大学生協の食を支える現場へ
学生が見た「ほうれん草づくり」生産者の素顔
今回、全国学生委員が大学生協で使用されている冷凍ほうれん草の生産現場を視察しました。畑や堆肥場、加工工場を訪問し、生産者の方々から直接お話を伺う中で見えてきたのは、「安心して食べてもらいたい」という強い想いと、そのために惜しみなく注がれる手間と工夫でした。

まず印象的だったのは、地域循環型農業へのこだわりです。牛・豚・鶏のふん を活用した独自の堆肥づくりを行い、化学肥料をできる限り使用せずに栽培されていました。手間や時間、コストがかかる方法であっても、「より良いものを届けたい」という考えのもと、土づくりから丁寧に向き合われていました。
学生からは、「手間をかければ循環できる、リサイクルできる、SDGsにつながるという言葉が、大学生協の環境活動とも重なって感じられた」という声もありました。生産現場で大切にされている価値観が、大学生協の理念ともつながっていることを実感する機会となりました。
ほうれん草畑の横で作られている「完熟堆肥」
畑では、広大な土地に一面に広がる、ほうれん草を目にし、その規模の大きさに驚かされました。実際に葉に触れてみると、茎が太くしっかりとしており、学生からは「スーパーで見るものとは違うと素人でも分かった」という感想も聞かれました。また、雨の日に収穫を行わない理由について、「畑がぬかるむから、というだけでなく、異物が付着してしまうから」と説明を受け、ほうれん草そのものを第一に考える姿勢が強く印象に残りました。
ほうれん草は茨城県水戸市内の様々な畑で栽培されている
工場では、品質管理への徹底したこだわりを見ることができました。目視による確認工程が複数回行われ、機械だけではなく、人の手による丁寧なチェックが積み重ねられていました。ブランチング(加熱)後の急速冷却や、カラーソーターによる選別など、鮮やかな色合いと品質を保つための工夫も随所に見られました。
今回の視察を通して、学生たちは「冷凍野菜」に対する見方も変わったと語っています。工場で何度も異物確認や品質確認が行われている様子を目の当たりにし、「大学生協の厳しい基準を満たしている理由が分かった」という声もありました。
収穫後、新鮮な味を維持できるよう素早く冷凍している
視察後、実際に大学生協食堂で提供されている、ほうれん草の胡麻和えを食べた学生からは、「生産の背景や込められた想いを知ったからこそ、よりありがたく、美味しく感じた」という感想も寄せられました。
普段、私たちは価格や見た目で商品を選ぶことが多いかもしれません。しかし、その背景には、生産者の方々の努力や工夫、そして“安心して食べてもらいたい”という想いがあります。
今回の視察は、「食べる」という日常の向こう側にある、多くの人の支えを知る機会となりました。そして、消費者として生産の背景に関心を持つことが、持続可能な社会を支える一歩になることを、学生たちは現場で実感しました。
いつもの食堂メニューの向こう側へ ― 学生が体感した“食”の現場 ―

今回の視察で学生たちが出会ったのは、土づくりから品質管理まで、一つひとつに手間を惜しまない生産者の姿でした。
地域循環型農業へのこだわり、安心・安全を守るための工場での工夫、そして“より良いものを届けたい”という想い――。
大学生協の食を支える現場を訪れた学生のリアルな声をお届けします。
視察訪問を行った
笹森穂花さん、藤井優月さん

笹森 穂花 さん
全国大学生協連 全国学生委員会

藤井 優月 さん
全国大学生協連 全国学生委員会

藤井-
手間をかけてでも大事にしたい点がまとめられていると感じました。独自でたい肥を作っている、化学飼料をなるべく使わない、地域循環型農業。一つ一つの一工夫、ひと手間でこのほうれん草は大学生協で採用されているのだというところを知ることができました。大学生協が大事にしている想いと共通する点が多く、説明を聞いていて楽しい・うれしいという気持ちがありました。
手間をかければ循環できる、リサイクルできる、SDGsにつながる。この言葉は大学生協の環境活動にもつながるんだということを強く感じました。お金はかかるけど、手間はかかるけど、時間はかかるけど、それでも大事にしたい。という想いをもって環境活動にもつなげたいんだと思いました。
雨の日にほうれん草を収穫しない理由を、畑がぬかるんでいるから、「というのもだけど」異物がほうれん草についてしまう、という言い方がとても印象に残っています。ほうれん草のことを第一に思っているんだなというのを感じました。
◎自分達が食べているものがどんな工程で作られているのか、ということを普段考えながら食事をしている人もなかなかいないと思います。生産者が気にかけていること、手間をかけていることが、社会にどれだけ配慮・貢献しているんだろう、というのを考えてみてほしいと思いました。

笹森- 肥料にこだわることで、消費者の安心・安全を守っているということはもちろん、畜産業と協力しながら牛・豚・鶏のフンを堆肥として活用することで、「ゴミがほとんど出ない工場」を実現しているという点が特に印象的でした。化学肥料を使えば堆肥をつくる手間を省くこともできる中で、あえて時間と労力をかけながら地域循環型農業に取り組まれている姿勢に、生産者の方の強い責任感を感じました。
さらに、すべて国産の原料を使用していることや、工場の機械も社長ご自身が海外まで足を運び、品質や安全性を重視して選定された最新鋭のものを導入していると伺い、細部まで妥協せずに商品づくりに向き合っていることが伝わってきました。
工場で出た残菜も肥料としてリサイクルするので、ゴミが出ない「地域循環型農業」
水戸冷凍食品㈱ 工場視察

藤井-
工場内の一連の作業施設を見て、すべてが流動的になるように施設内の工夫がされていて驚きました。目視による確認行程が4 回ほどあり、機械での確認だけでなく人による手間ひまというものを感じました。ほうれん草をより品質よくきれいに保つようにする工夫が見受けられました。ブランチング(ゆでる工程)後に急速冷蔵したり、カラーソーターを2台設置してより綺麗な ほうれん草を選定したり、細かいところで、最終的に色鮮やかな ほうれん草を商品化するための努力を感じていました。
外国人の従業員も多い中で、日本の工場であるという意識も大事だなと思って見学をしていました。外国から来た方でも、日本で働いている、このほうれん草、野菜が日本全国に届いているというのをどこかで感じてやりがいなどを感じてほしいなと思いました。
宮田さんも実際に海外まで足を運んで機械の調達を行ったり、いかに効率よく品質よく全国にモノを届けるのかというところを追及している点が、ほうれん草の品質につながっているのだと感じました。◎工場で処理・商品化されていくものの「効率化と品質維持のバランス」について、知ってほしいと思いました。


笹森-
私はいつの日か何かの動画で冷凍のブロッコリーを茹でたところ、大量の虫が出てきたというようなものを見てから、「冷凍の野菜」に対してずっと偏見を抱いていました。だからこそ今回工場を見学させていただき、何度も手作業・目視で異物を省く作業がされている様子や、葉の色でも新鮮さを判断する機械が導入されている場を見て、その品質の高さと安全性に驚きました。大学生協では提供する食材の選定基準が厳密に定められていますが、それをクリアしている理由がたくさん詰まっていました。
工場見学のあと、茨城大でほうれん草の胡麻和えをいただきましたが、実際にそのほうれん草がつくられる過程・そこにこめられた手間・生産者の方の想いを知ったからこそ、ありがたく美味しく感じました。現役学生にもこのことを伝えたいですし、逆に学生の安心安全で健康な大学生活を支える大きな一助となっているということを、このほうれん草づくりに携わるすべての方に知ってもらいたいと思いました。◎価格や見た目だけで商品を選ぶのではなく、「どのようにつくられているのか」「どんな想いで生産されているのか」を知ることの大切さを社会に広げていきたいと感じました。また、環境への配慮や地域とのつながり、消費者の安心安全を大切にした取り組みは、大学生協の活動にも通ずる部分が多くあると思います。消費者として生産の背景に関心を持ち、持続可能な社会を支える選択をしていくことの重要性を、大学生協としても発信していきたいです。
工程の中で風や水で異物を浮かせたり、機械と人の目で選別をしている
ほうれん草の畑 視察

藤井-
ほうれん草畑の一部を見させていただいて、それでも広大な土地に一面と成っている、ほうれん草を見てとても驚きました。それでもこのほうれん草がひと月で全国の大学生の手に渡ってなくなってしまうんだというのが感慨深いと思いました。実際に葉を触ったときにすごいしっかりしていて、大きい葉で、茎も太く、スーパーで売っている、ほうれん草とは全然違うなというのは素人の自分でも感じました。路地栽培の利点を存分に感じました。ただ出荷量や効率を求めるのではなく、品質やおいしさも追い求めて効率化しているんだというのを見て感じとれました。
◎皆さんがスーパーで買うときのこだわりが、値段や品質・色などいろいろあると思うんですが、生産者のこだわりが生産者に伝わるといいなと思いました。

笹森- 1町歩分あっても全国の大学生協に配送する1か月分の量に満たないと伺い、その規模の大きさに驚きました。実際にほうれん草に触れてみると、葉が大きくしっかりしており、堆肥や土づくりに丁寧に向き合っていることが伝わってきました。 だからこそ、農家さんは日頃から「安心して食べてもらいたい」「より良いものを届けたい」という想いを持ちながら、手間ひまをかけて栽培されているのだと感じました。消費者として商品を受け取るだけでは見えにくい、生産の背景や努力を知ることができました。
堆肥場 視察

笹森

藤井

2026年4月27日、茨城県水戸市にて視察

















