環境活動に取り組まれているイルカさんに緊急インタビューを実施!

環境活動に取り組まれているイルカさん。
大学生協の環境セミナーの開催を控えて成功の鍵を探る為、
緊急インタビューを実施!

インタビュー(環境)

学生インタビュー

   

イルカ(プロフィール/short Version)

東京生まれ。
女子美術大学に在学中からフォークグループを結成、シュリークスを経て、74年ソロデビュー。
翌年の75年『なごり雪』が大ヒットし、シンガーとしての地位を確立する。
現在も、毎年コンサート活動を続けており、ニッポン放送「イルカのミュージックハーモニー」のラジオパーソナリティをはじめ、2004年にはIUCN国際自然保護連合初代親善大使に就任。絵本・エッセイの執筆や、母校である女子美術大学にて客員教授も務め、2012年からは着物のデザイン・手描き・染め・プロデュースを手掛けるなど活動の幅を広げている。
2016年5月よりデビュー45周年を迎え、ますます精力的に活躍中

 

リリース情報

平成28(2016)年7月20日(水)発売 各3,900円(税込)

★イルカ アーカイブ Vol.3 アルバム「我が心の友へ」「FOLLOW ME」(CD3枚組)
イルカの80年代を代表する、エレキサウンドの決定版アルバム「我が心の友へ」(1980/12/21)、「FOLLOW ME」(1981/10/5)2作品の最新リマスター盤と、この時代のシングル楽曲を中心に8曲(予定)を収録したCD3枚組。2013年に発売したアーカイブ・シリーズに続く第3弾。

★イルカ アーカイブ Vol.4 長編アニメーション「ノエルの不思議な冒険」(DVD)
イルカ活動45周年!イルカの軌跡をたどるアーカイブ・シリーズ第4弾!
イルカの絵本から生まれたオリジナル・キャラクター、ノエルと愛犬キンノスケの大冒険を描いた音楽アニメーション。東映系映画館で全国上映された長編アニメ「ノエルの不思議な冒険」が初DVD化。

コンサート情報

★タイトル:45th Anniversary 2016 イルカ with Friends vol.12 〜我が心の友へ〜
開催日 :2016年07月23日(土)
開場  :14:00/開演:15:00
出演  :イルカ
ゲスト :伊勢正三、ビリーバンバン、コロッケ、神部冬馬、(飛び入り乱入!?)ダイアモンド✡ユカイ
イルカ45周年記念司会アシスタント(お祝い出演):江原啓之
会場  :河口湖ステラシアター 野外音楽堂 (山梨県南都留郡富士河口湖町船津5577)
チケット:一般発売中  金額:一般6,800円(全席指定・税込)
お問合せ:河口湖ステラシアターTEL:0555-72-5588/チケットポートTEL:03-5561-9001

その他、イルカの情報はイルカ公式HPへ

 

イルカさんの行っている環境活動について

―シンガーソングライターとしてのイルカさんのイメージが強いのですが、IUCN国際自然保護連合の親善大使として認知度向上のための取り組みとして具体的にどういう活動をされていますか?

イルカさん:
IUCN国際自然保護連合の親善大使に就任して今年で12年目になりますが、IUCNは世界中の国や政府機関がほとんど加盟している連合なんです。そのほか、NGO団体や環境活動に従事している研究者・専門家たちで構成されており、生物多様性保全に関する世界最大のネットワークとなっています。60年以上にわたり「自然の価値を認め、守る、公正な世界」を目標に掲げ、例えば、貧困や災害の問題では、必ずIUCNの学者さんたちからのデータが活用されています。地球の問題は、国境を超えてみんなが一緒にやっていかなくてはならないことだと思います。 IUCNの仕事は、決して派手な仕事ではなく深く深く見えないところでデータを集めて世に発表していく、そういう地道な仕事ですね。
実は、私も幼い頃からそういう仕事がしたかったんです。気がついたら、歌っていましたけどね。
私がつくる歌は生き物に対する歌がとても多く、作品を通じて、みなさんに少しでも自分もこんなことを思うな、こんな考えもあるのかと、何かを感じてもらえると、この地球というものを意識して生きていくことにつながるんじゃないかと思います。

 

―シンガーソングライターとしての活動とIUCN親善大使としての活動について

まず、作品作り、コンサート、それから絵本を描いたり、近年では着物制作(デザイン・手描き・染め)も行っています。また、毎年続けており今年で 12回目となるのが、IUCNを知ってもらうためのコンサート「イルカ with Friendsコンサート」です。山梨県の富士河口湖町にあるステラシアターにて、町のみなさんと一緒にやらせて頂いています。IUCNには日本委員会もあり、そこに加盟している皆さんにも参加してもらっています。コンサート内ではIUCNコーナーを設けて、今こういう研究をしているとか、今大切だということを少しずつ語っていただいたたり、ロビーでは展示ブースを作り、アピールしたいことなどをお客様に見て頂くことが出来るようにしています。そのような活動をしながら、毎年多彩なゲストミュージシャンをお招きして「イルカ with Friendsコンサート」を行っています。今年は7月23日に開催されますのでぜひ見に来て下さいね。

 

―環境活動への関わり方について

こういう活動は学生時代だけで就職したら終わりということではないと思います。環境問題は、私たち全員の問題なんですが、興味ある人とない人がいるのは当然ですよね。ただ、何かご縁があって関わったのであればぜひ一生関わってほしいと思います。同じ形じゃなくても就職したり、結婚したり、故郷に帰ったり、折々その中で感ずることはいくらでも出来るのではないでしょうか。自分の故郷を見直してみたり。色々なところでインスピレーションがあると思うので、 皆さんみたいな若い世代が希望を持って繋げてくれないと寂しいな・・・・と思います。

 

イルカさんが環境について興味をもったきっかけは何でしょうか?

学生インタビュー

 

イルカさん:
東京生まれの東京育ちで、生まれた時から周りは町の中で過ごしました。車に気をつけなさいよと言われるような環境に育ったので、本当は、アルプスの少女のような山の中で思いっきり駆け回れるような自然豊かな所で育ちたかったなという憧れが強くて。小さい頃、何が一番したいかと聞かれた時には田植えをしたいと言ったり、自分の環境にはないものに非常に憧れていました。私は、どちらかというと引っ込み事案な子だったので、もちろん友達はいたけれど、積極的に友達を作ったり、授業中に手をあげられるような子ではありませんでした。いつも、虫や葉っぱと遊んでいました。自分は人間ですが、カナブンや石ころなどに対して、あんまり境を感じずに過ごしていたんです。すべては同じ命じゃないかというのが根底にあったんですね。皆、この地球上に生まれ、同じ時を過ごしてい る。犬や猫、害虫もただ生きているだけであって、これは保護する、あれは害虫であるなどと、命を人間が決めるのでいいのかという憤りもあったんです。自然 の生き物は何も言わない。文句も言わないし、叱る事もしない、ただ淡々と生きていますけど、私たちより凄く崇高な生き物なんですよ。 私にとっては、あらゆる生き物が先生であり、神様であり、友達であり地球に住む愛すべき同志だと思っています。

 

―環境への興味を職業に

何かがきっかけになったわけではないのですが、いつもアリや石ころと遊んでいて、大人になったらこういうものたちの役にたてるような仕事がしたい なあとぼんやり思っていました。ちょうどその当時、野生の王国というテレビ番組で、ジャングルの中で野生生物を救出するレンジャーのお話があって、そういう人たちを見て、私も大人になったらアフリカとかアマゾンの奥地に行って、野生生物を救助したりする仕事を絶対やるんだ、獣医になるんだと思っていたの ですが、気が付くと歌っていました。でも面白いことに、今はIUCNの人達とご縁を頂き一緒に仕事をしているんです。違う道に行ったと思っていましたが、ぐーっと一周まわって、今、彼らと一緒に仕事が出来るのはとても不思議な縁を感じていて、幼い頃思っていたことが違う形で叶っているなあと思いますね。私はシンガーソングライターとして、なごり雪のような人間のラブソングももちろん歌いますけど、色々な生き物の歌を作って歌うということをずっと続けてきました。20代の頃、スタッフの大人たちの中には生き物の歌は作っても売れないから無駄だと言う人もいたんです。挫折しそうになったこともあります。しかし、生き物の歌を自分で作って歌いたいと思ってこつこつ歩いてきた私を励ましてくれていたのは、当時の10代の若者たちでした。自分も同じようなことを思っていました、歌を聞いてとても感動しましたといってもらうと、生き物の歌を作って歌ってよかったのだなと思えました。そういう、日々に思う色々なことが全て幼い頃に思った「みんな同じ命じゃないか」に繋がっていますね。IUCNから、外務省を通して親善大使になって欲しいと言っていただいた時は、もしかしたら生き物たちに恩返しができる機会があるかもしれないと思いました。いまだに完全にボランティアではありますけどね。

 

―環境に興味を持てた理由

もともと自然に恵まれていない都会で育ったことがよかったのかもしれません。だから余計に憧れた。自然豊かなところに住んでいたら、自然がいかに素晴らしいのかということに気づかないのではないかと思います。実際、地元の人にとっては水がきれい、空気がおいしいってことは、当たり前のことですから。だから、都会のごみごみしたところに生まれ育ったことは、自分としてはいい環境に生まれたなと思います。私の祖母は栃木出身なのですが、信心深い人だったので、祖母からすべてのものの中に神様はいるんだよと教えられました。私のスピリチュアルな部分においては、大きな影響をもらったかもしれないですね。

 

環境活動はなかなか広まっていかない。もっと環境問題への意識を広めていくためにはどうすれば良いと思いますか?

学生インタビュー

 

イルカさん:
自分一人だけが一生懸命やったって、という気持ちは正直あると思います。でも、一人から始めなきゃ何も始まらないんですよ。一人がやっていると、ある日突然全然関係ないところでぱっと同じ考えの人がいて、それがどんどん広がっていくことがある。一人の想いというのは計り知れない大きさがあると思っています。だから、絶対自分を信じた方がいい。自分から信じていかなかったら何も始まらない。私は、この宇宙の始まりは自分なんだってぐらいに思っています。自分自身が全ての惑星につながっていると思うから。私一人でもって思う事が、他の人たちにも絶対伝わるって信じないと何も出来ないのではないでしょうか。

若い人たちが疑問を持つことは素晴らしことだと思います。なんでなんだろうと思うことから、全ては始まるから。違う考えがあればあるほど良いと思いますよ。みんなが同じじゃつまらないじゃない?え〜〜っという人がいないと。だから、環境問題に全く興味がない人がいることも大切です。そういう人がいることによって、少しでも何かアクションを起こす人もいるし、興味がない人だってまた急に考えが変わったりすることがあり得ます。だから、そこの温度差っていうのは計り知れないのではないでしょうか。でも、その人もその人なりに自分では気付かないけれど、すごく大切なことをしているかもしれないのです。大切なことを、意義があってしようとしている人なのか、意義は何も分からないけれど何かすごく大切な役割を担っている人なのか。それはもう他人には決められないですよね。だから、人それぞれ温度差はあったほうがいいのだと。私はそう思います。

 

温度差はあるなあと感じますが、大学生協でもなんで環境活動してるのか分からないという人は多いですね。

学生インタビュー

 

イルカさん:
「分からない」と言わせてあげればいいと思います。その人たちはそう言うことによって満足するから。「分からない」と言うことが一つの環境活動になると思います。世の中の人が同じ考えになるなんて、ありえないのではないでしょうか。お二人は正当派に生きているから、全うに評価されるべき人たちですが、そういう人間ばかりじゃないのが現実です。全く真逆にいくことによって何か自分の存在価値を示したいと思う人がいたら、それは仕方がないことだと思います。彼らは彼らなりに「分からない」と言う反応をしてくれているわけですから。無関心を装っている人が一番多いかもしれませんね。環境活動をやったって無駄じゃないかと見て見ぬフリ。でも、年齢や環境によって、スタンスや表現の仕方が違うのは当たり前ですけど、みんな同じ時間、同じ地球上に生きている訳だから、何も感じてない人はいないと思います。だから、考え方が違う人がいることに意味があって、偏らない良い意見が出る可能性があるんだと感じたほうがいいと思っています。

環境活動に興味ある人たちに、私の活動についてお伝えするのはもちろんうれしいことですが、むしろ、全くえ〜〜って言う人たちのところに行って、歌ったり聞いてもらったりすることは、そこで拒否されても別にいいと思っています。受け取り方は自由。私たちはとても正しい事をやっている、だからあなたも従いなさいということは、私は絶対にするつもりはありません。固く考えなくて良いと思う。自分がやりたければやればいいし、そして、また楽しく何かやればいい。どんなことでも苦痛を伴いながらやると、みんな、それを苦痛だと感じます。もちろん、自分の修行と思ってやっているのであればそれはそれでいいと思います、全て自由だから。それぞれの感じ方の温度差は、すべて生物多様性として成り立っていると思いませんか?それぞれの人がそれなりに何かを感じてくればいい。何かを感じればその人の日常生活に変化が出てくると思います。私たちには一人一人を計り知れないですから。それで地球は成り立っているんだと思います。逆に、みんな同じように考えましょうっていうのは危険かもしれないですね。もちろん、皆さんのことは、私はとても尊い存在だと思っていますよ。

しかし、世の中にはいろいろ波があって、全うなことは当然正しいですが、あまりそれが正しいと言われ過ぎると逆に疑わしい部分が出てきませんか?いろいろな事があるからこそ、すごくバランス感覚が大切なんだと思います。でも、自分が信じた道はまっすぐ行った方がいい。その方が生きていくには生きやすいと思います。

 

学生に向けて環境について興味がある人ない人に向けて、環境に興味を持てるような一言、がんばろうと思えるような一言をお願いします。

イルカさん:
環境問題、環境活動というのは、一人一人の問題なんです。地球上に生きている限りは、そこをなしにしては生きて行けないのですから。それぞれが、自分のことだと捉えられればいいですよね。みんなそれぞれ違うやり方で、例えば、アートにする人もいるかもしれないし、私みたいに歌っている人もいるし、実際にそれで政治家になりたいと思っている人もいるかもしれない。色々ですよね。ただ、根底に思うのは、子供が生まれた時その子に何を一番伝えたいかと考えると、僕はこの地球に生まれたんだってことをいつも思って生きてほしい。それだけで良いと思います。みんなが違う見え方をする事に価値があるのだから、自分に見えたことに関して自分のやれることをやり、地球を自分らしく愛してくれたらいいなと思います。自分らしくってことが大切。こういうスタイルじゃなきゃダメなんてことは一切ないですから。

全ては自由。だから、意見が対立することもまた素晴らしいと思いますがもちろん、戦争だけはしてほしくないなと願っています。

 

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