者:
三浦しをん
出版社:
新潮文庫
コメント:
三角関係、片思い、同性愛、禁断の愛など様々な愛の形を描いた恋愛小説。それぞれ独立した短編集だが、始めと最後のお話が繋がっているのが何とも粋で甘酸っぱい。一人の人生では経験できない愛が詰め込まれていて読み終わると、日常がキラキラして見えて大切になる。日々を過ごすのに疲れてちょっと一休みしたいという人にオススメの一冊。特に好きな文章を最後に書いておきます。「ひとは生まれながらにして恋を恋だと知っている。」「“愛”ってのは“現在進行形で大切”ってこと」

ペンネーム:
M
大学・学年:
お茶の水女子大学 4年
書名:
のっけから失礼します
著者:
三浦しをん
出版社:
集英社
コメント:
この作者、自由すぎる!!
三浦しをんさんの日常を綴った抱腹絶倒エッセイなのだが、とにかく自由!ちょっ、『蒲田行進曲』ごっこを始めるな!架空の青年と付き合う妄想をするな!しょうもないことでドヤるな! 猛スピードのノンストップ・三浦ワールドに振り回されながら、ありふれているのにどこまでも面白い日常を心ゆくまで堪能することができる。終始オタクが暴走しているようなエッセイなのだが、「読者を楽しませよう」という芯があり、物事の明るい側面にフィーチャーしている。三浦しをんさんの人柄に触れられる本だと思う。

ペンネーム:
san
大学・学年:
東京都立大学 1年
書名:
神さまのビオトープ
著者:
凪良ゆう
出版社:
講談社
コメント:
死んだ夫の幽霊と暮らしていること、ロボットが当たり前に家族であること、格別な美しさの下に醜い過去を隠していること。当たり前や普通とは見てもらえないことを理解しながらも、周りや世間に認められるより、ひっそりと自分のありのままを保った日常を送ろうとする姿が、ただただ腑に落ちた。多様性が謳われる近頃は少数派が積極的に主張をし、地位を確立する姿が度々見られるが、その全てが必要だったのだろうか、他人の許しが必須なのか、と考えてしまった。

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【次点:14件】

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ペンネーム:
本を読む看護学生
大学・学年:
新潟大学 1年
書名:
こゝろ
著者:
夏目漱石
出版社:
角川文庫
コメント:
「心」は、最も清らかであると同時に最も醜い。
好きな人を我が物にしたいという青春じみたエゴイズムは、恋とか愛とか言われるとても清らかな感情だ。好きな人を手に入れてエゴイズムを果たしたら、今度は罪の意識がやってくる。保身や欲望、恋敵を出し抜く醜悪さが顔を出すということだ。そんな、綺麗で汚い「心」の全てがこの一冊に詰まっている。高校国語の時間に惰性で通読しただけでは理解しきれなかった、自分の醜さ。きっとあなたも、今なら分かるはず。

ペンネーム:
モモノスケ
大学・学年:
新潟大学 1年
書名:
雲の墓標
著者:
阿川弘之
出版社:
新潮社
コメント:
注:特攻隊員さんのお話です。
初めは煽動され熱に浮かされた主人公たちだが、次第に浮き彫りになってきたのは、内閣と軍部に染み付いた卑怯、卑怯、卑怯…。兵学校出を優遇し甘い汁だけ啜って思う存分学徒兵をいたぶる海軍を目の当たりにして、徹底的な不条理に晒された飛行予備学生の心中は察するに余りある。自然と、戦争や国家が唱える葉隠、武士道精神への懐疑が芽生えてくる。
私の戦争観は甘かったのだ。誰も国家に騙されてなどいなかった。問答無用で破滅の坂を転がり落とされたのだ。こんな悲劇をもう繰り返してはならない。

ペンネーム:
モモノスケ
大学・学年:
新潟大学 1年
書名:
田園交響楽
著者:
アンドレ・ジード 川口篤
出版社:
岩波書店
コメント:
これほど切ないお話ってないではありませんか。ここまで救われないことって赦されるのでしょうか。妻子持ちでも年甲斐もなく恋をして、家族の絆すら顧みず一途に愛した結果、報われず絶望的に傷ついて、でもどうすることもできない。家庭と良心とを犠牲にしてまで育んだ愛情が一瞬にして反故にされる、恋人の眼に視力がよみがえったがために。さすがにつらすぎる。真実を目の当たりにすることで今まで築いてきたものが崩れ落ちる悲しみはいかほどのものか。こんなに悲しい思いをさせるくらいなら私は盲目のまま一生を終えたい。

ペンネーム:
ハルカゼ
大学・学年:
早稲田大学 2年
書名:
ツミデミック
著者:
一穂ミチ
出版社:
光文社
コメント:
コロナによって私たちは「死の身近さ」に直面した。それなのにどうして戦争はなくならないのか。そしてそれは戦地のみならず日本にも否応なく影響を及ぼし、そこにあるはずだった「命」を奪う。また、コロナに罹患していなくとも「コロナのせいで」社会生活が一変し、自ら死に向かう人、そしてそれを弄ぶ人。

自殺を止めることや未成年に中絶を勧める、という私たちの「当たり前」は正義なのか、生死について深く考えさせられた作品でした。

ペンネーム:
い都
大学・学年:
関西学院大学 3年
書名:
ワンルームから宇宙をのぞく
著者:
久保勇貴
出版社:
太田出版
コメント:
20代と括ってしまうと大袈裟な気もするから、コロナ2縲・年目に大学生活(院含む)に片足つっこんでいた若者くらいにしておこうと思う。たぶん殆どみんな、どこかにぽっかり穴が空いていて、しっかり者キャラを貫くあの子だって、なんだか足が地についてないような、体か心がふわふわ浮いているような(嬉しくてではない)、あっけなく“元の生活“が引力を取り戻した世界に、毎日に、置いていかれているような気持ちになったこと、あると思うのです。自分が気づかず言葉に出来ずだったあの寂しさを、一緒に掬い直してくれる一冊です。

ペンネーム:
うさねこ
大学・学年:
鳥取大学 1年
書名:
図解でわかる!理工系のためのよい文章の書き方
著者:
福地健太郎 園山隆輔
出版社:
翔泳社
コメント:
大学に入り日々のレポートに取り組む中、本当にこの文章で伝わるのか不安に思うことが多くありました。なかには期限ギリギリだからとりあえず出さなければと滅茶苦茶な文章もあったと思います。この本ではレポートや論文などの論理的内容を求める文章の書き方が紹介されており、基礎がなっていない人には一番初めにお勧めしたい本です。文章と図解で解説されたいへん読みやすくなっています。基礎さえ身につければ課題なんてもう怖くない!!

ペンネーム:
ur
大学・学年:
仙台白百合女子大学 1年
書名:
イニシエーション・ラブ
著者:
乾くるみ
出版社:
文藝春秋
コメント:
sideAとsideBに分けられていてAでは鈴木夕樹の大学生時代Bでは学生時代だと思い読み進め社会人になり移動になり遠距離恋愛となると移動先で浮気とかやっぱりするのかとか永遠はないのかと現実的な恋愛を主張しているのかと思いながら読んでいた。すると最後の2行で鈴木の名前が辰也に変わっていた。これには困惑した。どこで人が変わった?解決できず解説を読んだ。理解するとsideAとB女の子は同じだが男の子が違った。つまり女の子も浮気していた。これにはやられた。確かに女の子の行動、言動繋がっていた。とても面白い。

ペンネーム:
もろっこ
大学・学年:
大阪大学 1年
書名:
イシューからはじめよ 改訂版
知的生産の「シンプルな本質」
著者:
安宅和人
出版社:
英治出版
コメント:
よいイシューとは、答えを出すことのできる問題のことだという。自分の頭で物事を考え、深い理解をするためには、それなりの時間が必要。一心不乱に大量の仕事をこなし、上にいこうとしても無駄だということが分かった。また、いきなり分析に入るのではなく、シンプル、本質的に向き合うことが大切だという考えには驚いた。問題解決で行き詰まったときに再読したい一冊だ。

ペンネーム:
ポリフォニー進
大学・学年:
新潟大学 大学院
書名:
悲しみよこんにちは
著者:
フランソアーズ・サガン
河野万里子
出版社:
新潮社
コメント:
17歳の少女セシルとプレイボーイの父レイモン、そして女性たちのひと夏の物語。輝く太陽と、眩しいくらい乱反射する水面が浮かぶ描写がなされている。セシルは傷つきやすい子供の部分と確立した自己の部分がある成長段階の女性だ。この小説でセシルは傷を経て少し大人になるが、傷の治癒ではなく、傷を認知して共生することが大人になることだと思わされた。私は昔に比べて傷つきにくくなり、大人になったのだと思っていた。しかし私は無数の傷の見てみぬふりが上達しただけなのだろう。綻びを大切にすることをこの小説は教えてくれる。

ペンネーム:
モモノスケ
大学・学年:
新潟大学 1年
書名:
夜と霧 新版
著者:
ヴィクトル・エミール・フランクル
池田香代子
出版社:
みすず書房
コメント:
ずっと気にはなっていたけれど、強制収容所という圧倒的な負の表徴に怖気づき、なかなか手に取れなかった本だ。
人間の尊厳をむしり取られ、飢餓と残虐性に嬲られ、完全な不条理に晒されたユダヤ人たち。そんな状況の中で高度な精神性を保つなど、私には到底できない。まして思索を深めるなど。
これは名目上、被収容者たちの「心理学的分析」とされているが、ある種の哲学だ。極限状態に置かれ、彼の生命論はコペルニクス的転回を示した。
詳説は措くが、自分の存在や生に意味が見出せないと言って自殺する若者にこの本を読ませてあげたい。

ペンネーム:
詩暢
大学・学年:
京都大学 1年
書名:
学生との対話
著者:
小林秀雄
出版社:
新潮社
コメント:
現代文の授業で読んだ、小林秀雄の評論は高校生の私を混乱の渦中に引きずり込んだ。
いわんとすることを理解しようとしても、体感として取り込むことができない。そんなほろ苦い経験として、小林秀雄は脳内に残っていた。
本書は、自分と近い目線をもつ学生による質問、また、小林の学生に語りかける口調がそのまま文字に起こされていることもあってか、以前のような強烈な抵抗は感じなかった。
「信ずるということは、責任を取ること」。多数が言っている意見に乗っかっておけばいいだろう、と高を括っている今の自分には、この言葉が重い。

ペンネーム:
本を読む看護学生
大学・学年:
新潟大学 1年
書名:
いのちの停車場
著者:
南杏子
出版社:
幻冬舎
コメント:
医療の尊さと難しさとを、一口ずつ口に詰め込まれたような感覚になる作品。
在宅医療と終末期の問題は、あまりにナイーブで考えることすら憚られる。それなのに、医療は高度化して人生の線路はどんどん長くなる。だから、「いのちの停車場」は必要なのだ。一度立ち止まって、自分の人生と命についてゆっくり考えなくては。そう思わせてくれたこの作品は、私にとって間違いなく「いのちの停車場」だ。

ペンネーム:
隣の芝生は臭い
大学・学年:
岡山大学 4年
書名:
正欲
著者:
朝井リョウ
出版社:
新潮社
コメント:
皆がよかれと思ってやっていることyは本当にその当事者の事を思っているのだろうか。そんんなことを読後に考えてしまった作品である。
我々は自分がよしと信じることを求める正欲に満たされているんじゃないか。その欲を他人に押し当てることに意味があるのか。
これを読めばある程度答えがでるんじゃないでしょうか。

ペンネーム:
レン
大学・学年:
岡山大学 4年
書名:
「片頭痛」からの卒業
著者:
坂井文彦
出版社:
講談社
コメント:
臨床医としても活躍する筆者による片頭痛撃退攻略本。片頭痛の見分け方から薬の情報まで詳しく載っています。頭痛に悩む人はもちろん、身近に頭痛持ちがいる人にも読んでほしいです。(岡大図書館で借りられます!)

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