今月のナイスコメント(2026年1月)速報
2026年3月13日現在
1月に投稿されたコメント431枚から選考しました。選考は、大学生協の全国学生委員、出版甲子園学生メンバー(特別協力)、書籍担当職員、顧問をお願いしている先生で行いました。
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ナイスコメント:8件
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| ペンネーム: | マズルカ |
|---|---|
| 大学: | 東京大学 |
| 書名: | 私はチクワに殺されます |
| 著者: | 五条紀夫 |
| 出版社: | 双葉文庫 |
こんなに面白い本に出会えて、本を読む看護学生さんのコメントに大感謝だ。タイトルのチクワとは、魚のすり身の、皆様ご存知あのチクワらしい。その方は、読後にチクワを覗いて叫んだという。うちの冷蔵庫にはチクワがないから、読後は学食でチクワの磯辺揚げでも買うかーと呑気に思ったのも束の間。冒頭部では、チクワを覗くと人が死ぬと割と本気で信じるくらいに追い詰められた。二部で冷静さを取り戻し、三部でまた戦慄した。面白かった。ああでも待って。私にはチクワを覗く勇気がもうないから、これ以上この本が流行るのは怖いかも。

| ペンネーム: | ぽん |
|---|---|
| 大学: | 早稲田大学 |
| 書名: | 世界音痴 |
| 著者: | 穂村弘 |
| 出版社: | 小学館文庫 |
公衆の面前でカレーライスをすごい勢いで食べこぼしてる人を見てるみたいな気分になる本。だと読んでる途中に思いました。
こんなに恥の部分を垂れ流せるひとっているんだという謎の感動。自分がいかに猫かぶって生きているかを感じさせられる。私ももっと正直にだらしないところもさらけ出してもいいのかもしれないな。
わかる...も、え...(引)も、...?も、...ふふっ(笑)もあるけど、この著者にしか見えない世界が確かにあって、この本を読まなければ気づかなかったであろう小さな心の動きにたくさん出会えた気がする。

| ペンネーム: | naot0 |
|---|---|
| 大学: | 福井大学 |
| 書名: | 若者恐怖症 |
| 著者: | 舟津昌平 |
| 出版社: | 祥伝社新書 |
序章は若者を飲み会に誘うのが怖いという、いかにもキャッチーな話題を通して作者のフィールドに引き込まれた。 コロナ禍で飲み会文化を経験せぬまま社会に出た世代の心理や、成長志向、ハラスメントといった分析が続く。特に、ハラスメントの濫用が若者の「守られて当然」という意識が土台になっているとの指摘は、抱いていた違和感を言語化してくれた。本書は、上司や先輩に向けて書かれた本だが、Z世代こそ読むべきだと考える。自分たちがどう見られ、何に恐怖を抱かれているかを知ることは、世代間の溝を埋める一助になるだろう

| ペンネーム: | 五十鈴 |
|---|---|
| 大学: | 早稲田大学 |
| 書名: | 生命式 |
| 著者: | 村田沙耶香 |
| 出版社: | 河出文庫 |
これは村田沙耶香の短編集である。どれも常識とはかけ離れた世界観だ。読み始めは、理解するのにつまづく。しかし、段々とこの世界の価値観が私に刷り込まれていき、その編を読み終わる頃には、何の違和感も無くなっている。それはまるで、私とこの本の世界が『同期』していくようである。各編はバラバラの世界観でも、根底に通づるものがあるのか、読み進めていくと『同期』が簡単になっていく。ふと顔を上げると、忘れていた世界が帰ってくる。でも、どちらが正しかったっけ。常識ってなんだっけ。そう思った。

| ペンネーム: | Yukinha |
|---|---|
| 大学: | 徳島大学 |
| 書名: | 深夜カフェ・ポラリス |
| 著者: | 秋川滝美 |
| 出版社: | アルファポリス文庫 |
北極星(ポラリス)のように、お客さんの心を明るく照らす深夜の小さなカフェでの物語です。クセの強い店主は、好き嫌いが分かれそうですが、自分の迷いを他人に見せず堂々と構える姿勢は格好いいなと感じました。
自分だけがこの世界に独りのように感じる瞬間があっても、みんなきっと心に何かを抱えながら生きているはず。私も自分の課題と向き合ってコツコツと積み上げ、時には休みながらまた頑張っていこうと思いました。
カフェ「ポラリス」のような、疲れた心を癒してくれる自分の居場所は、案外身近にあるのかもしれません。

| ペンネーム: | 泡沫 |
|---|---|
| 大学: | 甲南大学 |
| 書名: | 忙しい人に読んでもらえる文章術 |
| 著者: | トッド・ロジャース、ジェシカ・ラスキー=フィンク<千葉敏生=訳> |
| 出版社: | ダイヤモンド社 |
良い文章とは相手を動かす文章のこと
文章力を付けたいと思い、手に取ったのがこの本でした。しかし、当初考えていた事とは全く違う方法を学ぶことになりました。「難しい語彙を巧みに使いこなし、考え抜かれた言葉の言い回しをする」これを文章力と思っていましたが、他人の為に書いているかを忘れていた気がします。本書では、そんな伝わる文章を行動科学を基に説明してくれます。一見ハウツー本のように見えますが、科学的な学びが多い難しい本です。しかし、筆者はこの本にも工夫をしてくれており、非常に読み易いですよ!

| ペンネーム: | ぽよ吉 |
|---|---|
| 大学: | 同志社大学 |
| 書名: | 母性 |
| 著者: | 湊かなえ |
| 出版社: | 新潮文庫 |
私の母に読んでもらおうと思った。読んでもらった。
「あなたはお母さんに何を伝えたかったの?」って言われた。
多分、今までの私に対する親の教育方針や育て方に私が文句があって、それを言いたかったのか的なことが言いたかったのかもしれない。
もちろん私にそんなつもりはないけれど、親からしてこの本を子供に勧められるって確かに嫌かもしれない。

| ペンネーム: | 魔女のアクアリウム |
|---|---|
| 大学: | 福岡女子大学 |
| 書名: | ヨルノヒカリ |
| 著者: | 畑野智美 |
| 出版社: | 中央公論新社 |
恋人や夫婦の間にある恋や愛は素敵だと思う。だが、「恋」や「愛」という言葉では表せられない、ただ「大切だ」と思うことを、誰かに肯定してほしかった。そんな時、この本に出合った。この本は、大切な人と向き合う勇気をくれた。私はこの本の、「好きな人って、怖いんだよ。」という言葉が心に刺さった。好きな人(大切な人)と向き合うことは、時として自分が傷つくことでもある。それでも、「誰かを大切にしたい」という思いは忘れないでいたい。誰かを大切に思う人の背中をそっと押してくれる、静かな温かさに満ちた本だと思った。
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| ペンネーム: | 嗚呼あゝ |
|---|---|
| 大学: | 岩手大学 |
| 書名: | クモの奇妙な世界 その姿・行動・能力のすべて |
| 著者: | 馬場友希 |
| 出版社: | 家の光協会 |
私はクモが嫌いだ。この本は、専門用語がほとんど使われておらず、クモを詳しく知らない人が読んでもある程度のことを知ることができる。興味深いのは章の構成だ。普通、何かについて紹介する本では「基本的な説明」、次に「具体的な説明」といった感じに展開していくと思う。しかしこの本は第1章が「クモの生き方・恋の駆け引き」なのである。生き方だけならまだわかるが、セットで恋の駆け引きもついてくる。なぜ?そう思い読み始め、読み進んでいくうちに私は、この本のとりこになっていった。しかし、いまだにクモは嫌いである。

| ペンネーム: | ポッカレモン |
|---|---|
| 大学: | 北海道大学 |
| 書名: | むらさきのスカートの女 |
| 著者: | 今村夏子 |
| 出版社: | 朝日文庫 |
いわゆる近所の名物おじさんのように冷笑的アイコニックな住民「むらさきのスカートの女」のことを、主人公がつぶさに観察日記をつけるようにして物語は進む。まるで神の視点と見紛うが終始主人公が猟奇的な域のモニタリングをしているにすぎないので、きっと読者は、おまえは「女」の何やねん、と思いながら読み進めていく。そしてこの構図が新鋭な作風であると気づき始めたときに、目の前にひろげている本と、それを読む自分のあいだにはアクリル板が生成されている。読解にもう一段階の色がつくのだ。二重の読書体験ができた気がした。

| ペンネーム: | パプ |
|---|---|
| 大学: | 同志社大学 |
| 書名: | 文字禍・牛人 |
| 著者: | 中島敦 |
| 出版社: | 角川文庫 |
文豪と呼ばれる作家の文庫本には,たいてい「解説」がついている。今まで私は,それを読み流すか,途中で読むのをやめていた。そんなビガクを熱弁されたところで,私そもそもこの作家そこまで詳しくないし…と,作家にも批評家にも無礼千万な理由だった。が,しかし。この,とても薄い短編集の「解説」を読んだとき,初めて「分かる!」と思った。「この人は世界を書いた」,正に,世界を創ったのだ。どの短編も,史実と区別のつかない世界観が,記憶に残る一文で締め括られている。他の著作も読んでみたいな,と素直に思える一冊だった。

| ペンネーム: | d |
|---|---|
| 大学: | 東京工芸大学 |
| 書名: | いつの間にか仲良くなっている人たちの世界 |
| 著者: | 野口敏 |
| 出版社: | 東洋経済新報社 |
私はいわゆるコミュ障で、話しかけられないと話せないタイプ。だから話しかけてくれる人はありがたいが、理解ができない存在だった。シンプルにタイトルに惹かれ手にとった。人と関わることが幸せと感じる人であることがわかったし、相手のことを考えられる人であることもわかった。1人でできることや孤独であることを推奨する時代でもあるが、人と関わることを考えてみるのにいい本かもしれない。

| ペンネーム: | めいおう |
|---|---|
| 大学: | 横浜市立大学 |
| 書名: | カンタ |
| 著者: | 石田衣良 |
| 出版社: | 文春文庫 |
私の弟は発達障害を患っている。この物語の主人公の一人、カンタと同じである。そのため少し、カンタを囲む状況が羨ましいと思うとともに、弟へ何かしてやれるわけでもない私、将来無償で支える事に抵抗なく許諾できるか怪しい私に落胆した。物語としてはとても面白い。だが、私は単純に感動することはできなかった。もう少し早く出会えていれば、心からカンタの気持ちに入り込めたかもしれない。私はまだ、他者と自分を分離できていないようだ。

| ペンネーム: | 詩暢 |
|---|---|
| 大学: | 京都大学 |
| 書名: | コンビニ人間 |
| 著者: | 村田沙耶香 |
| 出版社: | 文春文庫 |
中学生の時に挫折した本を、大学で読み直した。
気味悪さが勝って途中で本を閉じた5年前。今回は、普通を探りつつも普通に生きられない36歳の古倉にどこか自分を重ねてしまっていた。就職、結婚が現実味を帯びて迫ってきて、それにまつわる諸々の社会規範も朧げながら形成されつつある20代前半。だからこそ、コンビニでしか働けない彼女に、社会規範ってなんだ、と抉られるのだろう。ただ「分からない」で排してよいのか、排除した先で自分もまた排されることになるのではないかと、突きつけられているようでもあった。



