今月のナイスコメント(2025年1月)速報

2025年3月3日現在

1月に投稿されたコメント454枚から選考しました。

選考は、大学生協の全国学生委員出版甲子園学生メンバー(特別協力)、
書籍担当職員、顧問をお願いしている先生で行いました。

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ペンネーム:
側面
大学・学年:
東京外国語大学 1年
書名:
N/A
著者:
年森瑛
出版社:
文藝春秋
コメント:
他者に対する配慮はマニュアル化されたものであるべきじゃない。人の属性に対して配慮をするんじゃなくて、その人自体に対する配慮がしたいし、その配慮は思いやりや優しさの形でありたいとこの本を読んで思った。この本を読む前の私に戻りたくないと思えるくらい、この本に出会えてよかったと思う。他人の属性を決めつけてそれに相応しい対応をするのに疲れた人や他人に属性を決めつけられて傷ついたことがある人に読んでほしい。

ペンネーム:
モモノスケ
大学・学年:
新潟大学 1年
書名:
兎の眼
著者:
灰谷健次郎
出版社:
新潮文庫
コメント:
進化版・重松清。灰谷健次郎が教科書に載らないのは、理想と現実の差に苦しみ良心の呵責に苛まれる教育者側の精神衛生のためだと思う。小学生なら正義感を奮い立たせそうだが、私たちの年齢では難しい。きれいごとでなく正しいのだが、私は小谷先生達のようにはできそうにない。ハエを飼育する少年、ドブの中で泥まみれになった手、落ち着いていられず粗相をする知的障害の少女。明るく平等に接して辛抱強く待つことは、正しいし道徳的だし然るべきあり方だが、なぜそれができないのだろうか。個人と言わず社会の根本的な問題だと思う。

ペンネーム:
エネルギィ
大学・学年:
九州工業大学 3年
書名:
勉強の価値
著者:
森博嗣
出版社:
幻冬舎新書
コメント:
小学校のスポーツから始まり、受験、就活、そして恋愛。これまでの人生で、望む望まないに関わらず、全ての人が競争に巻き込まれてきた。今後もそうだ。気づけば、他人に勝つことに全ての意味を見出すようになってしまった。自分の能力を直接的に上げるものでなければやりたくない。こう考えて生きていくうちに、自分が何に対して楽しいと感じるのか分からなくなる。だから、趣味なんてものはない。あったとしても、他人に聞かれたときに答えるための趣味だ。本当に楽しいと感じるわけではない。
そんなあなたにこそ、本書を読んでほしい。

ペンネーム:
Uka
大学・学年:
西南学院大学 2年
書名:
コンプレックス・プリズム
著者:
最果タヒ
出版社:
だいわ文庫
コメント:
誰かに話すほどでもない、ずっと自分のなかでぐるぐるしていることを言葉にできたらいいのに。自分のこと性格悪いって思った瞬間とか私の好きは不十分なんだとか未熟さが恥ずかしい気持ちとか。この本にはそういう気持ちがせきららに書いてある。作者が振り返っている過去の姿が今の私のようで、いつか私も、今のように思わなくなる日が来るのだなあと思った。アーティストのように「生きた思考回路として瞬間瞬間を迎える人間」になれなくてもいいと思える、そんな未来の可能性にぼんやりと希望を感じた。

ペンネーム:
さつまいも
大学・学年:
大手前大学 1年
書名:
掬えば手には
著者:
瀬尾まいこ
出版社:
講談社
コメント:
才能ってなんだろう。私は、みんなが認めてくれるようなすごいものじゃないと才能とは言えないと思っていた。でも、この本を読んで気付かされた。たとえ小さな事であっても、その人にしかない特別なものがあって、それだって立派な才能なんだと。別に人に自慢できるような、誰もが驚くようなものでなくても良いんだと。自分って一体何ができるんだろう、良いところなんてない…。そんな、自分を見失いそうになっている人に読んでほしい。

ペンネーム:
しゃんしゃん
大学・学年:
早稲田大学 1年
書名:
生殖記
著者:
朝井リョウ
出版社:
小学館
コメント:
ネタバレになるから具体的には何も書けない。でも人生で読んだ本の中で1番か2番に好き。深夜2時に読み終えてすぐ家族にLINEで、読むよう勧めた。主人公は私よりも10個以上年上だから取り巻く環境が違うがゆえに、抱える悩みも違うが、おおよそ自分が中学生の時から大学一年生の今現在まで悶々と考えてきたことが、主人公を通して言語化されていき、読みながら耐えられず、うわーーって叫びそうになった。うまく言えないが、自分の中のどこかが救われた気がしたし、この本が本屋さんで平積みされるほど売れていることがなんかグッとくる。

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【次点:10件】

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ペンネーム:
ミミニウム
大学・学年:
大阪大学 4年
書名:
言葉と脳と心
著者:
山鳥重
出版社:
講談社現代新書
コメント:
言葉はふしぎ。当たり前に言葉を操っている人として、この不思議さを見落としがちであるが、獲得済みの言葉を、一旦失ってしまうと……それこそ言葉にならない痛みや苦しみを、自分の心の中に閉じ込める以外の手はないだろう。本書は、健忘失語、ブローカ失語、ウェルニッケ失語、伝導失語、そして右半球損傷による非失語性の言語障害を取り上げて、非常に興味深い著者の自身や同僚が経験した症例を紹介した。読み進めると、初心者でも楽しくこれらの典型的な失語症候の病像、その背後のメカニズムについて把握できるようになると思う。

ペンネーム:
大学・学年:
広島大学 2年
書名:
舟を編む
著者:
三浦しをん
出版社:
光文社
コメント:
誰しも一度は人生で紙辞書を使ったことがあるはずだ。かく言う私も高校入学時に国語辞典、英和辞典、古語辞典を購入し使用していた。今や、分からない言葉があればネットや電子辞書で簡単に調べることができるが、そんな中でも改訂され続けている紙辞書はどんな歴史があり、どんな作り手の想いがあるのか。本作は紙辞書の制作に携わる辞書編集部の様子と想いが赤裸々につづられている。読後、家にある紙辞書を開いてみたがいつもよりなんだか重い気がした。この本を読めばきっとあなたも紙辞書に対する見方が変わるはずだ。

ペンネーム:
本の虫
大学・学年:
東京経済大学 4年
書名:
君はなぜ働くのか
著者:
永松茂久
出版社:
フォレスト出版
コメント:
履歴書に営業をやりたい理由は書いたよ、その会社で働きたい理由も書いたよ。でもそもそもなんでも自分が働くのか。お金を稼ぎたいから、自分が成長したいからとかありきたりで自分のことなのにどこか他者の言葉のような答えしか出てこなかった。私の周りにも就活を終えて内定式に行ったけどこの就職するまでの間に働く理由がそもそもわからない人が多いように思う。そんな時にこの本は「なぜ」と「意味」をどう追求するかヒントをくれた。

ペンネーム:
1ch
大学・学年:
富山大学 1年
書名:
なぜ働いていると本が読めなくなるのか
著者:
三宅香帆
出版社:
集英社(新書)
コメント:
この本は前半の「ノイズ」と後半の「エッセンス」に分かれていると考える。私たちは、普段ネットで欲しい情報をダイレクトに得る作業に慣れてしまい、自分と関係のない文脈を拾い上げ、玩味するという楽しみを忘れていると気づかされた。この話の結論は、「全力で仕事をするのを辞めましょう」であるが、そのエッセンスを取り囲む多数のノイズにこそ、含蓄に富む、人生を豊かにするモノが含まれると気づいた。本書では、読書史がノイズにあたる。それを除いたとて、エッセンスは伝わる。しかし、そのノイズこそが尊いのだと感じた。

ペンネーム:
おゆん
大学・学年:
岩手大学 1年
書名:
植物図鑑
著者:
有川浩
出版社:
幻冬舎文庫
コメント:
普通のOLさやかがひょんなことから拾った青年樹と「狩り」をするようになる話。読了後は、日常が今まで気に止めていなかった草花達に彩られたような気持ちになった。草花の名前をひとつ覚える度に、シロツメクサで花かんむりをあんだ思い出や、小学校に行く時のワクワクとした気持ちがよみがえってくる。これから誰かと新しく花の名前を覚えたら、その花を見る度にその時の気持ちを思い出すのだろう。日常を少し特別にする気づきを与えてくれる本だと感じた。

ペンネーム:
エネルギィ
大学・学年:
九州工業大学 3年
書名:
孤独の価値
著者:
森博嗣
出版社:
幻冬舎新書
コメント:
コロナ禍があったことなどもうすっかり忘れて、仲間とわいわい生活している人もいるだろう。一方で、コロナ禍のせいで友人や恋人を作りたかったにもかかわらずうまくいかなかった人もいるだろう。そのどちらにも読んでほしい一冊だ。世間の多くは、孤独は嫌なもの、避けたいものだと考えている。しかし著者は、孤独は悪くないもの、むしろお金を払ってでも手に入れるべきものだと述べる。本書を読めば、孤独の価値について知ることができるだけでなく、本当にやりたいことは何なのか、考えるきっかけを手に入れることができるだろう。

ペンネーム:
お茶ごくごく倶楽部
大学・学年:
大阪大学 1年
書名:
終点のあの子
著者:
柚木麻子
出版社:
文春文庫
コメント:
女子高に通う女の子たちのお話。誰かに憧れて「何者かになりたい」ともがくけれど、教室という狭い空間の中では、未熟さもあって互いに傷つけ合って、憎しみ合って。そんな痛みを一度でも経験したことがある人に、この小説は深く刺さるだろう。現に私は大変共感した。同性として、読んでいて登場人物に対してイラっとくる場面があるほどに、作者の描く彼女たちは“生きている”。だがそこには絶対的悪役はいない。自由奔放なあの子も美人なあの子も、おとなしいあの子も、ただ自分を見つけるために必死に生きていた。

ペンネーム:
パプ
大学・学年:
同志社大学 2年
書名:
光のとこにいてね
著者:
一穂ミチ
出版社:
文藝春秋
コメント:
光の射すところにいてほしい。その願いを私が抱く相手がいるとしたら,それは弟だ。昨日誕生日を迎えた,生まれたときのことをぼんやり覚えているくらいには年の離れている,大切な弟。どうかずっと健やかにと願うこの気持ちが,作中で同じことを願ったはずの果音よりも純粋なものに感じるのは,愛の種類が違うだからだろうか。
光のとこにいてねーーあなたにそう願う人がいるのなら,ぜひ結末を読んで考えてみてほしい。

ペンネーム:
リノイ
大学・学年:
名古屋大学 大学院
書名:
レヴィ=ストロース入門
著者:
小田亮
出版社:
ちくま新書
コメント:
名前を知っている人は多いでしょう。高校の倫理(公共)を学習したことがある人は、構造主義の哲学者という理解でしょうか。ところが、これには誤りと不十分な点があります。誤りは、レヴィ=ストロースが哲学者ではなく「文化人類学」の道を歩んだこと。そして不十分な点は、どうして「構造」を解き明かしたかったのか、その先に何を目指していたのか。真相は、「人間というものを理解するためにはたった一つの社会だけを考察するのでは不十分だという自覚」(13頁)という言葉に隠されています。ぜひ、その謎を紐解いてみてください。

ペンネーム:
リョウ
大学・学年:
甲南大学 1年
書名:
大学4年間で絶対やっておくべきこと 恋愛・学業・友人関係がうまくいく50のルール 特別版
著者:
森川友義
出版社:
KADOKAWA
コメント:
この本は大変興味深いかつなかなかない本だと思っています。だって友達や恋愛関係のあり方を大学生活で学ぶべきとした上で、そのやり方まで丁寧に説明して下さっているのですから。しかも個人の意見をただ書くだけではなくて、科学的に友人や恋人の作り方が書かれています(心理学や経済学の考え方が出てきます)
大学生活を送る上で少しでもこれでいいのかと思ったり不安に感じたりしたら読みたい本ですね。

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