
ちくま文庫
定価748円(税込)
皆さんと同世代の書いた本ではなく、物故した社会史研究者の著作だが、あえて取り上げた。この本の前半では、自分がいかにして研究対象にたどりついたのかが、自伝的な記述の中で描かれている。学問は自分が優秀であることを示す手段ではない。では、何のために学問をするのだろうか?
著者は、学生の時に、師匠からそれをしなくては生きて行けないようなテーマを持ってくるように言われた。学生の卒論への要求としては厳しすぎる。でも、研究者ならば「これをしなくては、いてもたってもいられない」ような課題を持つことはとても大事なこと。皆さんが研究者コースに進む際には、こんなことも考えて研究テーマを探していただきたい。