米山高生の若い研究者にお薦めしたい本たち ~進路を迷うアナタにも~

『研究者、生活を語る-「両立」の舞台裏』
岩波書店編集部

表紙

岩波書店
定価2,640円(税込)

 
研究者に進むかどうか迷っている皆さんにとって、「先達はあらまほしきことなり」(『徒然草』)ではないか。生活は人の数ほどあり、多様なものだ。だからこそ先輩の様々な経験談から得るものがたくさんある。
本書では、研究者という道を選んでしまった宿命の人たちの体験談が語られる。そこには、子育て、親族との離別など、研究者でなくとも直面する課題がある。しかし同時に研究者という職業につきものの悩みや問題も語られている。すでに研究者である人は、この本を読んで「他人のふり見てわが身をただす」かもしれない。私の世代からみると、今の若い研究者はじつに自由で逞しくうつる。さらに若い世代の読者の皆さんには、もっと期待している。