全国区組合員保護者座談会(2025年開催)
現役大学生の保護者が語る、
受験と入学準備、親の役割と悩みとは?
大学受験は保護者にとっても未知の連続です。受験期のサポート、膨大な大学情報の集め方、新生活の準備。特に初めてのお子さまの受験では、何から手をつければ良いのか分からず、不安を感じる方も多いのではないでしょうか。今回は、現役大学生の保護者の方々にお集まりいただき、受験期から入学準備、大学生活が始まった現在の心境までを赤裸々に語っていただきました。

〈参加者〉
- 太齋 直子さん(長女が早稲田大学 1年生)
- 山口 祐枝さん(長女が東京大学 2年生)
- 橋本 有里さん(長男が京都大学 1年生)
- 髙橋 豪さん(長男が京都大学 1年生)
- 古川 郁子さん(次男が京都大学 1年生)
Contents
受験期の学習場所は「家」or「外」?

太齋直子さん(以下、太齋さん):
リビングで勉強していましたね。小学校5年生のときに机を買って子供部屋に置いたのですが、リビングを好んで勉強していました。受験勉強の最後の3ヶ月は、テスト形式の問題を解く時間を計るために自分の部屋を使い、復習はリビングでするなど、使い分けていたようです。

山口祐枝さん(以下、山口さん):
うちはマンションなのですが、夫が自分の机を持ち込んだため、子どもの机を置く場所がなくて…。仕方なく夫の机で勉強していました。ただ、弟が頻繁に話しかけてくるので、高校3年生の夏頃からは塾に通い始め、主に塾の自習室で勉強するようになりました。

橋本有里さん(以下、橋本さん):
9割以上は塾の自習室でした。自宅にある立派な机は趣味用になっていて、勉強しているところはほとんど見たことがありません。「なぜ家で勉強しないの?」と聞くと、「家族に一生懸命なところを見られるのが恥ずかしい」と言っていました。

髙橋豪さん(以下、髙橋さん):
うちも家でやっている姿はほとんど見たことがありません。主に塾の自習室で、あとは学校や近所の図書館を利用していたようです。

古川郁子さん(以下、古川さん):
うちもほとんど外でした。家ではだらっとしている姿しか見たことがないので、「本当に勉強しているのかな?」と思うほどで。塾の自習室が一番集中できるようで、2次試験のときは、京都にある系列の塾の自習室を使わせてもらっていました。他にはカフェで耳栓をして勉強するのも好きだったようです。
太齋さん:
地方在住なので、一人暮らしができるのかが本当に心配でした。最近は新幹線などの交通トラブルも多いので、その点も気になりましたね。
山口さん:
住まいをどのタイミングで確保すればいいのかが一番の心配事でした。食事や洗濯といった家事の面ではあまり心配していなかったので、「とにかく住むところさえあれば何とかなるかな」と思っていましたね。
橋本さん:
うちは長男が初めての大学受験で、共通テストの仕組みや、前期・中期・後期日程といった内容をまったく理解していませんでした。もっと早くから情報収集しておけば良かったというのが反省点です。合格後に関しては、国公立一本で自宅から通える大学だったので、入学前の心配は少なかったかもしれません。
髙橋さん:
息子が「一人暮らしをしたい」という理由で京都大学を第一志望にしていたので、住まいをいつ、どうやって決めればいいのかが不安でした。京都まで見に行く機会もなかったので本当に心配でしたね。
古川さん:
うちも「家から出たい」という憧れで京都の大学を志望したのですが、併願の私立大学や国公立の後期日程は受けないというスタンスだったので、「本当に大丈夫?」と心配でした。上の子のときは何校も併願したので、本人の気持ちをどこまで尊重し、親がどこまで口を出せばいいのか、どうすればいいか分からなかったです。
太齋さん:
子どもに任せていました。ただ、併願校をどうするかは一緒に悩みましたね。出願や合格発表のスケジュール管理が難しいと感じたので、ノート形式のスケジュール帳にペンで色分けしながら管理を手伝っていました。
山口さん:
愛知県では、多くの学生が名古屋大学に進学します。でも、「周りに合わせる必要はないし、好きな勉強ができるところを選んでね」と伝えました。
橋本さん:
親としてのアドバイスは特にしていません。地元の進学校で、京都大学に進む先輩がとても多い環境だったので、ごく自然な流れでした。むしろ私は「東京の大学で一人暮らしも楽しいかもよ?」と提案したのですが、「建物が僕に向かって倒れてくる気がする」と田舎者丸出で(笑)最終的には本人の意思を尊重しました。
髙橋さん:
うちは逆に「なぜ京都なんだ!」ということで揉めました。私自身が大学受験を経験していなくて情報がなかったので、首都圏で開催された京都大学のイベントに参加して情報を集め、子どもに伝えるという形で関わりましたね。
古川さん:
基本的には本人が決めてきました。高校2年生の夏に他の国立大学のオープンキャンパスへ行っていたのですが、受験科目を調べたところ、1教科足せば京都大学も受験できると分かったようです 。私からは大学・学部ごとの細かい入試科目の配点も見たほうがいいとアドバイスしました。例えば、同じ京都大学の中でも法学部と経済学部では英語の配点比率が違うので、「あなたの得意な英語の配点が高い法学部のほうが有利なんじゃない?」といった話はしましたね。
大学の情報をどう集めたか
太齋さん:
基本的には子どもに任せていましたが、高校の担任の先生がデータ分析の好きな方で、併願校の提案などをしてくださったようです。 あとは塾からも情報を得ていました。

山口さん:
主に高校からいただく情報が多かったです。子どもが「ここに行きたい」と言った大学のホームページを見たり、高校1年生のときからいくつかオープンキャンパスにも行きました。 高校で開催された、卒業生の先輩から話を聞く会にも参加して、本人が主体的に情報を集めていたようです。
橋本さん:
うちは高校と大学の関係が密接で、部活の先輩やお友達からほとんどの情報を得ていました。高校生のうちから大学の食堂で先輩とご飯を食べるような環境だったので、あえて情報収集しなくても自然と入ってきましたね。 先輩からの生の声は、とても参考になったと思います。
髙橋さん:
子どもの高校は放任主義で、先生に聞かなければ指導はないというスタンスでした。 そのため、もっぱら塾で情報を得ていました。 塾にはチューターの現役大学生がいて、志望校や併願校を決める相談に乗ってもらっていたようです。
古川さん:
親としては、東京で開催された京都大学の進学相談会などに参加して情報を得ていたのですが、「この大学を応援しよう」という決め手になったのは学園祭でした。 秋に京都大学の11月祭へ行った際に、出店を出していた学生さんたちと話す機会があったんです。 実際に住んでいる場所や家賃など、リアルな話を聞けて、学生さんたちがみんな素晴らしかったので、「この学校に入れたい」と私の気持ちが固まりました。
合格から入学まで、一番不安だったこと
太齋さん:
入学関係の資料が膨大で、しかもダウンロード形式だったので、「大事な情報を見落としているんじゃないか」という不安が常にありました。あとはやはり、住まいのことですね。
山口さん:
一番は住まいですが、意外と見落としていたのが入学式の服装でした。どんなスーツがいいのか分からず、インターネットで過去の入学式の画像を検索して参考にしながら買いに行った記憶があります。
橋本さん:
まずはお金のことで、入学金の振り込みを急ぎました。高校入試と比べて、大学入試は合格発表から入学手続きまでの期間が非常に短いと感じます。やることが膨大なので、手続きミスが起きないか常に緊張していました。その際、大学生協から「やったね袋」という資料が届きました 。その中に「やることガイド」という冊子が入っていたのですが、やるべきことが番号順に書かれていて、私のような初心者には非常に分かりやすかったです 。さらに詳しい情報が載った冊子も同封されていて、入学までの短い期間で焦ってしまいがちな中、パニックにならないようによく考えられた構成だと感心しました 。
髙橋さん:
引っ越しが一番心配でした。合格発表が3月10日で、4月1日から大学での活動が始まるので、準備期間が実質2週間程度。年度末で私自身も休みが取りづらく、土日で引っ越しや家具の配送などを終えられるか、本当に気がかりでした。
古川さん:
手続きに間違いがあってはいけないという緊張感がありました。そして、やはり住まいと引っ越しが一番の心配事でしたね。
大変だった!リアルな住まい探し体験談
太齋さん:
「ここしか空いていません」と紹介された物件を一度は契約寸前まで進めたのですが、どうしても納得できず、3月の最終週まで探し直したんです。最終的には「食事付き」という希望に合う駅近の物件を別の不動産屋で見つけることができ、内見はできませんでしたが、前に見た物件よりは良いだろうと決めました。最後まで諦めなくて良かったです。
山口さん:
受験に付き添った際に、大学生協の住まい相談会に参加しました。そこで初めて地域の情報や物件の知識を得ることができて、とても参考になったんです。最終的には、大学の女子学生向けの住まい支援制度を利用して部屋を確保することができました。

髙橋さん:
料理好きな息子からは「ガスコンロ2口以上」という条件しか出てこなかったので、家賃や築年数などの条件は親が決めて探しました。受験当日に住まい相談会へ行こうと思いましたが、事前に現役学生さんから「その日では良い物件はほとんど埋まっている」と聞き、急遽、不動産屋のホームページで探して仮押さえすることに。「たった今決まってしまいました」ということもありましたが、最終的にオンラインで部屋の周りの雰囲気まで中継してくれる親切な不動産屋に出会え、そこで決めました。
古川さん:
うちは大学生協で決めました。試験当日の朝一番で相談会を予約しましたが、冊子で目星をつけていた物件はすべて埋まっていて。空いている中から2つの物件を、現役の学生さんと一緒に内見しました。その学生さんから「自転車で通いやすいのはこちら」といったアドバイスをいただけたことと、大家さんが敷地内にお住まいで安心だったことが決め手です。合格前に予約できたので、本当に助かりました。
山口さん:
うちは家具・家電付きの学生寮に入ったので、自分たちで揃える必要はありませんでした。友人の娘さんは、発注した家具を入居日に合わせて届けてもらい、その場で組み立てたそうです。 大学生協で家具のレンタルサービスもあると後から知ったので、もっと早く知っていれば検討したかったですね。
髙橋さん:
家電は家の近くの量販店で実物を見て、引っ越し当日に届くように手配しました。 ベッドは必要ないと言うので敷布団にして、机は本人が近くのお店で手配し、家にいる日に配送してもらっていました。
古川さん:
冷蔵庫やベッドといった大きなものは、大家さんからレンタルしています。洗濯機はアパート共用のものを使う予定でしたが、汚れ物が多くて不便だと感じ、ゴールデンウィークに追加でネット購入しました。 また、机やゴミ箱、室内物干しといった細かいものは、大学生協の一人暮らし用品が買えるサイト「Debut!」が非常に便利で、まとめて注文して同じ日に届けてもらえたので助かりました。
パソコンはどこで買う?決め手は「保証」と「サポート」
太齋さん:
大学生協の説明会で実物を見て購入しました。娘の大学ではMacを使うと聞いていたので、Macのパソコン、タブレット、プリンターの3点セットです。慣れないMacの操作も、説明会に参加して学べたようです。
山口さん:
うちも大学生協で、3点セットを購入しました。買う決め手になったのは、保証が手厚いことです。実際、入学して3ヶ月で娘がパソコンを落として画面を割ってしまったのですが、通常なら10万円近くかかる修理代が5,000円で済んだんですよ。修理中も代替機を借りられたので、本当に助かりました。
橋本さん:
パソコンは高校時代に購入したものを使っているので買っていませんが、タブレットは大学生協で購入しました。毎日使うものなので、サポート体制が手厚いのが魅力です。故障したときに大学内の生協にすぐ持ち込めるハードルの低さや、代替機をすぐに貸してもらえる安心感から選びました。

髙橋さん:
家電量販店も見ましたが、保証や使い方講座が付いていることを考えると、トータル的に大学生協のほうがお得だと判断して購入しました。
古川さん:
うちも大学生協で購入しました。夫が「量販店のほうが安いのでは」と悩んでいるうちにオンラインでは売り切れてしまい…。慌てて電話したら「4月1日に大学の店舗に来ていただければ販売できます」と言っていただいて、引っ越しを兼ねて大学まで買いに行きました。やはり、万が一のサポート体制を考えると大学生協が一番です。
気になる大学での食事事情。ミールパス(ミールカード/食堂パスなど)は利用について
太齋さん:
うちは利用していません。授業でキャンパスを移動することが多く、食堂で食事を取れない日もあると聞いたので、購入しない選択をしました。
山口さん:
東京大学では今年から始まったそうですが、娘は自炊しているので利用していません。子どもの周りでは、サークル活動などで大学に長くいる人や、自炊が苦手な人が申し込んでいる傾向があるようです。
橋本さん:
自宅生なので利用していませんが、必要性を感じています。これからは、栄養バランスなどを自分で考えて食事を選ぶ力を身につけてほしいと考えているのですが、ミールパスを利用すれば「自分が何を食べたか」「栄養バランスがどうだったか」を客観的に確認できるので、自然と食の知識が身につきそうで良いなと思います。
髙橋さん:
うちは利用しています。自炊は好きでも、やはり栄養面が心配でした。学食の食事はバランスが取れていますし、友人と一緒に学食で食べて帰ってくることが多いと聞いたので申し込みました。いつ何を食べたかが分かるので、ありがたいですね。
古川さん:
愛用しています。「いつ何を食べたか」をアプリで確認できるので、遠く離れて暮らす息子の生存確認になっていて。息子はLINEを送っても既読すらつかないので(笑)、この記録を見て「ちゃんと食べているな~」と安心するのが私の心の支えです。
もしものときに備える「学生総合共済」、加入の決め手は?
太齋さん:
共済に加入しました。 説明会で案内があり、「みんな入るのかな」と思ったことと、高い掛金ではなかったので、安心のために加入したんです。
山口さん:
うちも共済に加入しています。 通常の保険ではカバーできない、学生特有のリスクにも対応している点が良いと思いました。下宿しているので、親に何かあったときでも学業を続けられるための保障があるのは安心です。
橋本さん:
一人暮らしではないので特約なしの学生賠償責任保険に加入しています。息子は工学部なので、学年が上がると実験中の事故のリスクが増えると考えました。この保険には、示談交渉サービスが付いているのが大きな魅力です。高校生までと比べて行動範囲が圧倒的に広がるので、親も子も安心して色々なことにチャレンジできると思いました。
髙橋さん:
共済に加入しています。 以前から入っていた他の保険の更新案内が来たタイミングで、大学生協が取り扱う共済と比較したのですが、保障内容が圧倒的に良かったので、迷わずこちらに決めました。

古川さん:
共済です。パンフレットを拝見して、当然入るものなのだろうなという感じでしたので、迷わず加入しました。 大学生協にご紹介いただいたアパートの入居条件にもなっていた、という理由もあります。
大学生活がスタート!我が子の様子とこれからのこと
太齋さん:
一人暮らしを始めた当初は気持ちが落ち込んでしまい、泣きながら何時間もビデオ通話をしたこともありました。でも、大学生活が始まると忙しくなり、だんだん楽しくなってきたようです。今は元気にやっているようで安心しています。これから就職活動などもありますが、大学生活の中で本当にやりたいことを見つけてほしいですね。
山口さん:
入学当初、オンライン授業で人と会わない時期は「寂しい」とよく電話がかかってきました。今の心配は、3年生からキャンパスが変わることです。また引っ越しが必要になるので、住み替えのタイミングなどを考えなくてはいけません。
橋本さん:
息子はプログラミングが大好きで、大学のロボット研究会に入り、学生ロボコンにも出場しました。私がボランティアをしているシフト予約も、自動で取ってくれるプログラムを組んでくれて助かっています。興味のある分野を深めて、大学でのつながりを大切にしていってほしいと思います。それに、自己管理能力も高めていってほしいですね。
髙橋さん:
京都大学へ進学するにあたり、就職活動での情報量が首都圏に比べて不利になるのではないか、という心配はありました 。 就職するのか、大学院に進むのかはまだ分かりませんが、本人が本当に好きなことに打ち込んでもらいたいと思っています 。
古川さん:
まずはきちんと単位を取って、しっかり卒業してほしいというのが一番の願いです。就活や進路については本人の決めたことであれば、それを応援していきたいと思っています。
入学準備を振り返って「こんな情報がほしかった!」
太齋さん:
受験に関しては本人任せでしたが、親がどの時期に何をしてサポートすればいいのか、タイムスケジュールのようなものがあれば良かったなと思います。
橋本さん:
必要な情報がたくさんあるのはありがたいのですが、とにかくタスクが多くて慌ててしまいました。やることリストに加えて、「この作業にはこれくらいの時間が必要」といった時間軸をセットにしたものが、ビジュアルで分かりやすく提供されると、さらに助かると思います。
髙橋さん:
一人暮らしの準備では、「早く動くに越したことはない」と実感しました。それに加えて、受験当日のホテルの予約など「いつ頃から動き始めればいいのか」といった情報があるとなお良かったです。
古川さん:
実用的な情報も大事ですが、受験生の親として「子どもにどう接すればいいか」というアドバイスがほしかったです。「こんな声かけは嬉しかった」「この時期にこう言われるのは嫌だった」など、子どもの心理面に寄り添うための情報があると、親も穏やかな気持ちでサポートできるかなと思いました。

大学生活を支える大学生協への期待
太齋さん:
入学前の説明会がすごく良かったです。サポートが手厚く、安心感がありました。自動車学校の申し込みも生協のパンフレットを見て決めましたし、これからも様々な場面でお世話になりそうだと感じています。
山口さん:
入学時に、大学生協が主催する勉強会や説明会があることを知って安心感につながりました。これからも学生に寄り添っていただけると、親としても安心です。
橋本さん:
一言で言うと「非常に心強い」です。教科書の販売から、保険、住まい、アルバイトの紹介まで、生活サポートが多岐にわたり充実しているので、慣れない大学生活を送る上で、親子ともに大きな安心材料になっています。
髙橋さん:
すでにお世話になっていますが、おそらく卒業までずっとお世話になるのだろうなと感じています。何かあったときの安心感は、他には代えがたいものがあります。
古川さん:
入学前からオンライン説明会などで手厚くサポートしていただき、遠方に住んでいても大学を身近に感じることができ、非常にありがたかったです。もし可能であれば、在校生の親に向けても、大学の様子などを発信していただけると嬉しいです。男の子はなかなか報告が滞りやすいので(笑)。

ご参加いただきましてありがとうございました。
2025年9月6日大学生協杉並会館にて
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