今月のナイスコメント(2026年5月)速報

2026年7月4日現在
 
5月に投稿されたコメント1,024枚から選考しました。
選考は、大学生協の全国学生委員出版甲子園学生メンバー(特別協力)、書籍担当職員、顧問をお願いしている先生で行いました。

ナイスコメント一覧はこちら
 

ナイスコメント:5件
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表紙
ペンネーム: ちょこ
大学: 立命館アジア太平洋大学
書名: 彼女は頭が悪いから
著者: 姫野カオルコ
出版社: 文春文庫
コメント: 
こんなに読むのが辛くなる本を読んだのは久しぶりだと思う。いち女性として、大学生として、この”社会”が作り上げてきた”女子大生”という像に深く憤りを感じるとともに、変えたくて仕方がなくなった。なぜこれが問題とされるのか、それがわからない人がいなくなることを願う。
もちろんあってはいけないことだが、よくある話のように思えてしまうことがとても怖かった。
表紙
ペンネーム: つぶあん
大学: 熊本大学
書名: 嫌われる勇気
著者: 岸見一郎・古賀史健
出版社: ダイヤモンド社
コメント: 
難しい。これまでの自分の常識、考え方をがらっと変えられるような感覚。
いかに自分が他者の人生を生きてきたか、また、それが正解だと思い込んでいたか、に気づかされた。普段、ここで人生が終わるなら勉強、就活なんてしないのにー…と思うことがあったが、【「いま、ここ」にスポットライトを当てる、いまできることを真剣かつ丁寧にやっていく】という箇所でなんだか腑に落ちた感覚があった。
ただ、理解や納得はできたつもりではあるものの、実践には時間が必要だと思う。繰り返し読み、自分の中に落とし込みたいと思う一冊だった。
表紙
ペンネーム: 麦茶
大学: 早稲田大学
書名: 人間失格
著者: 太宰治
出版社: 新潮文庫
コメント: 
自分がどれだけ適当にぽやぽやと生きて来たのかが浮き彫りにされた。応えられずに取りこぼした期待を数えては自分で自分の首を締める彼にこちらまで心が苦しくなる。彼の人生は周囲から到底理解を得られるものではなかったようだが、こうして一人称視点で語られると嫌でも感情移入してしまう。彼を擁護するどころか、自分だけが彼を理解しているのだと図々しく主張したくなってしまう魔性の作品だと思う。わずか百数ページの文章を読んだだけで勝手に「狂人」に寄り添った気になれる自分はこれからも上手く「人間」をやっていけると思う。
表紙
ペンネーム: うゐのおくやま
大学: 北海道大学
書名: 「14歳」少女の構造
著者: 大塚英志
出版社: ちくま文庫
コメント: 
私はかつて、たしかに少女漫画に救われていた。少女漫画には、「目が大きい」「恋愛ばかり」「つまらない」といったイメージが付きがちである。読者の趣味嗜好によっては、そう言われても仕方がない。だが、それだけではないのだよと。他者のまなざしを内面化し始め、自分が”女”であることを意識せざるを得ない少女の時期に、少女漫画は寄り添ってくれるものなのだ、と本書は解説している。書かれた時代ゆえか、偏見やこじつけが含まれる章もある。それでも、少女漫画の価値を再考するものとして、意義ある本だと思う。
表紙
ペンネーム: 嗚呼あゝ
大学: 岩手大学
書名: 近畿地方のある場所について
著者: 背筋
出版社: 角川文庫
コメント: 
私がホラーを読むのはこれが最初で最後だなと強く感じた。本をよく読む知り合い曰く、この本は全然ホラーではないらしい。信じられない。この本を読んだ後、夜道を帰るのが怖くなり日が出ているうちに帰るようにした私はどうなってしまうのだ。ショートストーリが複数展開され、最後で綺麗にまとまる書き方は見事であると認めざるを得ない。しかし、怖いもんは怖いのだ。読後、シャンプーをするのが怖く、ちらちら後ろを見ながら髪を洗った。目に泡が入った。しばらく私がホラーを読むことはないだろう。
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次点:12件


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表紙
ペンネーム: ゆず
大学: 徳島大学
書名: いちばんやさしいアロマンティックやアセクシュアルのこと
著者: 三宅大二郎
出版社: 明石書店
コメント: 
「私は恋愛しない」と言うと家族に悲しい顔をされる。しかし恋愛をしないという選択肢は確かに人生の中にある。この本は「恋愛しない」ということを特別視せず、自然なあり方として教えてくれる。誰かを好きになってもならなくても、どんなグラデーションの中にいてもいい。無理に誰かに合わせたり、自分を否定したりしなくてもいい。「そのまま」を大切にしようと思える一冊。Aro/Aceについて知る本であると同時に、「普通」とは何かを問い直す本でもあった。誰かを理解するためにも、自分を理解するためにも、多くの人に読んでほしい。
表紙
ペンネーム: 三重で生きる京都府民
大学: 三重大学
書名: ハンチバック
著者: 市川沙央
出版社: 文春文庫
コメント: 
己への戒め
紙の本というのは僕に取ってかけがえのないものだった。電車に乗る時も授業を受ける時も、レポートを書く時も休息を取る時も、その片手には紙の本があった。しかし、その紙の本というのはある人から見たら、権利の象徴である。紙の本を礼賛するのはいいが、その功罪として、紙の本を読めない人がいることを知らなければならない。
この本ではそれを教えてくれた。みたくもない現実、知りたくもない現実を、別な言葉を使って教えてくれた。これは己の常識の枠を広げてくれる一冊なのである。
表紙
ペンネーム: とんでもにうむ
大学: 東京都立大学
書名: 恋文の技術
著者: 森見登美彦
出版社: ポプラ文庫
コメント: 
この小説は腐れ大学生が主人公だ。そんな彼が文通修行で多方面へ手紙を送り、縁がつながって、愉快な終わりへと、騒がしくも至った。だれかに手紙を書きたい。読み終えたとき、ぼくはそう思った。そこで、ぼくはあふれる文通欲求を持て余して錆びついたSNSを動かし、文章を書いてみた。しかし求めていたものとは違う気がする。やはりSNSと文通は違う。ぼくはわざわざ紙に書き、ポストへ投函する面倒くさい文通がしたかった。でもぼくには文通する相手がいない。ならば作ればよい。大学一年目、文通友達を作るという変な目標が加わった。
表紙
ペンネーム: モモノスケ
大学: 新潟大学
書名: 二都物語 上
著者: チャールズ・ディケンズ<池央耿=訳>
出版社: 光文社古典新訳文庫
コメント: 
検索エンジンに「二都物語」と入れると必ず候補に「つまらない」が上がる。ネットの評判もよくはない。私も何度か借りるのを躊躇った。でもね、読んでみないと判らない。30頁もめくれば嫌でも気づく。『二都物語』はめちゃくちゃ面白い、と。舞台は革命前夜のパリとロンドン。飢餓と奸謀に覆われた陰惨極まる大都会で激動の時代を生きる人々の物語。人物造形も素晴らしい。とくにシドニー・カートン。不器用で優しさに満ちた無私の人。大好き。読めばわかる、きっと共感してくれる。死相でてたけどもう投げ出せない。下巻に行ってきます!
表紙
ペンネーム: Mioh
大学: 立命館大学
書名: 大学1年生の歩き方
著者: トミヤマユキコ<清田隆之=訳>
出版社: 左右社
コメント: 
大学1年生が抱える不安を12ヶ月に分けて解説し、その対処法や実体験が親しみやすいように語られている本であった。大学に入学して1ヶ月たっていまだに友達と言える人もできず1人で過ごしてきたが、この本を読んで安心することができた。実際の経験をもとに、大学生なら失敗しても全く問題なく、トライアンドエラーで何度でもやり直せるとまるでこちらに話しかけているような優しい口調で語られていて、入学時に抱えていた不安が吹っ飛んでいった。もっと早くこの本と出会っていれば…。
表紙
ペンネーム: tukica
大学: 名古屋大学
書名: 美しすぎた薔薇
著者: くわがきあゆ
出版社: 新潮文庫
コメント: 
なんだ、この後味が悪くて気味の悪い小説は。
この著者、くわがきあゆの作品「レモンと殺人鬼」に通じる、薄気味の悪さと気持ち悪さと。
はじめは、主人公だと思っていたはずの男。衝撃の出会いを果たした結果、憧れの人物を全て真似たいと願い、恐ろしいほどの執着を見せていきます。彼が話の軸として進んでいくと思ったら急に話が転換して、とある女性に視点が移っていきます。またこの女性も欲深くて好きになれない。逆にこんなに欲深い人物を描けることが恐ろしい。
そして最後は・・・、思い出したくもない。気持ち悪い。でも癖になる。
表紙
ペンネーム: とりに
大学: 北海道大学
書名: 蛇にピアス
著者: 金原ひとみ
出版社: 集英社文庫
コメント: 
作者の金原ひとみはこれを執筆した当時19歳であり、アウトローな暴力性の描き方がその年齢の女性から発せられるとは思えない程生々しい。主人公であり語り手であるルイの行った、本作品のキーワードであるスプリットタン(ピアス)や刺青に秘められる「身体改造」は彼女の一部そのものであるが、それが一般的な動機として予想できる変身願望の一つとして表現されていないことが印象的だった。彼女は何故ピアスや刺青に惹かれたのか。単なる変身・装飾欲求ではなく、ルイの痛みを媒介して彼女の抱える感情が、孤独が一気に押し寄せてくる。
表紙
ペンネーム: 冷凍みかん
大学: 東京学芸大学
書名: 地球星人
著者: 村田沙耶香
出版社: 新潮社
コメント: 
地球になじめない人間は、自分のことを宇宙人と思うのだろう。
奈月は自分を魔法少女と信じることで現実の痛みを忘れ去ろうとしていた。そして、同じく現実から逃げたいと願ういとこの由宇と二人きりで「誓い」をたてる。 地球のルールを当たり前に受け入れ、当たり前に生きている私のような「地球星人」にとって、「宇宙人」の視点は衝撃的だった。私たちの日常は確かに捉えようによっては狂っている。狂いながら進んでいる。地球星人にはあまりにもショッキングな結末だったが、彼らはそれが幸せなのだろうか。ポハピピンポボピア。
表紙
ペンネーム: もろっこ
大学: 大阪大学
書名: マインドマップ読書術
著者: トニー・ブザン<近田美季子=訳>
出版社: ディスカヴァー・トゥエンティワン
コメント: 
本を読むときは最初から最後まで、一言一句を完全に追わなければいけないという先入観があった。しかし、全体を俯瞰し、今の自分に必要なメッセージを主体的に吸収していく方法を知り、目から鱗が落ちた。読書が受け身の作業から、著者とのアクティブな対話へと変わる感覚。文字の海で溺れることなく、言葉の真意を軽やかにすくい取れるようになり、本を開くのがさらに楽しくなった。
表紙
ペンネーム: みけ
大学: 東北大学
書名: 京大に合格したら幸せになれるのか?
著者: 川瀬みどり
出版社: PHP研究所
コメント: 
京都大学に入れなかった人間として、書名に惹かれてこの本を手に取ってみたが、期待していたような内容ではなかった。書名への答えは曖昧で、筆者のエッセイ的文章が多く、その文章もポジショントークと一般論に終始していたためあまり得るものはなかったように感じる。酷評にも思えるが、面白かったのは一浪して京都大学に合格し博士課程まで進んだ作者であっても、私ですら思い浮かぶようなありふれたことに悩んでいるのだと知れたことだ。それは逆説的に、京大の合否程度では人間は大して変わらないのだと私を勇気づけてくれた。
表紙
ペンネーム: ももこ
大学: 早稲田大学
書名: 嗤う淑女
著者: 中山七里
出版社: 実業之日本社文庫
コメント: 
詐欺には絶対に騙されないという自信があった。しかし、この本を読んで、その自信こそが危ういのだと思い知らされた。美しく聡明な生活コンサルタント・美智留は、人の悩みや欲望を巧みに見抜き、人生を少しずつ狂わせていく。美智留の言葉にはどこか説得力があり、読んでいる私ですら「それも一理あるかもしれない」と思わされる瞬間があった。「詐欺なんかに騙されない」と思っている人ほど、ぜひ美智留の手のひらの上で踊らされてみてほしい。
表紙
ペンネーム: 寒月
大学: 近畿大学
書名: いつかX橋で
著者: 熊谷達也
出版社: 新潮社
コメント: 
優等生の裕輔は空襲により母と妹を失い、終戦後靴磨きで日々の生活をやりくりしていた。特攻崩れの彰太と出会った裕輔は、混乱と復興が渦巻く仙台で『X橋に虹をかける』ことを誓い合う。戦争により身寄りを失った若い少年たちの友情と希望と絶望の物語。物語の結末は、過酷な日々でも希望をあきらめずに生き抜いてきた彼らには、あまりにも残酷なもの。しかし彼らのように志半ばで命を落とした少年少女が、どれほどいたことだろう。題の『いつか』が、叶わない夢だろうと、願わずにはいられない人の心理を表しているように思えた。
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