2024年12月27日現在
11月に投稿されたコメント663枚から選考しました。
選考は、大学生協の全国学生委員、出版甲子園学生メンバー(特別協力)、
書籍担当職員、顧問をお願いしている先生で行いました。
ナイスコメント9点、次点5点でした。おめでとうございます!
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- コメント:
- 「大学生のうちにやっておくべきこと」とか「20代にしかできないこと」とか、目に鼻に口に押し寄せて息ができない。うっとうしい。でもどこに向かえばいいのか分からない。
そんな私に、ブッダは言った。幸せになれ、と。あまりにシンプルな言葉だったが、その揺るぎない重みが胸に響いた。
勉学が食っていくための地図だとすれば、ブッダの言葉は人生を渡る羅針盤だ。これから環境も自分自身も大きく変わっていくだろう。それでも変えなくていいものを手に入れた気がする。変化の中で揺るがない指針を胸に、私は少しずつ前へ進めそうだ。

- ペンネーム:
- ひろと
- 大学・学年:
- 名古屋大学 2年
- 書名:
- 灯台へ
- 著者:
- ヴァージニア・ウルフ 鴻巣友季子
- 出版社:
- 新潮社
- コメント:
- 面白い小説はありふれているけれど、いい小説は100冊読んで1冊でもあればいい方なのだと思う。この小説を私と同じようにいい小説だと感じる人はもしかしたら少ないのかもしれない。けれどもこの小説ほど人々の愛憎入り混じる機微を歪曲も誤魔化しもせずに、瞬間瞬間をありのまま紙と鉛筆で生体模写し、極度に高いフレーム数でアニメーション化したような小説にはめったに出会えないのではないだろうか。また、情景描写も美しい。人間という存在の輪郭はなんと不鮮明で、言葉とはなんと不遜で、小説家とはなんと勇敢だろうかと感じた。

- ペンネーム:
- くろのすけ
- 大学・学年:
- 横浜市立大学 1年
- 書名:
- 女の子の謎を解く
- 著者:
- 三宅香帆
- 出版社:
- 笠間書院
- コメント:
- 共感するパートばかりだ、この本は。私の心に沈殿していた言語化出来ないモヤモヤを、上手く捻り出してくれたようなすっきり感がある。
ナイスコメントを読んでいた時に本書を見つけた。すぐ読んでみると、それはもう引き込まれる。もっと早く読みたかったものだ。本書で一番共感したのは「女性の女嫌い」について語るパートだ。女の弱い部分、力が弱く産む性に運命づけられた者が男に弱みを見せ媚びるシーン、を見せられることで女嫌いを深める女性についての解説は是非読んでみてほしい。フィクションだって現実と結びついているのだ。

- ペンネーム:
- 本を読む看護学生
- 大学・学年:
- 新潟大学 1年
- 書名:
- 文豪お墓参り記
- 著者:
- 山崎ナオコーラ
- 出版社:
- 文藝春秋
- コメント:
- 今は亡き文豪の墓参りの話なのに、かえって文豪が生き生きとして見える不思議な作品。
生協の書店を歩いていたとき、「お墓参り」というタイトルが目に入り「なんちゅータイトルなんだ」と足が止まった。亡くなった人のことばかり書いているのにかえって生き生きとしていて、教科書のすみっこで会った彼らの人生がどんなに多彩だったかを知る。そして、「こう死にたい」ではなく「こう生きたい」と思わせてくれる。この運命の出会いに、私は感謝しなくてはならない。
- コメント:
- 友人から唐突にヒトラーが主人公の小説をオススメされた時は、縁を切ろうかと思ったけれど、これがなかなかどうして面白い。薦めたくなる気持ちも分かる。キヨスクやyoutube、トーク番組など「ヒトラーが現代にタイムスリップしたらこうなる」「彼はこう考える」という細部が、実にリアルで、ふと彼を身近に感じている自分に気づき、ぞっとするところまでが読み味である。希代の演説家、先導者である彼が、現代メディアをフル活用したらどうなるか、是非その目で確かめて欲しい。翻訳小説初心者にもお勧め。
- コメント:
- この物語の残酷さには、どんな凶悪犯が出る名作ミステリも及ぶまい。
部活の友人から、世界一面白い本と勧められて手に取った。確かに、今まで読んだどの物語より刺激に満ちていた。だが、軽い気持ちで足を踏み入れるべき世界ではなかった。
北米大陸の麻薬戦争を描いた魂の一作。
欲と快楽に呑まれる人間の姿を、交錯する正義を、真の意味で目の当たりにした。当たり前のように薬物乱用防止が謳われる、この現状がどれほど貴いものか、奇跡の上に成り立っているか、痛感した。
いっそ皆が皆人でなしであったなら。
……下巻は暫く読めないな。
- コメント:
- 読み終えた時、運命の一冊に出会ったと思った。
まさか、お笑い芸人の本にここまで心を打たれるとは思ってもみなかった。
特に、社会との関わりに苦手意識を抱えているわけではなかったが、やんわりと生きづらさのようなものを感じていた。
読み進めるにつれて、その生きづらさのようなものが言語化されていくと同時に、少しだけ心が軽くなっていった。
春から社会人になる。
全く新しい環境と人の中で、納得できないことも多くなるだろう。
自分だけでは解消できなくなった時、読み返そう。
そのタイミングにほしいツッコミが、ここにはある。
- コメント:
- 黄色の表紙「ドラえもんの学習シリーズ」を知っているだろうか。今回紹介するのはあのシリーズの中から「読書感想文が書ける」である。読書マラソンに参加して10冊程度もコメントを書いてきたが、全く上手に書くことができない。小学生の書く読書感想文も大学生が書く読書コメントも一緒だということに気づき小学生向けの本を読んでみた。「3つの柱」「なたもだ作戦」などの文章術は大変勉強になった。とりあえず、読書マラソン参加者は一読した方がいい!きっと文章の組み立てがよくなり、魅力的な文章が描けるようになるだろう。

- ペンネーム:
- 月
- 大学・学年:
- 広島大学 2年
- 書名:
- 三千円の使い方
- 著者:
- 原田ひ香
- 出版社:
- 中央公論新社
- コメント:
- あなたの婚約者には550万円の奨学金返済義務がある。利子も含めると総額732万円で、20年間月3万円ずつ返済しなければならない。それでも、あなたは婚約者と結婚するか?
本作は、さまざまな年代の女性が抱えるお金の悩みが書かれている。奨学金はいまや多くの大学生が借りているもので特別なものではない。しかしこれは借金であり、社会に出ると返していくものだ。家庭をもてば月3万円がいかに貴重なものであるかは言うまでもない。奨学金を借りている私にとって耳が痛い話でもあった。大学生には絶対に読んでほしい一作。
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【次点:5件】
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- コメント:
- 紅茶の国と言えば、どの国を想像するでしょうか。
この本を読めば、紅茶はもちろん、紅茶以外の茶に関する様々なことまで知ることができます。茶の特徴、国ごとの歴史、飲み方、文化、テーブルマナー、ビジネスマナーなどなど、読み終わった後は誰かに教えたくなるような知識が盛りだくさん。もちろん、自身の教養を育てるためにもお使いいただけます!
さて、私は紅茶の国といえば、ヨーロッパ諸国のどこかかな、なんて思っていました。答えは、その本を読んで確かめてください!

- ペンネーム:
- げっこー
- 大学・学年:
- 宇都宮大学 3年
- 書名:
- こゝろ 改版
- 著者:
- 夏目漱石
- 出版社:
- 角川書店
- コメント:
- 夏目漱石の『こゝろ』は、「一生に一度は読みたい、国民的名作」と言っても過言ではない。恋、友情、家族という普遍的なテーマが描かれているからこそ、エゴイズムと罪の意識の狭間で苦しむ“先生”の姿は、誰しも心のどこかに重なるものがあるのではないだろうか。「上 先生と私」、「中 両親と私」で散りばめられた伏線は「下 先生と遺書」で次々と回収されていく、推理小説のような展開にも驚かされる。そして“先生と遺書”は、先生個人の人生を告げるものである以上に“私”、さらに読者の生き方を問うものでもあるのだ。

- ペンネーム:
- しゅん
- 大学・学年:
- 名古屋大学 4年
- 書名:
- 成瀬は天下を取りにいく
- 著者:
- 宮島未奈
- 出版社:
- 新潮社
- コメント:
- 私は人を気にしないようにしている。周りと比較しないし、自分を一番信じている。ただ、親友や家族などは信頼しているし、孤独を感じたことはない。
成瀬の生き方はかっこいい。自分の芯を持っている人間にやはり私は惹かれる。なにより、成瀬の人間味はとても美しい。成瀬を見て、私は自分の生き方は変えるべきではないと感じた。
一人の人間は、誰よりも強いと感じる。それは、孤独を恐れないからである。周りを気にしている人間こそ誰よりもおびえている。
ぜひ、成瀬の生き様に勇気をもらってほしい。

- ペンネーム:
- 冷房レインボー
- 大学・学年:
- 三重大学 4年
- 書名:
- 月の立つ林で
- 著者:
- 青山美智子
- 出版社:
- ポプラ社
- コメント:
- 「自分なんて」と思ってしまうことはありませんか?
私は、この本を読了したとき、まるで自分を肯定されたかのような気分になった。なぜなら、「自分なんて」と思うそれぞれの登場人物たちは、実はみんな誰かのためになっていると気づいたからだ。
人との関わり合いの中で不安に思ったり、難しく思ったりすることがあるかもしれない。そんなときにぜひこの本を読んでほしい。月と地球が実は日々互いの距離感を変えているように、その時のその位置であなたは輝けばいいのである。

- ペンネーム:
- 小梅
- 大学・学年:
- 立命館大学 大学院
- 書名:
- これは王国のかぎ
- 著者:
- 荻原規子
- 出版社:
- KADOKAWA
- コメント:
- 「失恋した15歳の誕生日、目が覚めたらアラビアンナイトの世界に飛び込んでいた!」という裏表紙のあらすじが、失恋したばかりの私の目に飛び込んで、心を揺さぶった。その内容は、刺繍調の可愛らしい表紙には似つかわしくないほど奇想天外な冒険物語で、読むだけでワクワクしたりドキドキしたり、気がつけば辛い気持ちなんて忘れて、没頭してしまうほど目まぐるしく展開が起こっていく。世の中の色々なことに疲れて、現実をしばらく忘れたいという人にはとてもオススメの一冊。最後の最後の壮大な“オチ”まで目が離せません。
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