今月のナイスコメント(2025年4月)速報

2025年6月7日現在

4月に投稿されたコメント662枚から選考しました。

選考は、大学生協の全国学生委員出版甲子園学生メンバー(特別協力)、
書籍担当職員、顧問をお願いしている先生で行いました。

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ペンネーム:
303
大学・学年:
広島大学 1年
書名:
彗星を追うヴァンパイア
著者:
河野裕
出版社:
KADOKAWA
コメント:
「学ぶことは、考えることは、読み解くことは、間違えることは。なんて、喜びに溢れているんだろう。」
この本を読んでいる間にも、世界で誰かが新たな発見をしている。誰かが研究に没頭している。誰かが問題に直面している。そして、誰かが未知という怪物を愛している。それは、ニュートンの残した自然哲学の数学的諸原理の余白であり、この世界の根底にある大きな流れ。その流れはあまりに大きく、あまりに美しい。だから、きっと気づきにくい。それこそが学問の本質。
学問を志す、全ての人に読んでほしい一冊だ。

ペンネーム:
マズルカ
大学・学年:
東京大学 4年
書名:
植物は動けないけど強い したたかに生きる草木の処世術
著者:
北嶋広敏
出版社:
ソフトバンク新書 228 SBクリエイティブ
コメント:
置かれた場所で花を咲かせなさい。
新学期のクラス替えのたびに、耳にタコができるほど聞いてきたこの台詞。子どもは特に、自分で環境を選ぶことはできない。そう、植物のように……
さて、植物は環境を選べないほど、受動的な存在なのだろうか。確かに植物は動けない。だが、身体につまった生存戦略は驚くばかり。3200年も休眠して、適した環境を待つものもあれば、山火事のタイミングだけを選んで生える植物もいる。
植物でさえ環境を選べないわけではない。
だから。人間だって、「花を咲かさなければ」と苦しむ必要はないと、私は思う。

ペンネーム:
らるる
大学・学年:
東京大学 1年
書名:
障害者のリアル×東大生のリアル
著者:
野沢和弘 東京大学
出版社:
ぶどう社
コメント:
本のタイトル通り、障害者のリアルも、東大生のリアルも知ることができたと思う。知ることができた、と言ったが、完全に理解したわけではない。他人を完全に理解することなどおそらく不可能だ。しかし、自分がいかに障害者や東大生を、その枠の中で捉え、一人ひとりが違う存在であることを忘れがちか痛感させられた。障害者も東大生も、いろんな意味で「あなたと私は違う」と言われるような場面がある。しかし、そうした違いよりも、もっと同じ部分に注目して、多数派の規範を変えられたらいい。

ペンネーム:
本を読む看護学生
大学・学年:
新潟大学 2年
書名:
口に関するアンケート
著者:
背筋
出版社:
ポプラ社
コメント:
口は災いのもとだと思いますか?
初めて本作と書店で出会ったとき、第一声は「小さいな」だった。物理的に、小さいのである。掌の半分くらいしかない。小さいものを見るとき、自ずと目を近づける。本自体や前髪が影になり、違和感に気がつかなくなる。そしてようやく気がついたときにはもう遅く、4月初頭のバス停なのに蝉の声が聞こえるのである。

ペンネーム:
DB好き
大学・学年:
名古屋大学 3年
書名:
余白思考 アートとデザインのプロがビジネスで大事にしている「ロジカル」を超える技術
著者:
山崎晴太郎
出版社:
日経BP 日経BPマーケティング
コメント:
余白から派生した概念は、どれも現代の私達に足りないものばかりであった。先入観や偏見に縛られない、異なる価値観の入り込む余裕。それは芸術だけでなくビジネスマネジメントやコミュニケーションにも関係する。漠然とした不安や他者への苛立ち。それらが私達自身の余白の狭さを証明している。だが、余白を広げてみるといかに視野が狭かったかが分かり、私自身溜まっていた不安も減少した。自分自身の限界値を他者との比較で捉えるのではなく、自分の絶対軸として考え直すとあなたにも余白が生まれるだろう。

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【次点:4件】

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ペンネーム:
大川そうま
大学・学年:
名古屋大学 4年
書名:
成瀬は天下を取りにいく
著者:
宮島未奈
出版社:
新潮社
コメント:
はじめて好きなバンドのライブに行った時のことを思い出した。悔しい。自分にもこんな文章が書けるとか,こんな演奏ができるなどと思いあがっているわけでも,嫉妬しているわけでもない。ただ,私はもっと頑張れるはず,真剣にならなければならない,といった具合の気持ちだ。成瀬あかりの言動は,エネルギッシュでありながら,それは一貫したポリシーのアウトプットの結果にすぎない。そんな成瀬に読者も影響されるのではないだろうか。例えば私は,M-1グランプリに応募することはないが,読書マラソンに参加してみようと思った。

ペンネーム:
がうっちぃ
大学・学年:
静岡大学 3年
書名:
俳諧の詩学
著者:
川本皓嗣
出版社:
岩波書店
コメント:
図書館で埃をかぶっていた本は、私が手に取った瞬間にまるで深い眠りから目を覚ましたようだった
言葉を通貨と例える序章に本をめくる手はたちまち止まらなくなる。お金のように言葉もそれ自体に興味はない。けれど、手垢のついたそれを普段とは違う使い方をすることで、無視することができなくなる。そうさせる力を持っているのが「詩」なのだ。普段は隣にいないもの。文法のおかしいもの。何かに託す想い。そしてまた、言葉に溺れるんだ。
この本が深い眠りにつくのかどうかは、今これを見てくださっている皆さん次第だろう

ペンネーム:
たこやきこ
大学・学年:
静岡大学 1年
書名:
拝啓、十年後の君へ。
著者:
天沢夏月
出版社:
メディアワークス文庫 0445
KADOKAWA
コメント:
拝啓、十年後の君へ。君に預けたコバルトブルーのクレヨンは、まだそこにありますか?
小学生の時に見ていた高校生の背中がどれだけ大きかったか覚えている。未来の自分に手紙を書くと言われても、うまく想像できなかったことを覚えている。自分が小学生の頃に書いた、成人した私宛ての手紙を読んだとき、手紙の中の私がやけにキラキラして悩みなんて何もないって顔でこちらを眺めていたのを思い出した。いつから私は変わってしまったのだろう。何を諦めてしまったのだろう。

ペンネーム:
寝グセ
大学・学年:
名古屋大学 1年
書名:
ロシア語の余白
著者:
黒田竜之助
出版社:
現代書館
コメント:
この本を手に取ったのは、秋から始まる第二外国語の履修で悩んでいるからである。特にこだわりもなく英語もろくに話せないのに決められるはずもない。何か情報をと読み始めた。エッセイに出てくるロシア語の単語や文法は当然わからない。それでも読み通せたのは言語を通して見る異文化に惹かれたからに他ならない。著者の語る映画や音楽といったロシア文化や旅行体験(主に旧ソ連時代!)はどれも面白い。改めてみるとキリル文字もなんだかかっこよく見えてきた。じゃあロシア語を履修するかと言われると…それはまた別問題。

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