受験生(高校生)保護者座談会@同志社大学(2025年開催)

〈参加者〉
- 西田 悠夏さん
(滋賀県立高等学校 PTA役員) - 志賀 さやかさん
(滋賀県立高等学校 PTA役員) - 岩田 亜貴さん
(滋賀県立高等学校 PTA役員) - 林 磨利子さん
(滋賀県立高等学校 PTA役員)
- 原田 沙織さん
(大阪府立高等学校 PTA会長) - 室田 邦博さん
(大阪府立高等学校 PTA役員) - 今村 かおりさん
(大阪府立高等学校 PTA役員) - 岸本 亜紀さん
(大阪府立高等学校 PTA役員)
〈学生〉
- 末永 律輝さん
(同志社大学 法学部1年生) - 横田 智也さん
(同志社大学 法学部1年生)
〈講演者〉
- 立命館大学 入学センター
宝田 将志さん
Contents
受験生の保護者座談会
現役学生からのメッセージ
同志社大学の特徴と入試方式
- 大学案内から見る同志社大学の特徴
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- 学部:
14学部の各詳細ページに二次元コードが掲載。学部のオリジナルサイトでカリキュラムや卒業論文のテーマなどをより詳しく知ることができる。 - 資格:
取得できる教員免許や資格が一覧で記載されているため、将来の目標に合わせて学部を選ぶ際の参考になる。 - 留学:
夏休みなどを利用した短期から半年~1年の長期まで多様なプログラムがあるが、すべて4年間で卒業できるように組まれているため、1年間留学しても卒業が延びることはない。
プログラム参加には語学スコアなどの条件があり、留学したい時期の1年前にはスコアをクリアしておくなど、早期の準備が必要となる。 - 就職先:
卒業後の主な就職先が学部別・文理別に掲載。
理系学生が専門職を目指す場合、学部卒ではなく大学院へ進学することが一般的。
キャリアセンターには国家資格を持つ専門スタッフが十数名在籍し、エントリーシートの添削や面接練習など、学生一人ひとりに対して手厚い個別相談を実施している。
卒業生の活躍により、大学内で同志社大学生限定の就職説明会を開催する企業も多い。 - 学費:
4年間でかかる学費や諸費用をすべて明示。入学後に学費が改定され、追加の費用を請求されることがなく、透明性の高い料金体系が特徴。他の主要私立大学と比較すると、学費は安い水準にある。 - 奨学金:
大学案内に制度一覧が記載されている。
学生の約5人に1人が何らかの奨学金を利用している。
- 学部:
- 同志社大学の入試方式
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- 大学入学共通テストを利用する方式は2種類あり、共通テストの成績のみで合否が決まるものと、共通テストの成績に加えて大学独自の小論文や口頭試問などの個別学力検査を課し、その合計点で合否を判断するものがある。
- 個別学力検査を課す方式では、共通テストの点数が多少振るわなくても、個別試験で挽回できる可能性がある。
- 共通テストの自己採点結果を見てから出願できる学部・学科もあるため、国公立大学との併願戦略が立てやすい。
- 募集人数は少なく見えるが、国公立大学との併願者が多いため、それを見越して実際の合格者数は募集人数の数倍出すことが多く、実質倍率を見るとチャンスがある。
- 一般入試は2月4日から2月10日の1週間のみで、前期・後期のような分離日程がないシンプルな制度。
- 1日の試験で出願できるのは1つの学部・学科・コースのみ。ただし、試験日が異なれば複数学部を併願でき、同じ学部を複数回受験することも可能。
- 試験問題は学部ごとではなく、試験日ごとに作成される。また科目ごとの出題委員会が7日程分をまとめて作問するため、学部ごとの対策は不要でどの学部にも応用が利き、併願しやすいのが大きな特徴。
- 出題方針として「高校での着実な学習努力が報われるように、難問や奇問を避けて基礎を重視する」ことが掲げられている。
- 教科書全体から出題されるため、学習量は多くなる可能性があるが、学校の授業を大切にし、基礎を固めることが合格への近道となる。
- 基礎的な問題が中心のため合格最低点は高く、文系で7割、理系でも6割を超えることが多い。ケアレスミスをせず、着実に点数を積み重ねることが重要。
- 選択科目は、試験当日に問題を見てから解答する科目を決められるため、事前の届け出は不要。

同志社大学 入学センター入学課 入学広報係 宝田 将志さん
受験生の保護者座談会

勉強と部活の両立

西田悠夏さん(以下、西田さん):
うちの子は高校3年生で部活は引退しましたが、現役の頃は、部活と勉強の切り替えを自分でしっかりやっていたように思います。体を動かすことで、勉強へも集中できていたようです。

志賀さやかさん(以下、志賀さん):
上の息子は部活に励むあまり、家に帰ると疲れ切って寝てしまう毎日で。高校3年生で引退しても「やっていなかったことが多すぎて、どこから手をつけていいか分からない」状態のまま受験に臨みました。その姿を見ていた高校1年生の娘も、やはり部活から帰ると疲れて寝てしまうことが多いのですが、同じ失敗を繰り返さないよう、勉強するように話をしています。

岩田亜貴さん(以下、岩田さん):
高校2年生の娘は、勉強も部活も両立して頑張っていると親としては思っています。夏休みは部活動が忙しい中、7月中に学校の課題をかなり進めて、8月は自分のペースで勉強と部活を両立していました。2年生の夏休みには大学のオープンキャンパスに行くように高校から言われていて、同志社大学にも行って学食を食べて喜んでいましたね。自分が行きたい学部を探りながら、彼女なりに両立をしていると思います。

林磨利子さん(以下、林さん):
うちの娘は高校3年生で、サッカー部のマネージャーをしていました。家では集中できないタイプで、部活が終わった後は必ず塾の自習室に行っていました。今は朝、塾の自習室が開くまでの時間は飲食店で勉強をして、それから塾に向かうなど、自分なりに集中できる環境を見つけて工夫しているようです。

原田沙織さん(以下、原田さん):
高校3年生の息子はテニス部で、5月に部活を引退して、勉強に真剣に取り組むようになったのは最近です。私立大学の入試制度は複雑で、スケジュール管理が大変だなと感じています。姉のときは推薦で決まったので楽でしたが、息子は最後の最後まで頑張ることになりそうです。

室田邦博さん(以下、室田さん):
高校3年生の息子は水泳部でしたが、それほど厳しくなかったようで、両立はできていたと思います。下にいる高校1年生の息子は、帰宅すると寝てしまっていますね。

今村かおりさん(以下、今村さん):
高校2年生の息子は陸上部で、炎天下での練習でかなり疲れて帰ってきます。朝5時に起きて勉強するなど、自分の中でリズムを作って両立をしているようです。学校では、先生が教室を開放してくださるので、そこで勉強させてもらうこともあります。

岸本亜紀さん(以下、岸本さん):
高校2年生の娘はソフトボール部に入っています。人数が少なく、他の高校との合同チームで活動しているのですが、他校の先輩たちの受験勉強に励む姿を間近で見られているようです。「受験ってこうやるんだ」「この先輩は塾で、この先輩は学校で勉強している」と、勉強の仕方も先輩から教えてもらえて、良かったなと思っています。
大学進学への心配と期待
西田さん:
受験の申し込みを忘れないかなど、初歩的なミスが心配です。子どもの勉強の仕方では心配していませんが、部活を引退して勉強一本になった今、エネルギーを発散する場がなくなって体調を崩してしまわないかという点が気がかりですね。
志賀さん:
まだ1年生なので、本格的に考えるのはこれからです。先日、三者面談で「高校2年生には行きたい学部を決められるように、1年生の間に準備してください」と先生から言われました。本人の人生なので、できるだけ主体的に考えてほしいと思っています。
岩田さん:
正直なところ、私が大学入試についていけていないので、これから情報を集めていこうと思っています。
林さん:
心配はたくさんあります。上の子の大学受験を一度経験していますが、私が共通テストの意味など分からない中で、本人が理解して進めてくれていました。複雑で自分自身が理解できていない部分があることに不安を感じて、勉強しなければいけないと思っています。お金のことも心配で、下の子が進学すると大学生が2人になり、さらに下の子もいるので、奨学金なども含めて夫と話し合っているところです。

原田さん:
私も皆さんと全く同じ心配をしています。
室田さん:
受験の仕方が多様化していて、志望校が一つに決まっていれば良いのですが、「こことここで迷っている」という状況だと、親としてどうサポートすれば良いのか難しいと感じます。
今村さん:
上の子がこの春大学に入学したので流れは少し分かりますが、下の子はまだ進路の方向性が定まっていません。自分で調べてくるのですが、学校からは2年生のうちに決めるように言われており、どうフォローしていけば良いのか悩んでいます。
岸本さん:
少し前まで娘はやりたいことが決まっていなかったのですが、最近になって見つかりました。シンプルに目標に進めるので気持ちがスッキリしたようで、今はほっとしています。中学校の受験のときはあっという間に時間が過ぎて、「もっと良い方法があったのでは」と後悔したり、時間についていけない部分があったので、今回は少しでも余裕を持って準備を進めたいです。

西田さん:
まずは学部でその学問をしっかり勉強してほしいというのが一番です。一人暮らしをすることになった場合、大学が生活面でどこまでフォローしてくれるのかという点にも期待したいです。
志賀さん:
「この大学に入れば良い就職ができる」ということよりも、大学の4年間で自分の興味のあることを見つけて、やってほしいと思っています。仕事や将来につながらなくても、「この大学に通って良かった」と思えるような生活を送ってくれたら、親としては支援のし甲斐があるなと思います。
岩田さん:
娘は「哲学を学びたい」と言っています。親心としては社会人としてどのような進路があるのか心配でしたが、本人が選んだ道なので応援したいです。大学の就職サポートがしっかりしているとお聞きして、少し安心しました。
林さん:
娘には取得したい資格があるので、大学がその資格取得のためにどこまでサポートしてくれるかに注目しています。卒業後に「私はこの大学を出たんだ」と胸を張って言えるような、誇りを持てる大学に進んでほしいですね。
原田さん:
就職先も大事ですが、入学してから「合わなかった」という話を聞きますので、オープンキャンパスなどで事前にしっかり話を聞くことが大切だと思います。子ども自身にはとにかく、楽しい大学生活を送ってほしいです。

室田さん:
息子は芸術系の新しい学部に興味を持っています。応援したい気持ちはありますが、新しい学部で実績がないため、親としては少し不安もありますね。
今村さん:
うちの子は理工学部に進みたいようですが、その学部の中での方向性が定まっていません。大学院に進むとなると6年間通うことになり、未知の世界で不安もあります。本人が選んだ道なのでしっかりサポートしながら、楽しい大学生活を送ってほしいです。
岸本さん:
娘が中学生の頃は1から10まで話してくれたのが、高校に入ってから学校での出来事をあまり話してくれなくなりました。それは学校生活が本当に楽しくて、エネルギーをそちらで使い切っているからだと分かりました。それくらい今、青春しているので、大学でも今以上に楽しく過ごしてくれたら良いなと思っています。
一人暮らしの不安

西田さん:
体調管理と食事ですね。食が元々細いので、一人暮らしになると食べなくなってしまうんじゃないかと。食生活の乱れが体調に影響すると思うので、そこが心配です。
志賀さん:
心配なことは何もありません。むしろ、一人暮らしで大失敗してほしいと思っています。夫は料理をしたことがない状態で一人暮らしを始め、栄養失調になった経験があるそうですが、そうした失敗も人生の糧になるはずです。
林さん:
上の娘が一人暮らしをしているのですが、防犯面がとても気になりました。家を決めるときも駅から近いほうが良いなど必死で調べましたし、ドアが開くと音が鳴る装置を取り付けたり、アルバイトをすると言っているので防犯ベルを持たせたりしています。
現役学生からのメッセージ

末永律輝さん(同志社大学 法学部 1年生)
横田智也さん(同志社大学 法学部 1年生)
現役学生からのメッセージ①
同志社大学 法学部 1年生 末永律輝さん
同志社大学 法学部法律学科1年生の末永律輝です。
部活中心の日々から受験勉強へ

高校自体が、勉強も大事だけど部活も全力でやるというスタンスでした。高校1~2年生の頃は弓道部に所属し、文化祭や運動会の実行委員も務めるなど、高校生活に全力を注ぐ毎日。勉強は模試の結果を気にする程度で、本格的な受験勉強はしていませんでした。部活が終わって家に帰ると疲れて寝てしまい、親から「大丈夫?」と心配されても「寝させてくれ」という感じでしたね。当時は部活や友人との時間が何よりも楽しかったんです。受験勉強を本格的に始めたのは高校3年生の5月に部活を引退してからですね。部活を最後まで続けた学生は夏で焦る人と余裕がある人に分かれるのですが、僕は焦る側でした。
受験期の乗り越え方と志望校決定
受験期の一番のストレス発散法は、筋トレやランニングなどの運動と、放課後や休日に図書館や地域の学習センターに友達と集まって一緒に勉強することでした。「友達も頑張っている」と感じることが、勉強を続ける力になりましたね。塾は高校2年生の冬から本格的に通い始め、自習室などを活用して勉強をしていました。
志望校は学費を考慮し、私立大学としては関西でトップクラスの同志社大学と高校1年生の頃から決めていました。第1志望の国公立大学・筑波大学は、高校2年生の冬に決定し、勉強に励みました。
第1志望には合格できませんでしたが、高校生活で得た経験から、今の大学生活も楽しめています。受験はもちろん大変ですが、「何とかなる」というのが受験を経験した上での大まとめです。

同志社大学 法学部 1年生 横田智也さん
同志社大学 法学部法律学科1年生の横田智也です。
受験を乗り越える力になった親のサポート

うちは親が、私立・国公立大学の出願日や支払い日などをすべて書き込んだカレンダーを用意してくれました。複雑な受験スケジュールを親子で共有できて、手続きのミスを防ぐことができます。また、親は「本人が一番分かっているはず」と見守ってくれて、「勉強しなさい」とは言われませんでした。
受験勉強を始める前に念のため「浪人してもいいか?」と親に聞いたのですが、快く「いいよ」と認めてくれて、肩の荷が下りた感覚だったんです。最後の文化祭などの高校生活も「一度切りだから」と全力で楽しむことができました。
大学・学部選びで大切なこと
国公立大学に出願していましたが、私立大学は同志社大学一本でした。模試がE判定で、最後まで伸び悩んでいましたが、諦めずに続けたことで「なんとかなる」という経験ができましたね。
大学に入ってから気づいたのは、学部選びの重要性です。「この大学に入りたい」という気持ちだけで学部を選んでしまうと、入学後に「何か違う」と感じ、後戻りできなくなる可能性があります。本当に学びたいことがあれば、大変なレポートやテストも乗り越えられるので、具体的でなくても「大まかにどんな方面に進みたいか」を考えておくことが大事だと思います。

保護者の方からの質問
林さん:
カレンダーは可視化できていいですね。やりたいと思います。
志賀さん:
一人暮らしは楽しいですか。
横田さん:
一人暮らしで門限がなく、自由時間が多いのが良いです。
岸本さん:
自分でご飯は作っていますか。
横田さん:
自炊はしています。

岸本さん:
得意料理はありますか。
末永さん:
僕はオムライスとチャーハンとシチューです。ずっとこれを繰り返して 回しています。あとは野菜を一番取ろうと思ってカット野菜を使っていますね。
横田さん:
自分は最近作り始めたんですけど、ハンバーグとかドライカレーとかです。
一同:
すごい!
末永さん:
旅館でバイトをしています。時給も良く、金銭的には困っていません。僕は法学部で、課題があまり出ないので、勉強との両立も問題ありませんね。
横田さん:
自分はこれからですね。一人暮らしで慣れないことが多かったので、夏はまだ バイトはしないで、秋からと決めています。
司会:受験生のときに親に言われて腹が立った言葉として、「ちゃんと勉強しているの?」「模試の成績じゃ合格できないよ」といったものがあります。つい感情的に言ってしまうこともあるかと思いますが、一度一呼吸おいて、アドバイスをするような形で接してあげることが、お子さまの安心につながるのではないかと考えています。食事や安否確認に関してはミールシステムのアプリから何を食べたか確認できますので、活用いただければと思います。
本日は貴重なお話をありがとうございました。この座談会が、皆さまの大学受験を考える上での一助となれば幸いです。
2025年8月5日 同志社大学今出川キャンパスにて
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