東日本大震災 大学生協復興支援 2015年度 夏季ボランティア報告

元気な児童・生徒とふれあう1週間

44タームは、午前に小中学校での学習支援、午後に各所の視察や農作業のお手伝いを行いました。夏休みの宿題や1学期の復習をしようと多くの子どもたちがサマースクールに集まりました。部活の練習の合間を縫って参加する子どもたちも多く、とても元気で、私たち大学生にも気兼ねなく接してくれました。
コミュニケーションを図りながらわからない問題を一緒に解いていく中で、4年前の出来事や将来のことを子どもたち自ら話してくれることもありました。そんな子どもたちに共通していることは「4年前のあの日のことを前向きに捉えている」ことでした。忘れるのではなく、ちゃんと過去のことだと受け止めて今を一生懸命生きている子どもたちのいきいきとした姿に、私たちも勇気づけられました。
農作業を通じて感じる「復興」

45タームでは、35タームからお世話になっている㈱美田園ファームさんが運営しているビニールハウスで石拾いとオクラ収穫を行いました。
参加者は、作業を行いながら美田園ファームの方々と交流し、農作物を育てることの難しさとやりがいを感じていました。また、自分が立っている場所が津波で流されたことも受け止めていたようでした。美田園ファームの大友さんが、「ここで感じ取ったことを、深く思いつめることはない。次、東北に来るときに『ここで作業したな』と思い出してくれたり、将来子どもができた時に『東北ってこんなところだよ』と伝えてくれたら、とても嬉しい」とおっしゃっていたことが印象的でした。
自分の目で見る、肌で感じる、直接話を聞くことが大事


今回の参加者の多くは、過去に何度か大学生協のボランティアに参加した方でした。何度もボランティアに参加するのはなぜか。それは「復興していく様子を自分の目で見たいから」。そんな声が多く聞かれ、訪れるたびに、新しい発見と学びがあるのだと強調していました。
他者に貢献したいという想いが自身の成長に繋がる

大学生協ボランティアでは開始当初から現在まで、一日の終わりのフィードバックと交流の時間を大事にしています。どのタームの参加者も、1日目よりも最終日のほうが交流の内容が充実していきます。一人ひとりの考え方も深まり、積極性も増していきます。同じ大学生でも、出身地が違えば専攻している学問も違う、そんな人たちが集まり、価値観をぶつけ合うことで、考えが深まっていく。大学生協ボランティアの良さはそこにあると思います。
また、参加者は何かしらの貢献意識を持って東北に足を運び、活動し、交流をしています。その結果として、4日間という短い期間で大きな成長を遂げて大学に戻っていきます。他者のためと思って行動することが、自分のためにもなっている。ボランティアにはそういう側面があると思います。成長した参加者一人ひとりが現地で感じたことをどう活かしていくのか、その行動一つ一つが復興に繋がっていくのだと感じています。
全国大学生協連 全国学生委員会
執行役員 委員長 中村洋平
執行役員 岡田志穂