受験生(高校生)保護者座談会 @立命館大学(2025年開催)
大学受験は、お子さまの人生における大きな岐路。しかし、一番悩んでいるのは保護者の皆さまかもしれません。今回は、受験を乗り越えた現役大学生と、高校生のお子さまを持つ保護者の皆さまにお集まりいただき、受験期の親子のリアルな関わり方から、想像とは少し違う(?)大学生活の実情まで、気になる本音を語り合っていただきました。大学進学について考えるヒントが、きっと見つかります。

- 原田 沙織さん
(大阪府立高等学校 PTA会長) - 今村 かおりさん
(大阪府立高等学校 PTA役員) - 岸本 亜紀さん
(大阪府立高等学校 PTA役員) - 室田 邦博さん
(大阪府立高等学校 PTA役員)
- 米田 瑛人さん
(立命館大学映像学部映像学科3年生) - 萩尾
秀生 さん
(立命館大学経営学部経営学科2年生)
- 立命館大学 入学センター
正木 悠里 課長
- 立命館生協 衣笠購買店
村上 泰三 店長
質問会 現役学生からのメッセージ 受験生の保護者座談会
立命館大学のビジョンと入試制度
- 立命館大学のポイント
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- 3キャンパス(京都・大阪・滋賀)、全16学部を持つ総合大学。
- 社会科学・人文科学・自然科学の3分野に加えて、複合領域の学部も設置。2026年4月に、デザイン・アート学部を新設予定(設置届出中)。
- 2030年に向けたビジョンとして、「新たな価値を創造する次世代研究大学」と「イノベーション・創発性人材を生み出す大学」を掲げている。
- 研究に力を入れ、国の補助金採択や科学研究費の採択額は私立大学で全国トップクラス。
- 学生の多様性を重視している。
- 関西圏外からの学生が約半数を占め、全国から学生が集まる。
- 留学生は全国で3番目に多く、日本人学生の海外派遣数は全国4位。留学希望者には手厚い奨学金制度を提供している。
- 学生のチャレンジを支援する体制が整っており、キャリア支援も手厚い。
- 学生が学生をサポートする制度(ピア・サポート)が根付いており、学生同士の学び合いが成長につながる仕組みとなっている。
- 一般選抜のポイント
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- 募集人数の6割以上を占める。
- 学力(入学試験で指定した科目の結果)のみで合否を判定。
- 「独自試験のみ」「共通テストのみ」「併用」の3つの方式が中心。学部ごとに入試問題を作成していないため、対策が一本化しやすい。
- 合格最低点をすべて開示しており、問題傾向も大きく変更しない予定のため、過去問対策が有効。
- 倍率に左右されず、合格最低点の突破を目標とすることが大切。最後まで諦めずに基礎学力に向き合い、こつこつ努力する学生を求めている。
- AO選抜+学部指定単元AI学習プログラム(UNITE Program)のポイント
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- AO選抜は、高校での探求活動など、将来やりたいことや関心事を重視し、大学での学びにつなげたい学生のための入試。
- AO選抜の一環である「学部指定単元AI学習プログラム(UNITE Program)」は、学部での学びに意欲的な学生を求め、高校の成績(評定平均値)や履修課程に関わらずチャレンジできる。
- 学部での学習に必要な基礎学力(単元)をAI学習プログラムで習得することで出願要件を満たす。
- AIが個別に最適化した学習を提供し、期間内であれば認定試験に何度でも挑戦可能。
- これまでの成績や課程によって学びたいことや将来の夢を諦めてほしくない、という想いがこめられている。
質問会

立命館大学に多くの学生が集まる理由

原田沙織さん(以下、原田さん):
立命館大学は関西の私立大学の中で県外出身者の割合が高く、国からの補助金も多いと聞きました。その要因は何でしょうか。全国的な知名度や人気が影響しているのでしょうか。
立命館大学 入学センター 正木悠里 課長(以下、正木課長):
全国に試験会場を設け、受験機会を広げていること、そこから実際に入学されていることも県外出身者の割合の高さにつながっています。
また、本学は研究に関して、理系学部の規模も大きく、研究活動を大学として手厚く支援する体制を整えています。
補助金などは、大学として国の事業に採択されているという実績によります。
米田瑛人さん(以下、米田さん):
僕は塾講師のアルバイトをしていて、生徒に教えるためにもお聞きしたいのですが、「UNITE Program」と一般選抜の「学部個別配点方式」とはどう違うのでしょうか。

正木課長:
「UNITE Program」はAO選抜ですので、求める人物像が根本的に異なります。「UNITE Program」では、学部で指定する単元の修得が必要ですが、それを満たせば、AO選抜の評価の軸は学部で学びたいことへの意欲やビジョン、社会課題への関心と学部のマッチングなどです。一方で「学部個別配点方式」は一般選抜の一つの方式で、あくまで学力のみで合否を判定します。全学統一方式とは異なり、学部が科目の配点より求める科目の配点を高く設定し、その科目が得意な学生や、その分野への適性が高い学生に来てほしいという意図があります。
萩尾秀生さん(以下、萩尾さん):
経営学部の後期日程の入試は、どのような意図で実施されているのでしょうか。
正木課長:
3月の後期日程で独自試験を実施している大学は、今やほとんどありません。立命館大学が後期日程を設け続けているのは、最後まで諦めずに、粘り強く大学進学を目指す学生を求めているからです。
経営学部の「経営学部で学ぶ感性」+共通テスト方式では、共通テストで一定の得点を取っていることを前提に、そこからさらに経営学部で学ぶための感性や独創性、構想力といったものを持つ方に入っていただきたいと考えています。最後まで努力を続けた学生だからこそ、挑戦してほしいと考えています。

岸本亜紀さん(以下、岸本さん):
夫が経営するコンビニに、立命館大学の学部生や大学院生がアルバイトに来てくれています。キャンパスまで2〜3時間かけて通学している学生もいて、長時間かけても通いたい何かがあるのでしょうか。
正木課長:
ご家庭の事情、一人暮らしが合うかどうかの個人差など、さまざまな要因があると思います。始発電車で座って、その時間を勉強に充てる学生もいますね。
米田さん:
僕も他キャンパスの講義を受けに行くために、90分ほどかけて移動することもあります。学びたいことがある上での移動なので苦にはならないですし、その時間はゲームをしたり音楽を聴いたり、有意義に過ごしています。

正木課長:
もともとはびわこ・くさつキャンパスにあった情報理工学部に在籍していて、その時には大阪いばらきキャンパスへの移転が決まっていた方もいるかもしれません。
岸本さん:
なるほど。それにしても、うちに来てくれた皆さんは粘り強い方が多いと感じていました。
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現役学生からのメッセージ

米田 瑛人さん(立命館大学映像学部映像学科3年生)
萩尾
現役学生からのメッセージ① 映像学部 3年生 米田さん

映像学部 3年生 米田さん
立命館大学映像学部映像学科、3年生の米田です。
「自分がやりたいこと」をできる場所が立命館大学だった
通っていた塾で、大学は「自分がやりたいことをやる場所」と聞いていました。僕は極度の勉強嫌いなのですが、大学では人を楽しませるエンターテイメント系を学びたいと思っていて、私立大学なら映像学部があるところと決めていたんです。調べてみると映像学部でヒットしたのが立命館大学だけ。受験会場を調べると、自宅から近かったこともあり、受けてみようと思ったんです。「楽しいことがしたい」という漠然とした理由でしたが、今自分がやりたいことができているので、入って良かったと思っています。「学生同士の助け合い」が立命館大学の一番の魅力

僕は学生委員会に入っていますが、立命館大学はTA(ティーチングアシスタント)やピア・サポートなど、学生が学生を支援する取り組みが本当に多いんです。学びはもちろん大事ですが、それ以上に助け合いの考え方が浸透しているところが、この大学の一番の良さだと感じています。僕もいろんな取り組みに参加して「新入生に何かしてあげたい」という気持ちを叶えています。
現役学生からのメッセージ② 経営学部 2年生 萩尾さん

経営学部 2年生 萩尾さん
立命館大学経営学部経営学科、2年生の萩尾です。
「地元に受験会場がある」と知ったのが受験のきっかけ
立命館大学は僕の地元・福岡にも受験会場を設けていて、すごく受けやすいと思って受験しました。実は第一志望の大学に落ちてしまったのですが、立命館大学は2月中旬から3月にかけても受験することができました。進学の決め手は「入学準備説明会」

合格して実際に進学を決めたのは、入学準備説明会がきっかけです。合格した中で立命館大学だけ行ったことがなかったので、まずは実際に見に行ってみようと大学生協が開催していた入学準備説明会に参加しました。先輩方の雰囲気もすごく良かったですし、キャンパスもきれいで、「ここに進学しよう!」と決めたんです。
保護者の方からの質問

今村かおりさん(以下、今村さん):
学生支援の活動をされているとのことですが、どんな気持ちで始められたのでしょうか。私の娘は4月から大学生になったのですが、学生委員会の方から助けてもらっていて。すごく素敵な活動だなって私は思うんですよ。
萩尾さん:
入学準備説明会で司会をしていた先輩がとても格好良くて、憧れて入りました。
米田さん:
僕は入学前に行われた「Welcome Campus Festa」に参加したのがきっかけです。先輩と交流する中で、自分も新入生の支えになる活動がしたいと思って入りました。

萩尾さん:
楽しいです。この活動でしかできない経験を積めていると思っています。
米田さん:
一番良いと感じるのは、学部を超えたつながりができることです。同じ学部の仲間とだけ話をしていると、どうしても視野が狭くなりがちですが、他学部のさまざまな価値観を持つ人と話すことは、自分のインスピレーションを高めることにつながりますし、社会に出てからいろんな人と仕事することを見据えると本当に良い経験になっていると思います。
受験生の保護者座談会
受験期の親子のコミュニケーション

親としてどこまで口を出していいのか悩みます。「勉強してるかな?」と部屋をのぞくと、ゲームをしていたりして。大学のことも聞きたいのですが、あまり言ってこないんですよ。
萩尾さん:
勉強しているかを疑い、「勉強しなさい」と言われるのは嫌ですね。勉強をやった上で、家ではゆっくりしているので。
米田さん:
僕も自分なりに頑張っているのに、「頑張れ」「何で勉強しないの」と言われるのが一番嫌でした。それに、兄弟や他人と比較されるのもつらかったです。でも、これは大学に入ってから自覚したのですが、親がいてくれたから勉強できる時間があったんだなと。当たり前だと思っていたことが当たり前じゃなかったということ、親のありがたみがよく分かりました。

原田さん:
親からはどんな協力が嬉しいですか。
萩尾さん:
帰宅したときに「今日どんな勉強したの?」と聞かれて、「過去問で何点取れた」と話したときに、以前の点数を覚えてくれていて「すごいね!」と褒めてくれたのが嬉しかったです。「自分の頑張りを認めてくれてる」と感じましたね。それと、大学のパンフレットを取り寄せてくれたり、手間がかかることを代わりにやってくれたのがありがたかったです。
米田さん:
親からのサポートとして、「勉強しなさい」と言うよりも、「こういう勉強法もあるみたいだよ」と提案する形で伝えてあげると良いかもしれません。僕は塾講師として、積極的に生徒の良いところを見つけて褒めるようにしているのですが、当たり前だと思っていることでも具体的に褒めてあげると子どもはモチベーションが上がると思います。
部活と勉強の両立
原田さん:
うちは3年生でようやく部活を引退し、勉強に入ったようで、塾の開校から閉校まで行っていますね。

今村さん:
うちはまだ2年生で、陸上部の活動に専念しています。親としては、帰ってきたら「とにかく勉強する時間を確保してあげる」「ご飯を出してあげる」と衣食住を整えて部活と勉強の両立を支えているという感じです。元々、高校受験のときも部活と勉強の両立をずっと続けていて、今も頑張っている姿を見ているので、手伝ってあげることしかできないなと。
岸本さん:
うちも2年生で、中学校の頃からソフトボールを続けています。ただ人数が少なくて趣味の延長のような活動で、時間は十分にあるはずなんですけど、勉強をしないんですよね。もしかしたら、時間があるからこそ、する気にならないのかもしれないです。
米田さん:
そういう場合、好きなことを全力でやらせてあげるのも手かもしれません。欲が満たされると、自然と他のことに目が向くことがあるので。それと、ご褒美を設定するのも効果的です。僕はお小遣いがなかったのですが、「次のテストで100点を取ったら5000円」と言われてやる気が出ました。それができたらどんどんハードルと報酬が上がっていって、ゲームのクエストを攻略していくようなイメージです。それをクリアしていく中で、勉強するリズムが生まれて、習慣化されていきました。

室田邦博さん(以下、室田さん):
うちの息子は中学から水泳部に入っていまして、高校でも水泳を続けています。体力作りがメインで、そこまで本格的ではありません。時間はあるのですが、家ではソファに寝転がって、ずっとスマホを触っています。勉強をやらないわけではないのですが、スマホを見ている時間のほうが長いですね。
米田さん:
スマホでも勉強できるので、僕は塾の生徒におすすめのYouTuberやアプリを教えています。スマホを触る時間が固定なら、その時間を勉強に回させるということをやっているんです。「このYouTuberがすごく分かりやすいみたいだよ」と教えてあげるのも良いかなと思いますね。
一人暮らし、大学入学で心配なこと
原田さん:
私自身、大学生のときは一人暮らしですごく不安でした。そんなとき、大学生協が精神安定剤のような存在で、家具やテレビ、全部お世話になりました。自分の子どもが一人暮らしになるとすると、生活費をどうするか、それにセキュリティ面がすごく心配です。見守りサービスのようなものがあると嬉しいのですが。
今村さん:
セキュリティが一番心配です。それに、家事を何もさせてこなかったので、生活していけるのかも不安ですね。
米田さん:
大丈夫です。僕もまったく家事をさせてもらえませんでしたが、何とかなっているので。
岸本さん:
うちは一人っ子で初めての大学受験で、何が心配なのかさえ分からない状態です。一人暮らしになった場合、本人の生活力は心配していないのですが、セキュリティと病気のときが心配ですね。

楽しみしかないですね。どんな生活をするんだろうと。変わったりもするんじゃないでしょうか。自宅では部屋が汚いのですが、一人暮らしをしたらきれいになるかもしれないですし。どんなふうに変わるのか楽しみですね。
原田さん:
一番困ったことは何ですか。
萩尾さん:
食事と病院ですね。疲れて帰ってきて元気がないときの食事の準備や、具合が悪くてもどこの病院に行けばいいか分からないかったときは困りました。
米田さん:
一番困っているのは生活のリズムが崩れていることです。自分のやりたいことに夢中になっていると、どうしても夜更かしをしてしまうんですよ。
それに、病気のときも困りました。1年目は病院から遠い場所に住んでいたんですが、インフルエンザにかかったときは頼れる人も近くにいなくて、本当に大変でした。病院が近くにある場所に住むのは、とても大事だと思います。
食事に関しては、大学生協の「ミールシステム」に入っているので安心です。毎日決まった金額まで使えるのですが、「使わないともったいない」という気持ちで大学に行って食事をするようになります。良い意味で強制的に食生活を管理できるので、特に一人暮らしを始めたばかりの頃はおすすめです。

アルバイトをしているとのことですが、勉強時間は確保できるものですか。
米田さん:
確保できますよ。僕は大学で学生委員会などにも参加していますが、勉強と課外活動以外の時間をアルバイトに充てています。
萩尾さん:
一人暮らしだと月に5〜7万円ほどアルバイトで稼げると生活しやすいのですが、週3日・1日3〜4時間程度で稼げるので勉強時間は十分に確保できます。
米田さん:
「大学生になると勉強が難しいのでは?」と思われる方も多いですが、そんなことはないと感じています。「授業は落とすためではなくて、学んでほしいことがあるから行っている」と大学の教授はおっしゃっていて、真面目に出席して課題を提出すれば単位を落とすことはまずありません。
大学進学に期待すること

原田さん:
今までは就職をメインに考えていましたが、今日のお話を聞いて、大学生活で行動力やコミュニケーション能力を身に付けてほしいと思うようになりました。
今村さん:
専門的なものを目指してほしいという思いがあったのですが、「大学生活の中で自分を成長させる」というお話をお聞きして、本人が行きたい大学で自分自身をどんどん成長させていってくれたらいいのかなと思います。
岸本さん:
つい自分の希望を押し付けてしまいがちですが、子ども自身が悩んで、自分で好きなことを見つけて決めてほしいと思っています。ですが、歯がゆくて待っていられなくなってしまうので、私が我慢できるようになりたいです。

室田さん:
特に本人にやりたいことはないようで、今志望している大学も家から近いからと。「そんな理由で決めていいのだろうか」という心配はありますね。
米田さん:
「好き」の中からやりたいことが見つかることがあると思います。僕がこの大学に決めた理由は、自分が好きなゲームの「作るまでのプロセス」を読んで、「自分もゲームを作りたい!」という思いが強まったからです。「好きなもの」の中から「やりたいこと」を見つけるサポートをしてあげれば、進学したい理由をしっかり付けてあげられるかもしれません。
室田さん:
そういう考え方もあるんですね。
今日の皆さんのお話をお聞きして、立命館大学のように他県から多くの学生が集まる環境で、さまざまな価値観に触れられるのはすごく良いことだと感じました。
大学生協のサポート

村上泰三 店長
司会:立命館生協では、志望校が決定するかどうかというタイミングの9月に、大学生のお子さまを持つ保護者の方と現役大学生とのオンライン座談会を行います。ぜひ皆さまの周りの保護者の方にもご参加いただいて、入学までに不安なことなどご質問いただければと思います。全国版で同様のセミナーも開催されますので、ぜひ情報収集いただきながら、ご活用ください。
大学生協では、毎年1万人以上の学生に「学生生活実態調査」というアンケート調査を行い、現状大学生からの情報を基に発信しています。お住まい、入学準備の説明会、個別相談、学生生活の暮らし、リスク、食事、教材、学びなどについてご紹介していますので、大学受験される段階からご相談いただき、安心してお任せていただければと思います。
本日は、これにて終了したいと思います。
ご参加いただきましてありがとうございました。
立命館生協「受験生・新入生向け応援サイト」はこちらから。
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