今月のナイスコメント(2026年4月)速報

2026年6月3日現在
 
4月に投稿されたコメント847枚から選考しました。
選考は、大学生協の全国学生委員出版甲子園学生メンバー(特別協力)、書籍担当職員、顧問をお願いしている先生で行いました。

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ナイスコメント:6件
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表紙
ペンネーム: ポッカレモン
大学: 北海道大学
書名: 和解
著者: 志賀直哉
出版社: 新潮文庫
コメント: 
私は、今はたらいている行動が逃亡に値するのではないかと疑るとき、少し心苦しくなる。読書は学業からの逃避ではないか、仮眠は勤勉に唾をはく怠惰で、進学先に北海道を選びなかなか帰省をしないのは家族からの逃亡ではないか…。私は家族と不仲ではない。学費も払ってもらっている。しかしどこか正面から向き合えない青さもまた自覚している。志賀直哉は実際に大きな家庭内不和と和解を体験し、見事にこの短編に落とし込んだ。劇的だった。志賀直哉は和解に人間愛を見つけ、筆をとったのだ。来月、私はどんな顔で姉の結婚式に出よう。
表紙
ペンネーム: ミステリオン
大学: 広島修道大学
書名: 20代で得た知見
著者: F
出版社: 角川書店
コメント: 
タイトルの通り筆者が20代得た知見なのだが、考え方・恋愛・男と女の違いなどジャンルはさまざまでどのページを読んでも筆者の言葉が味わい深い。特に、「死」に関連したページは読んでいて共感できる部分が多く、「いずれ死んでしまうのだから、自殺以外のことは全てやってから私は死にたい。」痺れた。読み終わった後、色々な人と話している筆者を見て、恋愛で少し焦りがあった自分だけど、どうでも良くなった。色んな人に出会って色んな話をしたい。心からそう思えた。
表紙
ペンネーム: ur
大学: 仙台白百合女子大学
書名: すべての人にいい人でいる必要なんてない
著者: キム・ユウン<西野明奈=訳>
出版社: かんき出版
コメント: 
拒絶できないイエスマンのわたしに返ってくるのは、「感謝」ではなく「当然」だった。この言葉がとても印象に残った。意志はあるが頼み事や誘いに対して相手によく見られたい、嫌な気持ちにさせたくないなど色々な感情が混ざりイエスマンになることが多い。そしてそんな私に返ってきたのは私がそれをして当たり前ということだった。周りがやらないことに気づいてやっても誰もそれには触れてこない。感謝されたいという思い自信よくはないけど私の日頃の頑張りは周りにとっては重要ではない。もっと気楽に生きていいんだなと感じた。
表紙
ペンネーム: グータラン
大学: 名古屋大学
書名: 八日目の蝉
著者: 角田光代
出版社: 中央公論新社
コメント: 
結婚も不倫もしたことがないし、子供もいない僕にとって、正直共感できない部分もあった。なぜそれをいけないと分かっていながら不倫をし、家族の形を大きく変えてしまったのか。なぜ自分と血のつながっていない子供を我が子のように育てようとしたのか。なぜ子供が帰ってきた家庭が歪になっていくのか。なぜ同じ道を選ぶのか、、けれど、その全てに登場人物達の人間性が反映されていて、人間の行動に理性も理論もなくなることがあるということを教えてくれた気がする。また数年後に読むと、感じることも変わる本だと思った。
表紙
ペンネーム: 蝸牛
大学: 東京経済大学
書名: 本を読めなくなった人のための読書論
著者: 若松英輔
出版社: 亜紀書房
コメント: 
本を読む余裕、読みたい気持ち、読む気力がない時に手に取りました。本を開けば、文字が呼吸のように流れてくる、ゆっくりと読み進められる優しい本です。
私がそうだったと言うだけですが、文字を理解して読めなくなった時には、オススメしたい本です。この本を通して、自分をゆっくりと見直しています。
本を読もうとして、文字を読めなくなった。だから、今度は本を待ちます。本を読む時期になるまで待ちます。
表紙
ペンネーム: tukica
大学: 名古屋大学
書名: 龍の守る町
著者: 砥上裕將
出版社: 講談社
コメント: 
消防士の話と聞いていたので、てっきり現場で命をかけて最前線で戦っている屈強な男の話だと勝手に思い込んでいました。そんなことない。指令室に異動になった現場上がりの消防士が悪戦苦闘しながら、そして過去に想いを馳せながら現在を生きていく、再生の物語でした。私は大災害に遭ったことがありません。復興の意味を、完璧に理解しているわけではありません。けれど、祈り続け働き続けることの大変さが、全く理解できないわけではないのです。形の違う「命の現場」を見せてくれたこと、医療の道を歩む者として感謝します。
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次点:9件


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表紙
ペンネーム: さささ
大学: 東京大学
書名: 10代にしておきたい17のこと
著者: 本田健
出版社: だいわ文庫
コメント: 
「私は週に一回考えることで名声を得た」これは第三章で参照されている、バーナード・ショーの格言だ。著者曰く、ほとんどの人は反応のままに生きている。スマホが生活を侵食している令和の時代、この傾向がより顕著である。目覚ましが鳴ったら起き、やらなければやらないことをやり、疲れたので帰りの電車でYouTubeを開く。そして少なくとも今、僕は事象に対して反射するのではなくじっくり考えたいのだ、とこの本は気づかせてくれた。
表紙
ペンネーム: しゃんしゃん
大学: 早稲田大学
書名: アイヌからみた北海道150年
著者: 石原真衣
出版社: 北海道大学出版会
コメント: 
北海道命名150周年のことをよく覚えている。中学生だった。お祝いムードで記念式典等が行われていた。純粋にお祝い事なんだと思っていた。その年、阿寒のアイヌコタンに旅行に行ったのに別々なものとして捉えてしまっていた。
ある時から、地元は他人の土地を奪って得たものであるということに気が付き、居心地が悪かった。地元のことは好きだが、どんな感情を抱けばいいのかわからなかった。
この本はあの時の「お祭り」に対するアイヌ民族の方々からの見方を様々な立場から知ることができ、少し自分の中の懊悩が解きほぐされた気がした。
表紙
ペンネーム: さんさん
大学: 名古屋大学
書名: スガリさんの感想文はいつだって斜め上
著者: 平田駒
出版社: 河出書房新社
コメント: 
一気に読み終え、私は言葉を失った。とんでもない作品に出会ってしまった。
読書が好きで少し変わった女子高生スガリさんは、読書感想部という読書感想文を書く部活を創設する。これは、スガリさんとその顧問をやるハメになった直山先生のお話。
見所はやはり、スガリさんの書く感想文だ。独特な着眼点とコメントで直山先生も我々読者も度肝を抜かれる。まさに斜め上な感想文だが、スガリさんが本から読みとる主題や教訓は我々をはっとさせる。ぜひ読んでみてほしい。変わり者だがかっこいい、そんなスガリさんにあなたもきっと夢中になる。
表紙
ペンネーム: エンゲルス
大学: 東京大学
書名: なぜ、あなたの仕事は終わらないのか
著者: 中島聡
出版社: 文響社
コメント: 
サークルやアルバイトで責任ある役割を任されるようになった私は、終わらない数々のタスクに悩まされていた。学生生活を豊かにするために始めたことで自分の首が絞まるのがたまらなく苦しかった。そんな中、書店で「なぜ、あなたの仕事は終わらないのか」というタイトルを偶然目にしたのである。そのタイトルに心惹かれ実際に読んでみると、仕事が終わらない理由、仕事を効率よく終わらせる筆者のノウハウ、そしてそれを自分の状況に合わせる方法が分かりやすく書かれていた。仕事を通して人生を楽しむ筆者の姿勢に、救われた気がした。
表紙
ペンネーム: ルラーリ
大学: 東京農工大学
書名: レーエンデ国物語
著者: 多崎礼
出版社: 講談社
コメント: 
読めば読むほど、歴史が脳裏に思い浮かぶ。スラスラと喉から心臓へ全身へと行き渡るような小説を私はこの本以外で読んだことがない。本当に感動した。原作のネタバレをしたくない。私はこの歴史を様々な人に読んで欲しいから。
これからレーエンデという場所がどのようにレーエンデ国になるかという原点であるということ。
銀呪の森であるレーエンデ。
これから革命のうねりに会うレーエンデ。
「革命の話をしよう」
この国の生の歴史を私は読み続けたい。
表紙
ペンネーム: シフォン
大学: 早稲田大学
書名: 舟を編む
著者: 三浦しをん
出版社: 光文社文庫
コメント: 
言葉はいつだって身近な存在だ。しかし、今でも初めて知る言葉がある。私は生涯に渡って言葉を学び続けるのだろう。言葉を学ぶ時、辞書は先生だ。そして辞書に書かれていることは正しい、と心のどこかで思ってしまう。でも、それは本当?「言葉の先生」の作り手に思いをはせたことはあるだろうか。そう、これは辞書作りに関わる人々の物語である。辞書の編纂は大事業。用例採集、原稿の執筆など仕事は山積みだ。「右」を言い換えるなら?「愛」とは一体何なのか?説明できそうでできない言葉の数々、考えれば考えるほど沼にはまっていく。
表紙
ペンネーム: ルル
大学: 東京外国語大学
書名: 人魚の眠る家
著者: 東野圭吾
出版社: 幻冬舎
コメント: 
水の事故で植物状態になった娘と、その娘を科学技術で呼吸させ続ける家族の葛藤が描かれた物語。目を覚まさない娘を無理矢理生かし続けるのは親の自己満足なのか。親しか子供のために狂うことはできないという表現に子供への愛情を感じた。僅かな希望を信じて、傍からは理解できない行動をする親は周囲からは鬱陶しがられるかもしれない。しかし、親は狂い続ける。心臓死と脳死、臓器提供に関する複雑な現状,これら問題について深く考えられる一冊だった。
表紙
ペンネーム: ささみ
大学: 長崎大学
書名: 世界から猫が消えたなら
著者: 川村元気
出版社: マガジンハウス
コメント: 
毎日、世界から様々なものが消えている。しかし人間はそのことに気づかないし、気づこうともしない。それは、新たなものが次々と生まれるから。新たなものを手に入れるために必死になっているから。何かを得るために何かを失っている。失われることは偶然であり、必然である。得られるものばかりでなく、失われるものに対して、想像力を働かせることのできる人間でありたいと強く思う。
表紙
ペンネーム: あかまる
大学: 同志社大学
書名: 第七官界彷徨
著者: 尾崎翠
出版社: 河出文庫
コメント: 
両性具有への憧れを示す「苔の恋」や、成熟を企図したものでない恋愛模様が描かれており、現代に読んでもどこか新しい感じがしました。ジェンダー的な観点からも読める作品だとは思いますが、あまり深く考えず、不思議な感覚の世界に足を踏み入れる気持ちで手に取ってみたい作品だなと思います。自分の感情や感性を探しに行けるような気がします。個人的には、三五郎が上手くいかない時に衝動で無駄な買い物をするところが自分に重なり、親近感がわきました。いつか私もボヘミアンネクタイをつけているかもしれません。
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