
山と溪谷社
定価1,760円(税込)
「日本で現存する唯一のクチキゴキブリの研究者」の大崎遥花は、1994年に東京で生まれ、九州大学、京都大学を経て、ノースカロライナ州立大学で研究を続けている生物学者。執筆時点で定職がないので研究者の卵といっていいかもしれない。「自分の研究を自分が一番面白いと思わなくて、誰が面白いと思ってくれるのか」(66頁)など、読者は沢山の「名言」を発見するだろう。「研究とは総合格闘技」(255頁)と断言し、最前線で格闘する筆者の後ろ姿から、私のような古い研究者でも学ぶところが多い。研究職をめざす若い人にぜひ読んでいただきたい名著だ。