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2024年05月07日(火) | 新着情報

コロナ禍を体験した学生の五月病
高石恭子(前日本学生相談学会理事長・甲南大学教授)

五月病の季節ですね。コロナ禍を耐えてきた学生のみなさんにとって、今年の春は特別ではないでしょうか。
高石恭子先生(前日本学生相談学会理事長・甲南大学教授)から、全国の学生のみなさんにメッセージをいただきました。
ぜひご一読ください。


 


高石恭子
前日本学生相談学会理事長・
甲南大学教授

今年も五月病の季節がやって来ました。
北国では春の花が咲き揃い、本州では一雨ごとに緑が深くなり、枝葉がぐんぐん伸びていく時期ですが、そんな自然の華やぎとまるで逆行するように、気分が塞ぎ、体がだるくなり、何もしたくなくなってしまう。

五月病は、とても日本的な現象です。起源は、学生運動が終焉を迎えた1960年代末の大学で、受験戦争を勝ち抜いて入学した若者が目標を失い無気力になってしまう状態につけられた俗称で、医学的な病名ではありません。その後、新入社員にも、子どもが新入園・入学した母親にも使われるようになりました。

なぜ5月かというと、わが国の年度が4月に始まるからです。心機一転、ついあれこれ張り切ってしまうけど、環境の変化は生き物にとってストレス。ヒトも例外じゃなく、じわじわと疲れがたまっているのです。連休で緊張の糸が切れると、心身が一気に「もう無理」と悲鳴を上げるわけですね。

とりわけ、コロナ禍を耐えてきたみなさんにとって今年の春は特別です。式典も新歓も課外活動も留学も、やっと制限なしで参加し、存分に挑戦できるようになりました。でも、3年余りのブランクの影響は想像以上です。いくらマニュアルが完備されていたとしても、先輩や仲間との密な体験から得られていた「暗黙知」が欠けた状態では、思い通りにいかないことがコロナ禍前の何倍もあるはずなのです。

4月に期待を膨らませた分、5月の反動は大きいかもしれない。ひょっとして五月病かな?と感じたら、迷いなく自分を労り休養して下さい。長いキャンパスライフを楽しむには、持続可能な自分のペースを早めに掴むことが大切です。

 
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